JRA【スプリングS(G2)予想】武豊×藤田晋ドーブネは余裕の切り! 実績馬・評判馬に死角あり……狙える穴馬をピックアップ
今回は皐月賞(G1)の伝統のトライアルレース、スプリングS(G2)を予想していく。
いつものように過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。
朝日杯FS 5頭
ホープフルS(ラジオNIKKEI杯含む)、共同通信杯 各3頭
きさらぎ賞、ジュニアC(L、OP)、水仙賞(1勝クラス)、あすなろ賞(1勝クラス)、セントポーリア賞(1勝クラス)、フリージア賞(1勝クラス)、条件戦(1勝クラス) 各2頭
条件特別(1勝クラス) 3頭
クロッカスS(L)、未勝利戦 各1頭
となっている。距離が近いせいか、朝日杯組が最多。有力馬の始動戦が多い印象だ。共同通信杯組は権利取りと思いきや、3頭すべてが前走で連対しているので、皐月賞へ向けてもう一叩きといったところか。圧倒的に多いのが1勝クラスの特別戦を経由する馬。これらは権利取りに向けて大事な一戦というところなのだろう。
続いて人気順の成績を見てみる。
1番人気 2-5-2-1
2番人気 0-1-2-7
3番人気 3-2-0-5
4~6番人気 4-1-3-22
7~9番人気 0-1-1-28
10番人気以下 1-0-2-40
率で見ると1番人気は複勝率が9割なので一応信頼はできる。対して2番人気がとてもアテにできない。安定した成績を残しているのが3番人気と4~6番人気か。ただ、近5年で見ると1番人気はやはり安定した成績を残しているが、2番人気、3番人気もきちんと馬券に絡んでおり、ここの取捨がポイントになるだろう。
これを踏まえて「◎」は1番ビーアストニッシドとする。
前走は共同通信杯(G3)。逃げの手を打ち、1000m通過61.1秒とスローに落としてマイペースに持ち込む。直線でもよく粘ったが、後ろから来た2頭に交わされ3着に敗れた。
この馬は2戦目の未勝利を勝ち上がって以降、3戦続けて重賞を使われて2着、4着、3着と勝ちきれないまでも好走しているあたり、それなりに非凡な能力の持ち主と言えよう。
2走前のシンザン記念(G3)では好位に付ける競馬をしているが、基本は逃げるか番手につけて好走する馬。今回は同型馬がメンバーにいないこともあり、気分良くマイペースに持ち込めれば十分勝ち負けまであると見ている。
重賞で連対している馬が他にも数頭いるが、その中にあって好成績を残しているにもかかわらず意外に人気していないところが狙い目。ここは軸で買ってもいいくらいだ。
「○」は人気の一角だが8番アサヒとしたい。
前走は◎と同じく共同通信杯。こちらはスタートで大きく出遅れて最後方からの競馬を強いられた。結果、直線でよく追い込んできたが5着に留まった。
まだ未勝利戦を勝っただけの1勝馬ではあるが、東スポ杯2歳S(G2)で2着に入るなど確かな実力を示している。前走も人気を背負っての出走だったが、敗れた原因は出遅れと明らか。陣営も出遅れさえなければ、と注文を付けている。
実際、5戦のキャリアで3回出遅れ、うち1回はそれでも勝っているので前走のような大きな出遅れがなければ好勝負必至だろう。出遅れ癖はチューリップ賞(G2)を勝ったナミュールも抱えていたが、克服して勝利を飾っている。また、前走はプラス12kgと大幅な馬体重増となっていた。これも影響していた可能性がある。
実績から考えても人気するのは確実だが、これは押さえざるを得ない1頭だろう。
「▲」は穴馬だが13番オウケンボルトを指名する。
前走は水仙賞。終始3番手に付ける競馬で、4コーナーから進出して直線先頭に立ったものの、同じ位置取りだった勝ち馬にクビだけ交わされての2着だった。
陣営も認めているが、距離は長い方がいいように見える。新馬戦から未勝利2戦を1800mで戦っているが、勝ちきれずの競馬が続いたことに対して、勝ち上がった未勝利戦は2000m。さらに前走は2200m戦と1800mでは少し短い可能性はある。
とは言え1800mで大敗しているわけでもないので、前走から2ハロンの距離短縮も問題はなかろう。このメンバーの中で少数派の重賞初挑戦の方が課題になりそうだが、水仙賞からの臨戦は実績があるので心配ない。
実績的に見劣りするだけに人気がないが、それだけに狙っておきたい1頭だ。
「△」は3番サトノヘリオスと10番アルナシームの2頭を挙げる。
サトノヘリオスは前走ホープフルS(G1)。連勝の勢いを買われて人気していたが、スタートで出遅れた上に前残りの展開で見せ場なく13着に大敗している。
詳しくは本サイトのこの記事を見ていただきたいが、未勝利戦と3戦目のエリカ賞(1勝クラス)をレコードで勝つなど、潜在的なポテンシャルは高い。
この馬も○のアサヒ同様、出遅れが心配な馬。デビュー戦も出遅れて敗れているだけに、スタートが上手く捌ければ好勝負も十分あり得る。ただ、過去のホープフルS組3頭はいずれも前走で馬券になっている。その点、出遅れたとは言え負けすぎの感はあるので、あくまで押さえまでとした。
アルナシームは前走つばき賞(1勝クラス)。スローペースで勝ち馬に逃げ切られ、中団からよく追い込んできたが2着だった。
ローテーション的には前例がないということで切りなのだが、2走前が朝日杯FS(G1)で後方から追い込んで4着。昨年はホープフルSより朝日杯の方がレースレベルが高かった可能性が高く、4着まで食い込んだのは実力あってのこと。
キャリア4戦のうち、この朝日杯を除く3戦はすべて1800m戦。東スポ杯2歳Sでは後れをとったが、これは馬体の大幅増と勝ち馬が強すぎた結果だろう。陣営としては朝日杯と前走でそれぞれマイナス6kgと馬体を減らしてきているので、そこがポイントのようなコメントを出しているが、元々418kgでデビューした馬だけに420kg台をキープできれば問題はないと考えている。
人気どころでは6番ドーブネ、9番ソリタリオ、12番アライバルはまとめて切り。
ドーブネの前走は朝日杯FS。平均ペースで流れた割に先行勢が崩れて直線勝負となったが、そこで伸びず7着に終わっている。
正直、前走があまりにも見せ場なしで負けている上に、この敗因がわからないので能力の限界と判断せざるを得ない。また、マイルより長い距離が未経験ということで、プラス1ハロンがどう出るかという不安材料もある。さしもの武豊騎手でも逆転は難しいはずだ。
ソリタリオは前走シンザン記念。平均ペースで流れる中、先団からマテンロウレオが抜け出してそのまま押し切り、よく追い込んでは来たがクビ差届かずの2着だった。
この馬に関しては前走シンザン記念のローテーションで好走例がないことと、ドーブネ同様マイルより長い距離を経験していないので、距離不安が残ることが懸念される。
アライバルは前走京成杯(G3)で、新潟2歳S(G3)2着の実績が買われて1番人気に推されたが、直線後ろから来たオニャンコポンをはじめとする差し馬に次々交わされて4着が精一杯だった。
陣営はこの敗戦をプラス16kgの馬体重増が原因としているようだが、あるいはマイルくらいがちょうどいい馬である可能性もある。
ということで、今回は1番、3番、8番、10番、13番の5頭で3連複BOX10点勝負としたい。
アサヒが人気することは確実だが、それ以外はさほど人気のない中穴馬ばかり。仮にアサヒが飛んでしまって残りで決まれば高配当も期待できる。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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