JRA有馬記念(G1)クロノジェネシスに「黄信号」!? C.ルメール「4年10か月ぶり」大惨事を間一髪回避もスランプ突入か
2021年の中央競馬開催も残すところわずか。25~26日の有馬記念(G1)ウィーク、そしてホープフルS(G1)が行われる28日だけの計3日間となった。
19日には阪神競馬場で朝日杯FS(G1)が行われ、武豊騎手騎乗の3番人気ドウデュースが優勝。日本競馬界のレジェンドに新たな勲章が加わった。
一方、そのレースでファンの期待を裏切る形となったのが2番人気に支持されたジオグリフだ。鞍上を務めたC.ルメール騎手もレース後、「結果的に後ろすぎました」と語ったように4コーナーで後方2番手という位置取りが響き、直線で豪脚を発揮するも脚を余しての5着に終わった。
「ルメール騎手は外枠に入った時点で後方に控える腹づもりだったのでしょう。阪神の芝は外伸び馬場でしたし、逃げ馬も揃っていましたからね。ただ、思ったほどペースが上がらなかったのと、4コーナーで不利を受けたのが致命傷となりましたね。
また、この日のルメール騎手はとにかく乗れていませんでした。計7鞍の騎乗でしたが、ことごとく人気を裏切り、メインの朝日杯FSまで全て4着以下。最終12Rでようやく2着に入りましたが、結局未勝利で1日を終えました」(競馬誌ライター)
ルメール騎手が1勝もすることなく1日を終えるのは非常に珍しく、この秋競馬では僅か3度目。最終レースで最悪の事態は免れたが、もし1日7鞍以上に騎乗して一度も馬券圏内に入らなければ、17年2月26日以来の4年10か月ぶりというレアケースだった。
「前日(18日)の中山では2勝していましたが、午後の騎乗はやや精彩を欠く場面もありました。年末に向けてやや調子を落としているのは間違いありません。今週末は有馬記念でクロノジェネシスに騎乗しますが、ルメール騎手の“状態”には気を配っておいた方がいいでしょう」(同)
前人未到のグランプリ4連覇を懸けて有馬記念に臨むクロノジェネシスだが、20日現在の『netkeiba.com』予想オッズでは3番人気以下に大きな差をつけてエフフォーリアとの2強を形成している。
どちらが1番人気になるかは最終追い切りや枠順次第となるだろう。もし1番人気の座をエフフォーリアに譲ることになれば、クロノジェネシス陣営にとっての不安要素になるかもしれない。
今年すでにG1を5勝しているルメール騎手だが、うち4勝が1番人気で挙げたもの。2番人気以下の時は、5月のNHKマイルC(G1)を2番人気のシュネルマイスターで制したのを最後に目下10連敗中と勝ち切れていない。連敗中の10鞍のうち7鞍は2番人気なので、それだけ有力馬に乗りながら半年以上勝っていないのは若干気になるところだろう。
今年はすでに193勝を挙げて2年連続3度目の200勝も視野に入っているルメール騎手。19日に垣間見せたスランプの兆候は1日限りだったのか、それとも今週末まで尾を引くのだろうか。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
PICK UP
Ranking
17:30更新- ルメール軍団「誤算続き」で迷走中?使い分けの弊害に一部ファンから疑問の声
- クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪
- 武豊×ドウデュース完全包囲網で波乱含み!?豪華メンバーのジャパンCにチェルヴィニア、ブローザホーン、オーギュストロダンら最強メンバー集結。レジェンド元JRA騎手の見解は?
- 「別競技」の高速馬場で欧州最強マイラーの意地見せたチャリン!ジャパンC参戦オーギュストロダン、ゴリアットに朗報?
- C.ルメール「アンラッキー」な過怠金に謝罪…マイルCSでも「牝馬のC.デムーロ」の手綱冴えるか?
- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- 【京都2歳S(G3)展望】藤田晋オーナーの大物エリキングが登場! ジョバンニ、サラコスティがリベンジに燃える
- 【ジャパンC(G1)展望】「ディープ」オーギュストロダンVS「ハーツ」ドウデュース、2005年有馬記念から19年越しの最終決戦!
- 春のG1戦線に水を差す「醜聞」続く…現役騎手の父に詐欺容疑、G1馬オーナーが逮捕
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
関連記事
JRA有馬記念(G1)長澤まさみ、見上愛「サイン」先取り!? 2022年新CMキャラクターの意外な競馬との接点
「やはりポンコツやな」元JRA藤田伸二氏が激怒!? 有馬記念(G1)ステラヴェローチェの乗り替わりに不満隠せず
JRA【有馬記念(G1)展望】史上初グランプリ4連覇へ、「女帝」クロノジェネシスVS「新王者」エフフォーリア!? 逃げたら怖いあの馬の出方は……
JRA有馬記念(G1)「非情」乗り替わり……阪神JF(G1)1番人気ナミュール敗戦は「タックル被害」が決定打!? 武豊「今後が楽しみです」逸材が年末のホープフルS(G1)を回避【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
JRA有馬記念(G1)マーベラスサンデーVSエアグルーヴの叩き合いを漢・藤田伸二が豪脚一閃した24年前、クロノジェネシス「最大の強敵」はエフフォーリアにあらず?