JRA武豊も「不覚」を取った川田将雅の大金星! ヴィクトワールピサ、エイシンフラッシュでもない…あの菊花賞馬と「濃厚接触」のチャンス
今から遡ること12年前となる2010年の牡馬クラシック。この年の皐月賞(G1)をヴィクトワールピサ、日本ダービー(G1)はエイシンフラッシュがそれぞれ勝利した。
前者は同年の有馬記念(G1)や翌年のドバイワールドC(G1)を制し、後者は天覧競馬となった2012年の天皇賞・秋(G1)を優勝。馬から降りて天皇陛下に最敬礼をする姿は多くのファンの感動を呼んだ。また、その後エイシンフラッシュは『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でも知名度を上げている。
これに対し、菊花賞馬について即答できるファンはそう多くないはずだ。ラスト一冠を勝ちながらも前述した2頭に比して明らかに存在感が薄いのは7番人気の穴馬だったかもしれない。
勝ち馬の名はビッグウィーク。その名の通り菊花賞の開催週はビッグな勝利を手に入れた訳だが、この年の1番人気に支持されていた馬は武豊騎手が騎乗していたローズキングダムだった。
伝説の新馬戦でヴィクトワールピサに勝利し、朝日杯FS(G1)でバラ一族悲願のG1初勝利を挙げたものの、春二冠ではライバルの前に惜敗。復権を狙った神戸新聞杯(G2)でエイシンフラッシュにダービーのリベンジを果たし、勇躍挑んだのが菊花賞である。
しかし、道中で13秒台のラップが何度も刻まれたスローの展開で後方待機策を選んだことも仇となった結果、直線2番手から先に抜け出したビッグウィークを捕まえ切れずに1馬身1/4差の2着に敗戦。前走で3馬身以上も置き去りにしていた相手に逆転を許してしまった。
武豊も「不覚」を取った川田将雅の大金星!
当時はまだ若手騎手の一人だった川田将雅騎手が、7番人気の穴馬で大本命だった武豊騎手とローズキングダムのコンビを撃破する大金星を挙げた一方、結果的に前残りのレースで敗れた武豊騎手に対する一部のファンからの風当たりも強かった。
「残念ですね…。レースの流れはある程度想定していた範囲内でしたが、ちょっと4コーナーでモタついて、反応が悪くて、内にモタれてしまったのが誤算でした」
武豊騎手は敗戦をそう振り返り、ローズキングダムを管理する橋口弘次郎調教師も「あと3完歩あったらかわっていたでしょう。一番強い競馬を見せてくれたと思います」と前を向いたが、もう少し積極的な位置取りで乗っていたなら結果も変わっていたかもしれない。
とはいえ、見事なジャイアントキリングを成功させたビッグウィークもこの一戦で燃え尽きたかのようにその後は鳴かず飛ばず。以降は大敗を繰り返して障害レースで1勝を挙げたものの、その後は勝てずに現役を引退。15歳となった現在は、鳥取県にある「大山乗馬センター」で余生を送っているようだ。
エサやりなども可能なところが当センターの魅力。一般のファンがG1ホースと触れ合える機会は希少であり、来場者からも人気を集めているらしい。興味のある方は、濃厚接触できるチャンスをお見逃しなく。
もし訪問する場合は、事前に以下のURLにて注意事項などを確認していただきたい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
17:30更新- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 【NHKマイルC】アスコリピチェーノ主戦を背に追い切りも【日本ダービー】武豊がキタサンブラック弟と挑む最多7勝目【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
- 【NHKマイルC】世代わずか「6頭」も驚異の高打率! ジャンタルマンタル、ノーブルロジャーの父に「第2のスワーヴリチャード」の期待
- 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
- 【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
- リバティアイランド、ドゥレッツァ「戦線離脱」に思うドゥラメンテの儚さ。そして思い出されるアグネスタキオンとの共通点
- 【NHKマイルC】大注目の15番マスクオールウィンに「8年連続連対中」の追い風!?「令和のNHKマイルCの法則」とは
- 【NHKマイルC】100万馬券の使者はロジリオンとシュトラウス!? 過去に飛び出した100万馬券から超穴馬を読み解く!
- 【NHKマイルC(G1)直前生情報】一昨年の153万馬券再び!? 「荒れる3歳マイル王決定戦」で注目の激アツ厩舎と頭の隅に入れておくべき穴馬とは
- 【京都新聞杯(G2)予想】穴馬ジューンテイクに浮上の余地あり! 抜けた馬がいない混戦模様、狙いは重賞好走歴のある人気薄
- 【NHKマイルC】先週に引き続き単勝でいざ勝負!C.ルメール騎手の体調が心配だけど平野ももは信じているよ!【UMAJOモモのオイシイ競馬】
関連記事
JRA今村聖奈「代打勝利」も主戦騎手には貧乏くじ!? 元サヤに戻ってもコンビ解散の可能性…想定される「最悪シナリオ」のプレッシャー
JRA今村聖奈「一発回答」に岩田望来が赤っ恥!? グループ内での「序列低下」も現実味……エージェント同一も「重賞97連敗」の体たらく
JRA川田将雅でも武豊でもない、復活の立役者はあの男!? 昨年「12位」→今年「断トツ1位」大記録失った名門厩舎が驚異の大逆襲!?
JRAスミヨン、デムーロ、ルメールが「格の違い」を証明…クビになった中堅騎手が味わった屈辱、あの名牝の全弟がデビュー
JRA武豊の「新人最多勝」超えで慢心!? デビュー年の勝利数を超えるまで11年の遠回り、元天才騎手の「身から出た錆」発言