JRA今村聖奈「代打勝利」も主戦騎手には貧乏くじ!? 元サヤに戻ってもコンビ解散の可能性…想定される「最悪シナリオ」のプレッシャー

お手馬が重賞を勝ったがために、図らずも自身へのハードルも高くなってしまった。
3日に小倉競馬場で行われたCBC賞(G3)では、今村聖奈騎手が騎乗したテイエムスパーダ(牝3歳、栗東・五十嵐忠男厩舎)が勝利。期待の新人女性騎手の重賞初騎乗・初勝利ということで、各所で大きな話題を呼んだ。
鞍上と共に重賞初制覇を遂げたテイエムスパーダは早くも次走が決定。レコード走破による馬体へのダメージも少ないようで、8月21に行われる北九州記念(G3)での重賞連勝を目指すこととなった。
気になる次走の鞍上だが、CBC賞で勝利に導いた今村騎手ではなく国分恭介騎手となる模様。CBC賞では開幕週の前が止まらない馬場を手の内に入れ、腹を括った見事な逃げ切り勝ちを収めた今村騎手であったが継続騎乗とはならず。続投を期待していたファンからは落胆の声も出ていた。
しかしこの乗り替わりは既定路線ともいえる。
そもそもテイエムスパーダは国分恭騎手が主戦を任されていた馬。CBC賞で発表されたハンデの斤量が想定よりも軽い48kgであり、体重的に騎乗が困難だった。そのため、軽斤量でも騎乗可能な今村騎手に白羽の矢が立った経緯があるからだ。
こうした事情からも今村騎手の起用は一戦限りの“代打”ということがわかる。最高の結果で応えた今村騎手の好騎乗には陣営も諸手を挙げて喜んだことだろう。

一方でこの勝利に国分恭騎手の胸中は複雑かもしれない。自身が騎乗できない状況でもお手馬が順調に賞金を加算し、秋のG1レースを視野に入れたことは喜ばしいこと。本来なら自身の手に手綱が戻る次走で期待が大きくなるはずなのだが、状況的にはそれほど歓迎できないともいえそうだ。
元サヤに戻ってもコンビ解散の可能性…
北九州記念はCBC賞と同じくG3のハンデ戦ではあるが、近年はスプリンターズS(G1)と中5週と適度な間隔ということもあって、秋の大舞台を見据える有力馬が前哨戦として使うケースが増えている。
実際に今年も春に高松宮記念(G1)を制したナムラクレアが北九州記念からスプリンターズSへ向かうことが明らかになっており、その他にも有力馬が多数参戦してくるだろう。CBC賞の勝利を受けてハンデが大幅に増加することが見込まれるテイエムスパーダは、前走以上の強敵を相手に重い斤量を背負うこととなるだろう。
加えて、開幕週で前有利の馬場であったCBC賞と比べて、開催が進んだ中で行われる北九州記念には差しが決まりやすい。過去10年の北九州記念で逃げを打った馬は(0-1-1-8)となっており、この馬券内に入っている2例はいずれもモズスーパーフレアのものである。
短距離界ではトップクラスの実力を誇ったモズスーパーフレアですら2度も逃げ切りに失敗し、そのほかは全滅。この傾向を見る限り、北九州記念は逃げ馬にとっては鬼門のレースといえる。開幕週の高速馬場で前残りの目立ったCBC賞よりも明らかに不利な条件となることは間違いない。
今村騎手の見事なレース運びの後に、再びお手馬の手綱を握る国分恭騎手には当然ながら相当なプレッシャーがあるはず。北九州記念で不甲斐ない騎乗を見せれば、「今村騎手が乗っていれば……」とも言われかねない。
果たして国分恭騎手は大きなプレッシャーを撥ね退けて主戦騎手として、先輩騎手としての意地を見せることができるだろうか。北九州記念でコンビ再結成となるテイエムスパーダとの走りに注目したい。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。
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