JRA【CBC賞(G3)予想】今村聖奈テイエムスパーダ&アネゴハダの3歳牝馬は用なし!データから買える穴馬指名で、荒れ続きのハンデ重賞を制する!
今回はサマースプリントシリーズ第2戦にして、名物ハンデ重賞CBC賞(G3)を予想していく。
いつものように過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走を見ていく。京都競馬場改修工事の影響で施行時期は変わっていないが、20年は阪神、昨年と今年は小倉と開催場が変わっている。影響はあるだろうが、すべてピックアップしていく。
高松宮記念 7頭
安土城S(OP) 4頭
鞍馬S(OP) 3頭
京王杯SC、阪神牝馬S、彦根S(3勝クラス)、水無月S(3勝クラス) 各2頭
ヴィクトリアマイル、NHKマイルC、マイラーズC、阪急杯、海外遠征 各1頭
オープン特別 2頭
条件特別(3勝クラス) 1頭
となっている。春の高松宮記念(G1)が終わってしまうと、その後は3週前に開催された函館SS(G3)まで古馬スプリント重賞が組まれていないせいもあってか、高松宮記念から間隔を空けてここに参戦する馬が最多。とは言え、賞金をある程度持っている重賞組よりは前走オープン戦や準オープンの特別戦から秋を見据えて、ここで賞金加算を目論む馬が多いようだ。
続いて人気順の成績を見てみる。
1番人気 2-1-1-6
2番人気 3-2-2-3
3番人気 1-1-3-5
4~6番人気 2-0-1-27
7~9番人気 1-4-2-23
10番人気以下 1-2-1-61
となっている。1番人気はある程度信用できそうに見えるが、近5年に絞ると19年のレッドアンシェルが勝っているだけで残りは馬券圏外。2番人気は3頭馬券に絡んでいるので、やはりこちらの方がアテにできる。数字では一見分かりにくいが、7~9番人気の成績が良く、5頭が馬券に絡んでいる。また、この5年では10番人気以下の人気薄も3頭来ているので、人気薄でも吟味する必要はありそうだ。
これを踏まえて「◎」は昨年の覇者、17番ファストフォースとしたい。
前走は高松宮記念。道中5番手から進めたものの、直線で伸びず9着同着で終わっている。
前走が好走歴最多のレースを使っているのもポイントだが、この馬を推すポイントは2つある。ひとつはこの馬の戦績を見ていると、夏場に好走例が多いことに気がつく。陣営もその辺を弁えていて、そもそも走らせていないということもあるのだが、秋から春先にかけては好走例がほとんどない。目立つところでは11月の京阪杯(G3)3着程度か。
今年もこの京阪杯を最後に前走まで見るところがない走りをしているが、昨年のこのレースを勝ったときも前走が秋口で2つ負けてからの休み明けだった。暑くなってきた今は走り頃だろう。
もうひとつはリピーターの好走傾向である。過去10年で見ると12年、13年を連覇したマジンプロスパー、17年2着・18年3着のセカンドテーブル、18年1着・19年2着のアレスバローズ、19年1着・20年3着のレッドアンシェルが該当する。前年より斤量が上がっていても好走する馬が多く、ファストフォースは前年52kgから今年は4kg増の56kgと大幅にアップしているが、こなせる斤量なはずだ。
連覇となるとハードルは高そうだが、馬券に絡む可能性であれば十分あり得る。ここは人気になっていても積極的に押さえたい。
「○」は穴っぽいところで9番ロードベイリーフを推す。
前走は韋駄天S(OP)。外枠寄りの枠を引いて中団より後ろでレースを進め、ラストで上がり3位の脚で2着まで食い込んだ。
5歳馬の割に26戦とだいぶ使い込まれているが、ひとえに勝ち味に遅いのが原因。新馬戦こそ3着と好走してみせたが、未勝利脱出は8戦を要している。間にアーリントンC(G3)挑戦を挟んでいるが1勝クラス脱出は9戦、2勝クラスは連勝で脱けだしたものの、3勝クラスは5戦と、ここまででキャリアの大半を占めている。
そして、オープン入りしたものの2戦続けて2ケタ着順の大敗。前走はいろいろ噛み合った結果とも言えそうだが、オープンでようやく走る端緒が見えてきたのではないか。斤量が据え置きになったこと、鞍上がテン乗りだが穴馬を走らせる和田竜二騎手に乗り替わりで、人気薄でも勝負気配が見える。
加えて、個人的な趣味だが血統背景にも魅力を感じる。父はヴァンセンヌというマイナー種牡馬。産駒の重賞実績もまるで見るところがなく、めぼしいところで珍名馬イロゴトシが京都新聞杯(G2)で5着に入っている程度。だが、この馬は初代春秋スプリント女王になったフラワーパークとディープインパクトの間に生まれた超良血馬。産駒も短距離に良績が残っている。未だ産駒の重賞制覇がない種牡馬だけに、ここで一発を期待したいという思いも込めて重い印を打った。
「▲」も穴っぽいところで11番カリボールを挙げる。
前走は芦屋川S(3勝クラス)。内枠を利して中団で待機する策を採り、直線でするする上がってきてゴール前きっちり前を交わして勝利している。
この馬は3歳秋までは中の下くらいの成績を挙げており、キャリア4勝のうち3勝はすべてこの時期に挙げたもの。シンガリ負けしているが菊花賞(G1)にも出走している。問題はこの菊花賞の後で、これ以降はどのレースもまったく鳴かず飛ばず。3勝クラスの脱出に15戦を要している。陣営も当初は中距離を中心に使っていたのが、長いと見たかマイルに切り替え、さらに1400m戦に短くしても結果が出なかったのが、前走スプリント戦でおよそ2年半ぶりの勝利を挙げたという流れ。
ジャスタウェイ産駒だけに中距離以上のイメージがあるが、実際には短距離でもそこそこ成績を挙げている。つまり、この馬に関してはスプリント戦が今最適な距離であると考えられる。前走までは55~57kgと普通の斤量で走っていたが、さすがに今回は重賞ということもあって、3kg減の54kgで出られる。現時点の適距離と見られる1200m戦で一発を期待できる1頭だろう。
「△」は人気どころだが8番タイセイビジョンと穴馬12番スマートリアンの2頭とする。
タイセイビジョンの前走は春雷S(L)で、後方待機から直線で上がり32秒8の鬼脚を使って2着に食い込んだ。2歳から3歳春にかけては重賞を2勝マークしているほか、朝日杯FS(G1)でも2着するなど、一流馬の一角をなしていた。
3歳春のNHKマイルC(G1)で4着に敗れたあと、秋は富士S(G2)で5着とそこそこの走りを見せたが、マイルCS(G1)では14着と大敗。そこから「来ても4着まで」という競馬が続いていたのだが、昨年秋の京阪杯で2着に入り、前走で再び2着と復調気配を見せている。
こちらも重賞を2勝し、G1に連対実績があるということで昨年のこのレースの斤量が据え置かれて57kgとトップハンデを背負っているが、トップハンデなりにポテンシャルのある馬であり、ここ4走の復調ぶりを考えると人気でも押さえたいところだ。
スマートリアンは前走・安土城S(L)で道中4番手から直線で前を捕まえられず、後ろからは交わされての5着に終わっている。
19戦のキャリアでマイルから1800mまでの距離を中心に使われ、主にマイルで好成績を残してきている馬。昨年の京成杯AH(G3)で4着に入った後は、重賞2戦、リステッド4戦を使われて3走前に3着をマークしている以外大きく負けてはいないが、もどかしい競馬が続いている状態。
マイル未満の距離を使われたのは前走が初めてで、こちらも前述の通り5着とどうも煮え切らない成績で終わっている。マイルに距離適性があると考えられるが、そのマイルでボチボチしか走らないということで、スプリント路線に舵を切ったのだと思われる。ただ、前走は5着とは言え、走破タイムはなかなかのもの。前走と同斤量でアドバンテージがあるわけではないが、速い競馬でも対応できそうなポテンシャルに賭けてみたい。
人気どころでは2番アネゴハダと5番テイエムスパーダの3歳牝馬2頭を切り。
アネゴハダは2歳時に小倉2歳S(G3)で、3歳春はフィリーズレビュー(G2)でそれぞれ3着と重賞の好走実績があり、今回は49kgと裸同然の軽ハンデで出られるところが人気の要因だろう。
テイエムスパーダも重賞では大敗しているが、これを除いた条件戦ではすべて連対していることや、こちらも48kgと最軽量で出られること、この軽ハンデに伴って今乗れている今村聖奈騎手が重賞初騎乗ということで、注目を集めていることが人気の裏付けになっている。
ただ、この2頭には2つの大きな壁がある。ひとつはこのレースで過去10年3歳馬が馬券になったのはたった1頭しかいないこと。3歳馬が出走していない年もあるが、それにしても分が悪い。さらにこの1頭というのが、ここで連対して後にスプリンターズS(G1)を勝つピクシーナイトということで、さすがに今回の2頭ではスケールが比較にならない。
もうひとつは、この恵まれた軽ハンデだ。これも50kg以下の馬が出走していない年もあるのだが、過去10年で51kg未満の斤量で馬券になった馬は1頭しかいない。その最軽量51kgでも1頭勝っているだけなので、このレースに関しては軽ハンデが必ずしも有利とは言えない部分がある。
さすがにこの2点は大きいと考えるので、ここは躊躇なく切っていいだろう。
ということで、今回は8番、9番、11番、12番、17番の5頭から3連複BOX10点勝負としたい。
人気馬を押さえてはいるが、それが飛んでしまうと思いがけない高配当にありつけるはずだ。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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