JRA横山和生、武史だけでなく増え続ける「兄弟」ジョッキー、対照的に明暗分かれたアノ三兄弟の存在感

先週10日、中山競馬場で行われたJRA競馬学校騎手課程第38期生による第5回模擬レースを優勝したのは、現役時代に日本ダービー(G1)を制した角田晃一調教師の次男であり、今春デビューした角田大和騎手の弟・大河くんだった。
大河くんは順調に行けば、来春にも騎手デビュー予定。角田大和・大河騎手の誕生により、JRAにはまたまた「兄弟騎手」が増えることになりそうだ。
吉田豊騎手と隼人騎手をはじめ、藤岡佑介騎手と康太騎手や、鮫島良太騎手と克駿騎手。他にも国分優作騎手と恭介騎手の双子ジョッキーなど、JRAではすでに血を分け合った多くの兄弟たちが、時にレース中は勝利を争うライバルと化すなど、厳しいジョッキー稼業を懸命に生き抜いている。
中でも今年、大ブレイクを果たしたのが横山和生騎手と武史騎手だ。兄・和生騎手は現在76勝をマークして全国リーディング10位に位置するなど、昨年の30勝から今年は大きくジャンプアップ。
弟・武史騎手の活躍は改めて説明する必要もないだろう。今春の皐月賞でG1初制覇を果たしただけでなく、すっかり全国リーディング上位の常連へと変貌。「関東のエース」の座は約束されたかのような、目覚ましい活躍を見せた一年だった。
「横山兄弟」のように、それぞれ立派な“存在感”を見せているJRA兄弟ジョッキーズ。その一方で、大勢いる「兄弟騎手」の中でも、今年は特に苦しい一年となってしまった兄弟もいる。関東の競馬ファンにはお馴染みの、木幡初也、巧也、育也騎手の「木幡三兄弟」だ。
長男・初也騎手は今年6月にフリーから美浦・竹内正洋厩舎へと所属変更。環境を変えるチャレンジを試みたが、なかなか勝利数が増えないのが現状だ。今年は、先週の時点で4勝。9月26日以来勝利なしと、実に約3ヶ月も勝ち星から遠ざかっている。

次男・巧也騎手は、ここまで昨年と同じ28勝をマーク。兄弟の中では最も活躍が目立っている印象だが、今年は相次いで落馬事故に遭うなど不運が重なった感もある。ここは来年に向けて心機一転、年が変わって“ツキ”も好転することを願いたい。
また三男・育也騎手は、2019年は15勝、昨年は20勝と成長曲線を描いていたが、今年は5勝止まり。来年2月には所属する藤沢和雄厩舎も解散予定と、今後の生き残り戦略にも注目したい。
もちろん今年の成績だけで判断するのは早計であり、「木幡三兄弟」がこのまま終わるとは思えない。今から4年前の17年10月28日、新潟8RでJRA史上初となる兄弟でのワン・ツー・スリー決着を記録するなど、個性的な“存在感”を見せていた兄弟たち。なんと年齢順に、長男、次男、三男の順番でゴールしたというから驚きだ。
当時の『サンケイスポーツ』によると、勝利して長男の威厳を保った初也騎手は「これが最後にならないよう、兄弟で頑張って競馬を盛り上げていきたいと思います」とのコメントが掲載されている。その想いが実現するように、来年こそは「木幡三兄弟」が奮起することを願いたい。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。
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