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JRA繰り返される5年前の悲劇!? オーシャンS(G3)「唯一のお手馬」無情の乗り替わりで、あのベテラン騎手が騎乗馬ゼロの大ピンチ

JRA繰り返される5年前の悲劇!? オーシャンS(G3)「唯一のお手馬」無情の乗り替わりで、あのベテラン騎手が騎乗馬ゼロの大ピンチの画像1

 5日、中山競馬場で行われるオーシャンS(G3)にダディーズビビッド(牡4歳、栗東・千田輝彦厩舎)が出走する。

 武豊も折り合えなかった“暴れん坊”に再登板

 ダディーズビビッドといえば、苦労人・竹之下智昭騎手とのコンビで注目を集める馬である。デビュー以来、素質は確かながらも気性面が課題となっていた馬であり、武豊騎手をはじめ、浜中俊騎手、大野拓弥騎手といった名手をもってしても手を焼く暴れ馬ぶりであった。

 しかし竹之下騎手が初騎乗となった橘S(L)では、別馬のように折り合いがつき4馬身差の快勝。その次走で武騎手が騎乗した葵S(重賞)では再び折り合いを欠き大敗したことから、以降は5戦全てで竹之下騎手が騎乗していた。

 そんな、竹之下騎手にとっては「唯一」のお手馬有望株と言っていいダディーズビビッドだが、今回の重賞挑戦では浜中騎手が騎乗。奇しくも竹之下騎手は先月、ダディーズビビッドを管理する千田厩舎に所属変更をしたばかり……。

 このタイミングでの乗り替わりには、ネット上でも驚きや悲しみの声が上がっている。


テイエムジンソクの「悲劇」は繰り返されてしまうのか

 ダディーズビビッドは竹之下騎手を背に挑んだ近5戦で2着が1回、3着が2回。決して悪い成績ではないが、本来は重賞戦線での活躍が期待されていただけに、物足りなさも感じる。

 さらに前走の北九州短距離S(OP)では、好スタートを決めるも後方待機を選択。それが裏目に出てしまい、最後の直線では抜群の手応えながら進路を取れず脚を余して惨敗……。鞍上の判断が問われても仕方がない騎乗であった。

 もともとは気性面の問題から、手の合う竹之下騎手とのコンビに落ち着いた経緯があるが、近走の競馬を見るに折り合いの面での改善が見られる。成長を遂げた今なら「他の騎手に任せても大丈夫では」という陣営の思惑も、今回の乗り替わりに影響したのではないだろうか。

 実は以前にも竹之下騎手は、有望なお手馬の乗り替わりで苦い経験がある。

 かつて竹之下騎手が主戦を務めていたテイエムジンソクはデビュー以来、18戦にわたって騎乗していたが、3勝クラス(当時は1600万下)を勝ち切れず、なかなかOP昇級ができずにいた。

 しかし鞍上が古川吉洋騎手に乗り替わると、コンビ結成初戦でいきなり勝利しOP昇級。その後、テイエムジンソクは古川吉騎手を背に重賞2勝、2017年のチャンピオンズC(G1)でも2着に好走するなど、ダート戦線で活躍した。

 一方、この件がきっかけになったのか、2016年までは年間80鞍程度あった竹之下騎手の騎乗機会が、17年以降は年間40鞍程度に半減している。

 今回の乗り替わりによって、竹之下騎手の今週末の騎乗馬はゼロに。ダディーズビビッドが浜中騎手を背に好走した場合、竹之下騎手に再び手が戻ることは難しくなるかもしれない。本騎手を取り巻く境遇が、さらに厳しいものとなる可能性もありそうだ。

 果たして「テイエムジンソクの悲劇」が繰り返されてしまうのか、ここから奮起する姿を見せてくれるのか。再び崖っぷちに立たされたベテラン騎手の、今後の動向に注目である。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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