JRA「夏競馬」は3歳馬を買っておけば間違いない!? エフフォーリア世代より上の可能性も…論より証拠で証明した「低レベル説」への反発
はや6月に突入した今年。安田記念(G1)の開催で盛り上がったが、今月からは来年のクラシックを見据える2歳馬のデビュー戦も始まった。今週から函館開催も予定されており、宝塚記念(G1)が終われば本格的な夏競馬のシーズンへと突入していく。
また、2歳戦と同じく注目したいのは、3歳世代と古馬との戦いも始まったことだ。同世代の馬同士が争った春とは異なり、古馬を相手にした成績が上の世代との力関係を推し量る指標となる。
そして、抜けた馬がいないといわれた3歳世代に囁かれてきたのが、世代レベルへの疑問だ。牡馬牝馬ともに春の二冠を1番人気馬が制した訳ではなく、今後の結果次第で秋の勢力図が一変しても不思議ではなさそうな雰囲気もある。
しかし、まだ1週の開催を終えただけに過ぎないとはいえ、先週末の土日で見せた快進撃は大きな話題となった。
論より証拠で証明した「低レベル説」への反発
3歳上条件のレースで驚異の好成績を収めて他世代を圧倒したのだ。16.3%の勝率は、6.0%前後に終わった4歳5歳を凌駕。全27レース中14勝と半数を超えた。これは昨年の同時期にエフフォーリア世代が残した9勝(勝率12.5%)も軽く上回る数字である。
古馬相手に重賞勝ちを量産した昨年の3歳世代以上でもあり、今年の3歳世代のハイレベルが浮き彫りとなる結果だった。つまり、全体的な平均値が非常に高いという評価が必要になる訳だ。中でも最も堅いと考えられていたドゥラドーレスが、3着に敗れる波乱はあったが……。
実際にこれまでの重賞レースを振り返ってみると、3歳世代の実力が侮れないのではないかという想いも少なからずあった。桜花賞(G1)こそ7番人気の伏兵扱いだったスターズオンアースが牝馬二冠を達成し、武豊騎手の史上最多となる6勝目を挙げたドウデュースの日本ダービー(G1)は、2分21秒9(良)というとんでもない速さだった。
フィリーズレビュー(G2)が、古馬重賞の京都牝馬S(G3)や阪急杯(G3)と遜色ない勝ち時計をマークし、桜花賞やアーリントンC(G3)もまた、阪神牝馬S(G2)やマイラーズC(G2)に見劣らないタイム。ダノンスコーピオンが制したNHKマイルC(G1)の勝ち時計1分32秒3は、同じ東京芝マイルのG1であるヴィクトリアマイルの1分32秒2や安田記念の1分32秒3と互角(いずれも良馬場)なのだから説得力も増す。
この勢いが本物なら快進撃もまだまだ序章に過ぎないかもしれないだけに、今年の夏競馬対策は、「3歳馬を狙い撃て」がお約束になる日もそう遠くはなさそうだ。上半期の総決算・宝塚記念まで2週間。3歳馬で軍資金稼ぎに励んでみたい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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