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JRA キセキ妹は兄と「正反対」の優等生!? 有馬記念(G1)で引退の兄へ捧げるG1級パフォーマンス

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 4日、中京競馬場で行われた栄特別(1勝クラス)は、西村淳也騎手の1番人気ビッグリボン(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎)が勝利。2月のデビュー戦以来の嬉しい2勝目を挙げた。

 芝2000mの18頭立てのレース。前走の忘れな草賞(L)で後の重賞連対馬2頭に食い下がる3着への好走などが評価されて、約8ヶ月の長欠明けも単勝オッズ2.8倍と人気が集中した。その一方で馬体重は前走からプラス22キロ。大幅な馬体増で太め残りと判断することもできるため、危険な人気馬と考えるファンもいたかもしれない。

 しかし、そんなファンの心配は杞憂に終わった。

 8枠18番の大外からスタートしたビッグリボンは、道中で中団の外目を追走。3コーナーから抑えきれないような抜群の手応えで進出し、直線を迎えると持ったまま先頭へ。ラスト1ハロンを切ったところでも軽く追われただけ、まさに完勝の中の完勝で復帰戦を勝利で飾った。

「優等生ですね。何も言うことがないくらいです」

 新馬戦でも騎乗し同馬を「持っているモノはいいですね。これからが楽しみです」と、評した西村淳騎手のレース後のコメントは、今回も絶賛の嵐だった。

 実はビッグリボンが1番人気に推されるほど人気になっていた理由には、リステッド競走で好走したこと以外にもG1馬キセキの全妹ということもあっただろう。

 キセキはルーラーシップ産駒の7歳馬。2017年の菊花賞(G1)では不良馬場の劣悪なコンディションのなか、直接で力強く伸びてG1初勝利を挙げた。G1勝ちはこの1勝にとどまっているが、2着4回、3着1回と一線級で走り続けてきた。

 一方で、キセキは気性に難しさのある馬として有名だ。昨年の阪神大賞典(G2)で見られたスタートで大きく出遅れるケースや、今年のジャパンC(G1)のように1度気持ちが昂ると、抑えが利かないほど掛かってしまうことがある。

「お父さんのルーラーシップも現役時代から、気難しい面を多々見せていましたが、その特徴がキセキにもそっくりそのまま受け継がれたのでしょうか。

対して、妹のビッグリボンも同じルーラーシップ産駒です。ただ、西村淳騎手が『優等生です』と例えているように、今のところお兄さんのような気難しい面は見せていません」(競馬誌ライター)

 同馬について中内田厩舎の片山助手は「おとなしい気性だが、良血馬らしくいい雰囲気がある」と、デビュー前のインタビューで答えている。性格はキセキとは正反対だが、能力はキセキ級と見ていいのではないだろうか。

 元々デビューするのが遅く、夏場も動きが今一つということで休養に充てられた。今回が4戦目とゆったりしているが、今回のパフォーマンスを見るかぎり着実に一歩ずつ兄へ近づいているようだ。兄は有馬記念(G1)を最後に引退するが、代わりに妹が一線で活躍することに期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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