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クロワデュノール「世代最強説」に現実味も…ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪

北村友一騎手 撮影:Ruriko.I
北村友一騎手 撮影:Ruriko.I

 16日、東京競馬場で開催された東京スポーツ杯2歳S(G2)には、一部のファンから早くも来年のダービー馬候補と期待する声も出ているクロワデュノール(牡2、栗東・斉藤崇史厩舎)が登場した。

 好位から上がり3ハロン最速タイとなる33秒3の末脚を繰り出して2着サトノシャイニングに3/4馬身の差をつけて快勝するとともに、6月のデビュー勝ちから24キロ増のパワーアップした姿でターフに復帰。確かな成長力も見せたキタサンブラック産駒は、このまま世代最強馬を目指す。

 コンビで2戦2勝とした北村友一騎手も「まだ100点満点ではない」「ポテンシャルをさらに感じた」と上々の手応え。クラシックの登竜門といえる出世レースを快勝したことにより、同世代のライバルを一歩リードした印象だ。

ダービー馬候補が未勝利戦より遅い時計の怪

 9頭立ての芝1800m戦。レースはサトノシャイニングが1000m通過60秒9のスローペースで先導し、最後の直線でこれに並び掛けたクロワデュノールが叩き合いを制した。レースラップのラスト3ハロンも11秒3→10秒9→11秒2の瞬発力勝負。操縦性の良さだけでなく、トップクラスの切れ味を証明する勝利だっただろう。

 これだけなら確かに素晴らしい内容の勝利なのだが、翌日の日曜東京でちょっとした怪現象も目撃した。その理由は2Rの2歳未勝利(芝1800m)を逃げ切ったロートホルンが東スポ杯2歳Sより速い1分45秒9で駆け抜けていたからにほかならない。

 本馬はC.ルメール騎手が騎乗した8月札幌のデビュー戦(芝1800m)を2番人気で6着に完敗していた馬だが、2戦目の東京で一変。2着馬に6馬身差をつけただけでなく、ダービー馬候補クロワデュノールの勝ちタイム1分46秒8を0秒9も上回った。同舞台でG2より未勝利が速かったのだから無視できないだろう。

「時計がすべてとは言えないですが、府中の1800展開いらずといわれる条件。クロワデュノールがダービー馬候補なら、牝馬のロートホルンはオークス馬候補といってもいいくらいのパフォーマンスだったと思います。

ただ、先週の東京開催は馬場傾向に少し変化があったことも事実です。例えばレガトゥスが勝った日曜の10R秋色S(3勝クラス・芝1600m)は、勝ちタイム1分32秒2だったのですが、これは富士S(G2)の1分32秒1とわずか0秒1差。馬場の高速化が住んでいる気がするんです」(競馬記者)

 それを裏付けるのが、レガトゥスで勝利した三浦皇成騎手のコメントだ。同騎手は「今日は前が止まらない傾向だったので、速いくらいのペースで他馬に脚を使わせるようなイメージで行きました」と話していた。

 確かに振り返れば1週前の東京開催はスローペースでも後方待機の馬が差し切るレースも多く、前の馬が残りにくい馬場状態。これに対し、先週末の東京開催は好位からの抜け出しが増え、日曜については直掩の長い東京で上がり最速の馬が未勝利という、ちょっとした怪現象も起きていたのだ。これは外差し馬場から前残り馬場に変わりつつあることを意味している。

 そこで気になるのは今週末のジャパンC(G1)に出走を予定している武豊騎手とドウデュースのコンビだ。前走の天皇賞・秋(G1)は外差し馬場の傾向があった中での大外一気で勝利を掴んだ。

 ただ馬場が前残りに変わりつつあるなら、同じような乗り方では脚を余して届かない可能性も出てくる。土曜の東京をしっかりチェックして馬場を読み違えないように警戒したいところである。

GJ 編集部

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