JRA【七夕賞(G3)予想】実績上位ヒートオンビートは迷わず切り! 特大穴馬から狙うハンデ重賞で10万馬券も見えてくる!?
今回はサマー2000シリーズの開幕戦にして、夏の福島を彩るハンデ重賞七夕賞(G3)を予想していきたいと思う。
先週だが、ひどい予想になってしまい読者諸兄にはお詫びしたいところだ。CBC賞(G3)は週頭に散々話題に上っていたが、切ったテイエムスパーダが日本レコード更新のオマケ付きで逃げ切り圧勝。2着こそタイセイビジョンが来てくれたが、3着がまたバッサリやったアネゴハダ。軽ハンデ馬が過去10年1頭しか来ていないという重いデータがあっただけに、気持ちとしては「騙された感」しかない。
ラジオNIKKEI賞(G3)は◎が予想通り来てくれたはいいが、2着は注目すらしておらず、3着は切ったサトノヘリオス。2着はローテーション的にアリではあったが、負けすぎでチェックすらしていなかった。サトノヘリオスは多少実力を見くびり過ぎていたか。
今週は気を取り直してしっかり予想していきたい。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていこう。
鳴尾記念 5頭
エプソムC、福島民報杯(L、OP) 各3頭
新潟大賞典、米子S(OP) 各2頭
天皇賞・春、安田記念、目黒記念、AJCC、東京新聞杯、中山金杯、福島牝馬S 各1頭
オープン特別 4頭
条件特別(3勝クラス) 2頭
条件特別(2勝クラス) 1頭
海外遠征 1頭
となっている。G3格付けの割に前走重賞組・オープン組が多め。ハンデ戦なので条件戦を走ってきた馬に有利そうにも感じるが、メンバーが手薄になるだけに成績不振に喘ぐ馬がここで巻き返しを図る例が多いのだろう。これといって強い傾向がないので、重賞・特別戦・条件戦と大括りで考えて検討する方がいいかも知れない。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 2-1-1-6
2番人気 2-1-0-7
3番人気 3-0-0-7
4~6番人気 1-3-1-25
7~9番人気 0-4-3-23
10番人気以下 2-1-5-54
となっている。上位人気がアテにしづらい数字だが、だからと言って下位人気に良績があるかと言えばそうでもない。人気にかかわらず万遍なく馬券に絡んでいる印象。近5年に絞っても3番人気2勝、2番人気1勝2着1回が目立つが、7番人気以下の馬が7頭も馬券に絡んでおり、人気薄をマークする方が良さそうである。
これを踏まえて「◎」はいきなり穴馬だが4番エヴァーガーデンとする。
前走は福島牝馬S(G3)。中団から競馬を進めていたが、そのまま直線で伸びることなく11着に大敗している。
5歳馬の割に21戦のキャリアとそれなりに使われているが、3歳春で成績が頭打ちになってしまったため。そこまでは7戦して着外が一度あるが、2勝2着4回と勝ちきれないまでも好走していた。夏を越してさらに年をまたいで2勝クラスの脱出に6戦、3勝クラスの脱出に7戦を要しており、2走前の勝ち星は実に1年ぶりというものだった。
前走は初重賞だったこともあり、また斤量はそれほど重くはなかったにせよ、別定戦で他馬と変わらなかったのが響いた可能性がある。福島は前走以外に新馬戦と2歳1勝クラスで走っており、どちらも連対している。距離も実績のある距離で、今回は2kg減で出られるのも大きい。ここで巻き返しの一発があってもおかしくない。
「○」も穴っぽいが15番ヴァンケドミンゴを推したい。
前走は関門橋S(OP)。中団から競馬を進めたものの、前残りしやすい馬場状態だったこともあって前が止まらず、捉えきれずに4着に終わった。
昨年は目立った成績を残すことができず、3走前のカシオペアS(L)2着以外はすべて着外。二ケタ着順も3回あり、不調の真っ只中にあったと言える。前走は今年の初戦となったわけだが、3カ月の休養明けの割にそこそこ好走しており、昨年の不調から光明が見えてきたと見ている。
何より推したい理由は無類の福島巧者であること。昨年のこのレースと福島記念(G3)はどちらも大敗しているが、これを除いた6戦ですべて馬券に絡んでいる。この中には一昨年の七夕賞と福島記念も含まれており、馬の調子さえ良ければ好走する下地はある。陣営は加えて馬場状態を気にしていたが、どうやら土曜もほぼ降雨なしで日曜は良馬場で迎えられそう。となれば、不安要素はないと言っていいだろう。
前走の成績を鑑みて、叩き2走目ということで上積みが期待できるのではないか。前走より1kg減で出られることもあり、ここは走り頃と見ている。
「▲」は人気しそうだが11番アンティシペイトを挙げる。
前走は福島民報杯(L)。後方待機から徐々にポジションを上げていき、4コーナーで先頭に立つとそのまま後続を寄せ付けず5馬身差の圧勝を飾った。
この馬も実は結構な堅実派で、キャリア16戦のうち重賞を走った3走はいずれも大敗してしまったが、これを除くと掲示板を外したのはわずか1回。16戦のキャリアで10連対と安定感はヒートオンビートにも劣らない。
この大敗した3つの重賞はいずれも距離が堪えたものと考えられる。格下の条件戦ならこなせる距離も重賞となると壁になったのだろう。それが証拠に前走は2000mに戻って見事な勝利を挙げている。陣営は脚の使いどころがポイントとしているが、前走も後方から徐々に進出する走りをしており、これが再現できれば同じ条件で開催されるこのレースでも引けを取らないだろう。
前走の勝利を過大評価されたか、斤量を前走より1.5kg見込まれてしまったが、条件戦で57kgまでは走っているので問題ないと見る。ローテーション的にも推奨できるので、人気していても押さえたい。
「△」は穴馬2頭、8番フォルコメンと9番ショウナンバルディを推す。
フォルコメンの前走はダービー卿CT(G3)で出遅れからの後方待機策を採り、直線で上がり33.8秒の鬼脚で追い込むもアタマ差届かずの2着だった。
この馬は前走を見ても分かる通り、主戦場はマイルの馬でマイルより長い距離を走ったのは実に3年前まで遡る。そして、そのマイル戦でも前走こそ展開がハマって人気薄ながら2着に食い込んできたが、5走前の条件戦勝利を除き、3勝クラス以降はいずれも敗れており、二ケタ着順も4回ある。
普通であればそもそも距離適性がないと切ってしまうのが常道だが、10年前に勝ったアスカクリチャンのキャリアがこの馬のそれと酷似している。アスカクリチャンで言うなら前走も前々走もマイル重賞で負けており、2000mで勝つ要素はまったくなかったのだが、16頭立て14番人気の人気薄をあざ笑うかのように勝利している。
アスカクリチャンの場合は渋った馬場が利したかもしれないが、このフォルコメンの場合はむしろ時計勝負になりそうなところに勝機がある。このレースは例年良馬場であれば1分58秒台の速い時計で決着しているが、フォルコメンの前走はマイルで1分32秒3の好タイムで2着している。過去1戦だけ走った2000m戦も1分59秒6で2着しており、距離は経験済み、かつ好タイムを持っているだけに一発の可能性に懸ける価値はあろう。
ショウナンバルディの前走は鳴尾記念(G3)で終始番手につけて追走するも、直線で力尽き7着に敗れている。
この馬は昨年の3着馬で、昨年と同じローテーションで今年も参戦となる。ただ、昨年と違って今年は近走に見るべき成績がないままに迎えることになってしまい、5走前の中日新聞杯(G3)に勝っていることで、ハンデも昨年より2kg増と厳しいところがある。
そこを敢えて押さえるのは、ヴァンケドミンゴ同様陣営が気にしている馬場が良馬場で迎えられそうなこと、その良馬場であれば速い時計の決着になると思われ、この馬はそれに対応できると踏んでのもの。前走も完敗ではあるが、走破タイムは1分58秒5と優秀なもの。前述の通り良馬場なら1分58秒台で決着するこのレース向きなのは間違いない。
リピーターがそれなりに活躍するこのレースであれば、近走の不振を払拭する走りを見せる可能性もある。その期待値込みで押さえてみたい。
人気の軸になりそうな6番ヒートオンビートは切り。
前走は天皇賞・春(G1)。中団より後ろにつける競馬で、直線に向いて上がり2位の脚で追い込んではきたものの、前にいた馬の脚が止まらず4着となった。
この馬の通算成績【4-7-3-5】でわかるように、デビューから良く言えば堅実な、悪く言えば勝ち味に遅い走りをしてきている。数字の上では着外5回だが、この中身を見ると掲示板に載らなかったのはわずか2回で、19戦のうち実に17戦で掲示板は確保してきた。
前走こそ馬券に絡むことはできなかったが、2走前の日経賞(G2)、3走前の中山金杯(G3)はともに3着、4走前のチャレンジC(G3)では2着と、ここ5走は重賞でも好成績を残してきている。実績ならメンバー中最上位と言ってもいい。
陣営は前走から6ハロンの距離短縮でテンのスピードが違うので馬が戸惑うのでは、という危惧をしているようだが、切りとする理由もまさにここ。この馬に関しては2000mを超えるレースが主戦場だったこともあるが、速い時計で決着したレースが皆無でタイム自体はごく平凡なものばかり。
馬場が渋れば出番もあろうが、良馬場がほぼ確実なだけに2分を切るタイムで決着するのは間違いない。となると、前走は3200m戦と長距離だったので、陣営が危惧している通り馬がペースに戸惑う可能性は高い。過去1頭だけ天皇賞・春から転戦した馬が馬券になっているが、3着に入ったこの馬は2分台の時計とやはり速い流れに対応しきれていない。
上述のように堅実派の走りをする馬なので二ケタ着順までは考えにくいが、馬券に絡むまではないと見てここはバッサリやりたい。
ということで、今回は4番、8番、9番、11番、15番の5頭で3連複BOX10点勝負としたい。
オッズ1ケタ台になるのはアンティシペイトだけと思われ、残りの4頭はすべて穴馬。アンティシペイトがもし飛んでしまえば万馬券は確実だろう。
(文=トーラス神田)
<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。
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