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JRA「耐える 1年だった」藤田菜七子の厳し過ぎた現実!? 菜七子ルール適用も成績右肩下がり、伸び悩みに「ここ2年の自分と何が違うんだろう……」

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JRA「耐える 1年だった」藤田菜七子の厳し過ぎた現実!? 菜七子ルール適用も成績右肩下がり、伸び悩みに「ここ2年の自分と何が違うんだろう……」の画像1
藤田菜七子騎手

 悲劇のヒロインは、再び笑顔を取り戻すことが出来るだろうか。

 JRAを代表する女性騎手の一人である藤田菜七子騎手だが、昨年は394鞍に騎乗して14勝で勝率はわずか3.6%。今年でデビュー7年目を迎える中、デビュー年の勝率2.0%に次ぐ低い数字となるなど、苦しい日々が続いている。

 そんな菜七子騎手が、2021年の自身を「“耐える一年”だったように思います」と振り返ったのが、17日からスタートした短期連載『もっと強く。』でのこと。本コラムは、『netkeiba.com』で公開されており、その胸中を告白している。

 詳細については本コラムをご覧いただきたいのだが、やはり本人も気にしていたのは、「ここ2年の自分と何が違うんだろう……」ということらしい。

 女性騎手である菜七子騎手は、その愛らしいルックスも相まって、デビュー前から各メディアや競馬ファンから大きな注目を浴びてきた。成績においても2016年の6勝から翌17年に14勝、18年27勝、19年43勝と、順調に勝ち星を増やし、その存在感を増していった。

 特に話題となったのは、JRAが19年から適用した新規定だ。それまでは、男性騎手と同じルールだった減量特典だが、これにより女性騎手は4キロ減から始まり、勝利数やキャリアに関係なく、見習い期間を過ぎたデビュー6年目以降も、永久に2キロ減が保証されるという特例ともいえる措置である。

 競走馬においては、一般的に牡馬と牝馬の間にある能力差を補うため、性別によって負担重量差をつけられるセックスアローワンスが存在しているとはいえ、騎手については男女平等の条件下で行われている数少ないプロスポーツともなっている。

 よくハンデ戦などで、1キロ=1馬身ともいわれるが、2キロなら単純計算で2馬身のアドバンテージが得られることになる。にもかかわらず、この“あからさまな救済措置”にも思える新規定については、一部のファンから「菜七子ルール」と揶揄する声が出たのも当然だったのかもしれない。

 これにより、菜七子騎手をはじめ、後輩の女性騎手の躍進が顕著になるという見方もされたが、現実は少々厳しい結果が浮き彫りとなっている。

「菜七子ルール」を追い風にデビュー最多勝を挙げたものの、改正2年目となる20年は35勝に留まり、21年は14勝、今年は18戦して未勝利と成績は右肩下がり。20年の2月に骨折し、同年3月下旬に復帰。翌年9月に埋め込んだプレート除去の手術を行って復帰するも、10月には同じ箇所を骨折。ショックのあまり泣き崩れたともいわれるアクシデントがあった。

 永久に2キロ軽い斤量で騎乗できるという大きなハンデをもらいながらも、今のところは、これといった効果が見られていない。

 しかし、負傷によるマイナスがあったとしても、騎乗依頼の減少とともに騎乗馬の質や自身の成績も下がっていることには、本人も危機感を覚えているようだ。

 これに対し、「いろいろ考えました。もちろん、もっともっと改善しなければいけない騎乗技術だったりは当然ある」と前向きな姿勢を見せた競馬界のアイドル。冒頭でも触れた「ここ2年の自分と何が違うんだろう……」という言葉にも、菜七子騎手の置かれている状況が伝わってくる。

 古川奈穂や永島まなみら、後輩の女性騎手の希望となるためにも、今年こそ奮起に期待したいところだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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