JRA 看板馬引退で超名門厩舎がまさかの「崖っぷち」!? 重賞「71連敗」を止める秘策とは
昨年は人気馬の引退が相次いだ1年となったが、今年も早速、明け8歳となったペルシアンナイトの引退が発表された。
デビュー3戦以降は全て重賞に出走し、出走回数は海外も含みなんと33回。3歳時にマイルチャンピオンS(G1)を制したほか、7歳となった昨年も札幌記念(G2)とチャレンジC(G3)でそれぞれ3着に食い込むなど、息の長い活躍ぶりだった。
今後は馬事公苑で乗馬になる予定。SNS上では「種牡馬入りじゃないのか」と驚きの声や、「産駒が見たかった」と残念がる声などが多くあがっている。
また、同馬の引退により、いよいよ看板馬不在となってしまうのが関西の名門・池江泰寿厩舎だ。
ペルシアンナイトの獲得総賞金約4億6000万円は、同厩舎の現役馬の中で2位に倍以上の差をつけており、圧倒的な稼ぎ頭だったと言ってよいだろう。
池江厩舎と言えば、かつてはオルフェーヴルやサトノダイヤモンド、ドリームジャーニーなど数々の名馬を輩出してきた言わずと知れた名門である。
2007年から2020年まで調教師リーディングは常に一桁をキープ。最多勝も3回輝いており、池江厩舎の馬を買えば馬券になるという気持ちになった人も多いのではないのだろうか。
ところが最近は、どうも雲行きが怪しい。
最後の重賞勝ちは2020年の12月まで遡り、重賞連敗記録はまさかの「71」となってしまっている。昨年の重賞に限ると、1番人気に推されながら3着以内になったのは、たったの1回。残りは着外と、なんとも寂しい結果である。
昨年はAJCC(G2)で2着に食い込み、更なる活躍が期待されていたヴェルトライゼンデが屈腱炎発症で長期離脱を余儀なくされた。その他、マイラーズC(G2)2着などの実績のあるアルジャンナが今年に入って他厩舎へ転厩するなど、良いとは言えないニュースが続いている。
今年、反撃開始はなるだろうか。過去に在籍した活躍馬の傾向から、池江厩舎は中長距離が得意なイメージがあるだろう。だが意外にも、今後は短距離戦で活路が開けるかもしれない。
2004年の開業以後、2020年まで池江厩舎から芝1200mの重賞出走はたったの3回であった。しかし、昨年は管理馬のジャンダルムがスプリント路線にシフトし、1200m重賞に4度挑戦している。
同馬は次走に1月末のシルクロードS(G3)を予定しているほか、10日に淀短距離S(L)を勝ったばかりのスマートクラージュも、次走想定は3月のオーシャンS(G3)となっている。これまでと異なり、スプリンターの育成に力を入れ始めたとみることもできそうだ。
また、今週は池江厩舎所属馬の重賞出走はないが、同厩舎で最後に重賞を勝った馬であるボッケリーニが、来週23日のAJCCへ出走予定である。
『netkeiba.com』によると騎手は、初コンビとなる横山武史騎手になる見込みだ。昨年からノリに乗っている騎手とのコンビで、なんとか久方ぶりの重賞勝利を挙げたいところである。「かつては名門だった……」などと言われないためにも、連敗記録がこれ以上伸びないことを祈るばかりだ。
(文=大井ふみ)
<著者プロフィール>
競馬にハマって3、4年。周りの女性陣に布教活動を試みるもうまくいかず、おじさんの競馬仲間だけが増えていく。大井競馬場でビール片手にナイター観戦にいそしんでいたが、最近はそれすら叶わず自宅観戦の日々。
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