JRA C.ルメールの「大不振」もそろそろ偶然では済ませられない!? 過去30年以上遡ってもなかった珍事と完全一致
いよいよ無視できないレベルまで深刻さを増してきた連敗地獄。
先週末に行われたJRA重賞は土日合わせて3レースあったが、クイーンC(G3)は2番人気プレサージュリフト、京都記念(G2)は12番人気の大穴アフリカンゴールド、共同通信杯(G3)は3番人気ダノンベルーガがそれぞれ勝利した。
これらに共通しているのは、いずれも1番人気ではなかったこと。人気イコール実力ではないため、3連敗程度ならそう珍しいことではない。
しかし、これが17連敗までいくと、さすがに看過できない数字といえないだろうか。
実はこれ、昨年暮れのホープフルS(G1)を惨敗したコマンドラインから続く、重賞1番人気馬の連敗記録なのである。
以前もこの件に触れたことはあるが、1月の重賞で1番人気に支持された馬がすべて敗れたケースは、過去30年ほど遡ってみても見当たらなかった。競馬を見ている側としては、その週の開催が終わると案外気にしなかったりするのだが、チリも積もれば何とやらのようにこの不名誉な記録も数字を伸ばしていた。
そして、重賞における1番人気の連敗と切っても切れない関係にあるのが、現在5年連続リーディングジョッキーに君臨しているC.ルメール騎手だ。
前回記事にした際、クイーンCにソネットフレーズ、共同通信杯にはジオグリフもスタンバイしていたため、そろそろ連敗ストップもありそうだと感じていたが、ソネットフレーズは回避。ジオグリフも最大のライバルと見られたダノンスコーピオンが本調子ではなかったにもかかわらず、同じくダノックスのニューヒーロー・ダノンベルーガの前に2着に敗れてしまった。
偶然にしては、負の連鎖が続き過ぎているようにも感じるのは、気のせいだろうか。
1番人気馬の重賞17連敗中6敗は、ルメール騎手の騎乗馬だった。
今週は土曜阪神の京都牝馬S(G3)にスカイグルーヴ、日曜東京のフェブラリーS(G1)ではテオレーマとのコンビで挑むルメール騎手。個人的にはここまで不調が長引くと、連敗がいつ止まるのかよりもいつまで続くのかに、興味が移りつつある。
はたして、競馬界きっての名手は、この長期スランプから今週こそ抜け出すことが出来るだろうか。
■重賞1番人気馬の連敗
昨年12月ホープフルSから先週の共同通信杯まで17連敗(今年は16連敗、うち6敗はルメール騎手騎乗馬)
■ルメール騎手の重賞連敗
昨年12月チャンピオンズC(G1)を4番人気カフェファラオで11着に敗れてから、共同通信杯をジオグリフで2着に敗れてまで17連敗
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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