JRA日本ダービー(G1)4連勝中、ディープインパクト産駒が「最高の輝き」見せる大一番…エフフォーリア、サートゥルナーリアですら敗れた歴史に「4強」も戦々恐々!?
生涯最高の走りで、ディープインパクト産駒が「4強」を打ち砕けるか。
いよいよ29日、日本競馬最大のビッグレース・日本ダービー(G1)が行われる。今年も選ばれし18頭が、最高の舞台で世代の頂点を決する。
今年のメンバーの中では皐月賞(G1)を制したジオグリフを筆頭に、イクイノックス、ドウデュース、ダノンベルーガが「4強」として有力候補に挙げられている。世間の注目もこちらに集まっているが、日本ダービーにおいて最も警戒すべき存在を忘れていないだろうか。それこそがディープインパクト産駒である。
ディープインパクト産駒は2018年から昨年まで日本ダービーを4連勝中。昨年はエフフォーリアの一強状態であったが、ゴール寸前でディープインパクト産駒のシャフリヤールが差し切って勝利を掴んだことは記憶に新しい。
後に3歳馬ながら天皇賞・秋(G1)、有馬記念(G1)を制する怪物ですら、ダービーの舞台では不覚を取った。いかにディープインパクト産駒が日本ダービーに対して高い適性を持つか、痛感させられたファンも多いはずだ。
エフフォーリア、サートゥルナーリアですら敗れた歴史に「4強」も戦々恐々!?
偶然か必然か、ディープインパクト産駒は、まるで最大の勝負所を理解しているかのように、日本ダービーにおいてキャリア最高のパフォーマンスをみせて栄冠を掴んできた。
その最たる例が19年に勝利したロジャーバローズであろう。単勝12番人気の伏兵であったが、最内枠を活かして道中をロスなく運び、直線でもしぶとく粘り大番狂わせでのダービー制覇を成し遂げた。その後は故障で引退を余儀なくされたことを考えても、持てる力を出し尽くして掴んだ栄冠といえる。
そのほかにもワグネリアン、マカヒキ、キズナといったディープインパクト産駒が、ダービーの舞台で「乾坤一擲」ともいえるキャリア最高のパフォーマンスをダービーの舞台で発揮し勝利を掴んでいる。
このように、下馬評にかかわらず、ディープインパクト産駒は日本ダービーにおいてマークが必須な存在だ。今年は抽選対象のコマンドラインを含めれば、実に6頭ものディープインパクト産駒が出走を予定している。
中でもホープフルS(G1)を制した2歳王者・キラーアビリティは侮れない存在だ。皐月賞では13着に大敗したが、スタートでの出遅れや、伸びない内を通ったことを考えれば情状酌量の余地はある。今回は叩いた2戦目となり上積みもあるはず。本来の力を発揮すれば「4強」に引けを取らないはずだ。
皐月賞組の中では、5着に好走したアスクビクターモアもチャンスがある1頭だろう。東京コースで走った2戦ではいずれも3着に敗れているが、アイビーS(L)ではドウデュースに0.1秒差と肉薄しており、決して左回りが苦手なわけではない。
皐月賞でも同様に3着のドウデュースとは0.1秒差であり、「4強」と差のないパフォーマンスを見せている。先行力を活かした競馬が身上であり、枠順や展開に恵まれれば先述したロジャーバローズの勝利の再現も十分にあり得る。
別路線組では、青葉賞(G2)を制したプラダリアに注目したい。今年の青葉賞は前半の1000mが58.9秒という、タイトなレース展開であった。その中で道中は5番手の好位につけ、直線では上がり3F34.2秒の末脚を見せたプラダリア。持久力と瞬発力を併せ持つ存在といえる。
「青葉賞組はダービーを勝てない」というジンクスが存在するが、青葉賞がG2に昇格した2001年以降の勝ち馬の日本ダービーにおける成績は(0-5-2-13)であり、決して相性が悪いわけではない。かつてはシンボリクリスエスやゼンノロブロイ、近年ではフェノーメノが”あと一歩”のところまで迫っている。混戦模様の今年の日本ダービー、同舞台で抜群の走りを見せたプラダリアならばジンクスを打ち砕けるかもしれない。
今年のダービーは「4強」がフォーカスされているが、その中にディープインパクト産駒は1頭もいない。近10年で7勝と圧倒的な成績を残しているディープインパクト産駒ならば、チャンスはあるだろう。
果たして世代の頂点に立つのは「4強」か、それともディープインパクト産駒か。日本ダービーでの熱戦に期待が膨らむばかりだ。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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