JRA「すごくポテンシャルが高い」単勝1.5倍の大本命が異次元の走りで2連勝! カネヒキリ輩出のフジキセキ系に新たな砂の「大物候補」誕生か
いよいよ開幕したJRAの春競馬。26日、阪神競馬場の5Rに行われた3歳1勝クラス(ダート1200m)は、岩田望来騎手の1番人気バトルクライ(牡3歳、美浦・高木登厩舎)が余裕の押し切り勝ち。単勝1.5倍の支持に応えてダート2連勝を飾った。
「すごくポテンシャルの高い馬です」
騎乗した岩田望騎手がレース後にそうコメントした通り、初のダート戦だった前走で10馬身差の圧勝劇を演じた実力は伊達ではなかった。
フルゲート16頭で争われた一戦。バトルクライと岩田望騎手は8枠15番から外にヨレ気味にゲートを出ると、ダッシュが付かずに後方からの競馬に。好位追走だった前回とは打って変わった展開に、肝を冷やしたファンも多かったかもしれない。
だが、外枠だったことも幸いし、馬群に包まれるのを回避すると、道中は岩田望騎手が外々を回しながらも上手くエスコート。4コーナーでは早くも4、5番手の外目まで進出して最後の直線に入る。
勢いそのままに直線半ばで先頭に立つと、「抜けてからも余裕がありました」の言葉通り、後方からは4番人気クロジシジョーが追い込んできたものの、鞍上は後ろを振り返るなど余裕の手応え。最後は左ステッキが1発入ったが、1馬身の差をつけて堂々と押し切った。
1頭だけモノが違うといわんばかりの勝ちっぷりに、レース後のSNSやネットの掲示板には、「強すぎる」「1頭だけ次元が違う」「怪物なんじゃないかこれ」といった、同馬の走りを絶賛するコメントが殺到。砂の短距離界に新たなスター候補の誕生を予感させた。
「バトルクライは初のダート戦だった前走の未勝利で、同日に行われた伊賀S(3勝クラス)の2着馬と同タイムという、突出した時計を叩き出しました。その実力通り、3歳の1勝クラスでは力が一枚も二枚も抜けていた印象です。
また新種牡馬イスラボニータの産駒ということで、フットワーク等はどことなく同じフジキセキ系のカネヒキリを彷彿とさせるものがあります。今後は距離延長や馬群の中での競馬、砂を被ってどうなるか等が課題となってきそうですね」(競馬誌ライター)
砂のスプリント戦で連勝を決めて見事にオープン入りを果たしたバトルクライだが、3歳オープンのダート1200m戦は存在しない。そのため、やはり今後は距離延長に対応できるかどうかが1つのカギとなってきそうだ。また場合によっては再度の芝への挑戦もあるかもしれない。
「まだまだ成長してくれると思いますし、これからの馬ですね」
これだけ力の違いを見せつけながらも、最後には将来性を期待するコメントまで残した岩田望騎手。まだまだ課題は多そうなものの、今後が楽しみな馬が現れたことだけは間違いなさそう。ぜひ長い目で注目したい1頭だ。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。
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