JRA【天皇賞・春(G1)予想】大本命ディープボンドは問答無用の消し! タイトルホルダーも軽視で、2強ムードを断つ有力馬をピックアップ
今回は最強ステイヤー決定戦、伝統の天皇賞・春(G1)を予想していく。
いつものように過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。今年も京都競馬場の改修工事のため、昨年に引き続き阪神3200mでの開催となる。したがって、厳密に言うと昨年のデータは当てはまる公算が大きいものの、それ以前の9年は本来の京都3200mでのものなので、差異が生まれる可能性があることに留意したい。
阪神大賞典 10頭
日経賞 9頭
大阪杯(G1昇格後含む) 4頭
京都記念 2頭
有馬記念、海外遠征、AJCC、日経新春杯、ダイヤモンドS 各1頭
となっている。さすがに格式の高いG1だけに、29頭まではG2以上からの臨戦となっている。距離も開催場も条件が大きく異なる日経賞組が大健闘していることに注意が必要だろう。
続いて人気順の成績を見てみる。
1番人気 3-2-0-5
2番人気 4-0-2-4
3番人気 1-3-1-5
4~6番人気 1-2-4-23
7~9番人気 0-1-1-28
10番人気以下 1-2-2-72
上位人気がそれぞれ半数馬券に絡んでいるので、上位人気に逆らわない方が無難か。昨年は堅い決着になっているが、一昨年は11番人気が2着しているように定期的に10番人気以下の馬が来ることも特徴。近5年に絞ってみると1番人気は毎年馬券に絡んでおり、軸として検討するのもありか。
と言いながら「◎」は1番アイアンバローズとする。
前走は阪神大賞典(G2)。終始2、3番手を進み直線に入ってもよく粘ったが、後ろから来たディープボンドに差されての2着。
遅咲きの馬で3歳時には青葉賞(G2)や神戸新聞杯(G2)からクラシック出走を狙ったものの叶わず。4歳になって2勝クラスの脱出に6戦を要するなど足踏みが続き、昨年末のステイヤーズS(G2)2着でやっとオープンでメドが立った。
そこからの前走2着ということで、3000m超のマラソンレースに適性があることは明らか。その前走もディープボンドを相手に着差0.1秒と良い競馬をしている。陣営もここに来て身が入ってきたこと、叩いて状態が上向きなことを強調していた。
加えて枠順も味方した。1枠1番は過去4勝2着1回と全馬番の中で異常な好成績を収めている。昨年のワールドプレミアも1枠1番から勝利を収めるなど、実績さえ伴っていれば好走する確率は高い。その意味でもこの馬は軸にうってつけと見た。
「○」は人気薄の12番ハヤヤッコを指名。
前走は日経賞(G2)で、中団より前目を進んで直線でも上がり最速の脚を使ったが前を捉えきれず5着となっている。
この馬は言わずと知れたシラユキヒメに連なる白毛の一族。2歳デビューから3戦は芝を使われたが、それ以降はすべてダート。前走は実に3年5カ月ぶりの芝のレースだったのだが、思いのほか好走した。着差も0.4秒と内容も悪くない。陣営もこの辺を考慮して、状態の良さから出走に踏み切ったようだ。
ローテーション的にはもちろん問題なし。加えて鞍上は「盾男」武豊騎手。この馬には以前騎乗しており3戦して1勝2着1回と好相性を見せているのも好材料。昨年末から乗れているだけに、人気薄のここで一発あってもおかしくない。
また、この馬も1枠の次に好走例が多い6枠を引いたことで好走の可能性が高まっていると言える。それら含めて重い印を打った。
「▲」は7番テーオーロイヤルを挙げる。
前走はダイヤモンドS(G3)。終始前目の競馬で直線に入って先頭に立つと、そのまま追い込んできた2頭を寄せ付けず2馬身半差で完勝した。
一昨年の年末にデビューし、昨年4月に2400mの未勝利戦で勝ち上がるとダービー出走を懸けて青葉賞に出走。人気薄も4着と好走してみせるなど実力の片鱗を見せると、次走の自己条件から4連勝で重賞制覇まで成し遂げた。
陣営も課題を克服しつつの4連勝だったとして、前走で距離にメドが立ったことと正攻法の競馬で勝ったことを挙げ、充実一途であると強調。距離適性があるのは確かだが、唯一の不安点と言えば前走から斤量が一気に4kg増えること。とは言え、連勝中の馬の勢いというのは、そういった条件も軽く超えてしまうもの。そこそこ人気しそうだが、それに見合っただけの実績はあるとして押さえたい。
「△」は15番タガノディアマンテ、16番タイトルホルダー、17番シルヴァーソニックの3頭。
タガノディアマンテは前走・京都記念(G2)で3番手から競馬を進めるも、前の逃げ馬を捉えきれずの2着。
この馬も重賞未勝利ではあるが、3歳時にきさらぎ賞(G3)2着があるなど、クラシックも結果こそ残せなかったが皆勤している。4歳初戦で3000mの万葉S(OP)を勝っているほか、4走前にステイヤーズSで2着があるなど、長距離適性は確か。ローテーションも好走歴があり、押さえは必要だろう。
1頭飛ばしてシルヴァーソニックの前走は阪神大賞典で3着。昨年末のステイヤーズSの3着から始まり、今年初戦の万葉Sも3着、そして前走3着と3戦連続で3000mクラスのレースばかりを使われて好走している。
切れる脚がないので決め手に欠けるところがあり、それがブロンズコレクター化している原因でもあるが、逆に言えば3着に入れば馬券にはなるということ。鞍上はリーディングトップで乗れている川田将雅騎手が継続騎乗で、勝ち負けまではないにせよ善戦は期待できるとして押さえる。
そして2強の片方であるタイトルホルダーは前走・日経賞で、菊花賞(G1)のときと同じく自分でペースを作る競馬で勝利した。
天皇賞・春と菊花賞馬の好相性をはじめ、ローテーション的にも問題はなく有利なデータが並ぶのだが、本サイトのこの記事)にあるように、人気馬と外枠の相性がすこぶる悪い。この馬は脚質と相反して外枠を引くことが多かったのだが、キャリア4勝のうち3勝は5枠より内でのもの。
2走前の有馬記念(G1)では大外枠だったこともあり、パンサラッサにハナを譲って番手からの競馬を選択したが、結果が5着とやはり逃げてナンボの馬と言える。今回のメンバーでハナを主張する馬がいないので、あっさり逃げられる可能性は高いが、それでも外枠を引いた不利は否めない。押さえるが印を軽くした。
さて、2強のもう1頭、本命視されているディープボンドだが敢えて切りとする。
前走は阪神大賞典で着差こそ0.1秒差と僅差ではあったが、完勝と言える内容だった。阪神大賞典の勝ち馬は天皇賞・春でも好走しているのだが、まず問題になるのが前回2着以下のリピーターに勝ち星がないこと。
一般的な距離でないことからリピーターの多いレースである。実際、フェノーメノやキタサンブラック、フィエールマンは連覇を果たしている。それ以外にも12年3着、14年2着のウインバリアシオン、15年3着、16年2着、18年16着のカレンミロティック、16年3着、17年と18年2着のシュヴァルグラン、18年3着、19年10着のクリンチャーなどがいる。
ひとつの材料として3歳クラシックでの成績がある。菊花賞馬以外の勝ち馬であるビートブラックは菊花賞3着、フェノーメノはダービー2着、レインボーラインは菊花賞2着の実績があった。ディープボンドはこれに当てはまらない。
昨年のこのレース2着やフォワ賞(仏G2)での鮮やかな勝利、有馬記念2着など華やかな実績ではあるが、ことこのレースに限っていうなら好材料がない。人気の中心であることは間違いなく、来る可能性もゼロとは言い切れないが馬券としては押さえて旨みがない。
ということで、今回は1番、7番、12番、15番、16番、17番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。
タイトルホルダーが戴冠したとしても、ハヤヤッコやタガノディアマンテの激走があると一気に高配当確実となる。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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