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JRA岩田康誠「騎手が下手くそ」格下相手の惜敗に自虐節!? 七夕賞(G3)武豊がG1馬に導いた逸材が復活の兆しを示した分岐点

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JRA岩田康誠「騎手が下手くそ」格下相手の惜敗に自虐節!? 七夕賞(G3)武豊がG1馬に導いた逸材が復活の兆しを示した分岐点の画像1

 先週から始まった福島開催。今週末は七夕賞(G3)が行われる。

 過去10年で2桁人気馬が8頭も絡んだ難解なハンデ戦。3連単の払戻も10万円を超えるような波乱の決着が度々起こることもあり、穴党には魅力的なレースのひとつでもある。

 2012年の覇者アスカクリチャンも波乱の立役者となった1頭といえる。単勝54.4倍の14番人気の人気薄ながら、初騎乗となった内田博幸騎手が見事な手綱捌きで大波乱を巻き起こした。

 しかし今回は、アスカクリチャンではなく、当時1番人気に支持されるも、思わぬ伏兵相手に2着に敗れたトーセンラーにスポットを当ててみたい。

 七夕賞に出走する2年前、歴史的名馬となったディープインパクトの初年度産駒としてデビューしたトーセンラー。新馬戦では父の主戦を務めた武豊騎手を背に、単勝1.5倍に応えて初陣を飾った。レース後には「最後に火がついたら沈んだね。いいものを持っている」とレジェンドも瞬発力を絶賛。クラシックへ向け大きな一歩を踏み出した。

 その後、きさらぎ賞(G3)を勝って挑んだ春のクラシック二冠は皐月賞(G1)7着、日本ダービー(G1)11着と思うような結果を残せず。それでも秋はセントライト記念(G2)2着、菊花賞(G1)では3冠馬オルフェーヴルの3着に好走し、その後の活躍も大いに期待された。

 ところが、古馬となってからは不振に陥り、重賞でも二桁着順が続く嫌な流れ。そんななか、復活の糸口を手繰り寄せたのが七夕賞の前走である鳴尾記念(G3)で初めて手綱を取った岩田康誠騎手だった。

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岩田康誠騎手

「これで馬に自信がついてくれれば、また上へ登っていける」

 その鳴尾記念ではこれまでの後方待機策から一転してスタートから果敢に押して先行策を繰り出した鞍上。結果こそトゥザグローリーの3着に敗れはしたものの、不振に喘いでいたトーセンラーに久しぶりの重賞好走をもたらした。

 そういった背景もあり、10戦ぶりの1番人気の支持を受けた七夕賞。3枠5番からスタートを決めると後方待機策を選択。道中は後方4、5番手の内で脚を溜め、4コーナーにかけて徐々に外から押し上げて最後の直線に入る。

 直線では、鞍上得意のイン突きではなく馬の実力を信じて外へと持ち出され、一気にエンジンがかかるとメンバー中上がり最速の末脚を繰り出すも、アスカクリチャンをわずかハナ差だけ捕らえることが出来なかった。

「騎手が下手くそ」格下相手の惜敗に自虐節!?

「騎手が下手くそやわ。馬に負担をかけて足を引っ張ってしまった。馬はめっちゃ良かったのに」

 レース後には自らの騎乗ぶりを悔やんだ岩田康騎手のコメントからも、この馬の復活を誰よりも信じていたように感じた。

 それでも、この連続好走をキッカケにその後は息を吹き返したように重賞戦線でも活躍したトーセンラー。ついに2013年のマイルCS(G1)では武豊騎手とのコンビで悲願のG1初制覇を成し遂げ、レジェンドにもメモリアルとなるG1通算100勝目を届けた。現在は種牡馬として第2のキャリアを歩んでおり、今年は産駒のザダルが京都金杯(G3)を制すなどいまもなお存在感を示している。

 あれから10年。今年の七夕賞に出走を予定している馬で1番人気に想定されているのは、『netkeiba.com』の想定によるとヒートオンビートのようだ。同馬も今回のメンバーでは格上的存在であり、重賞勝ちこそないものの、現役最強馬との声もあるタイトルホルダー相手に日経賞(G2)3着、天皇賞・春(G1)4着と好走している。

 だが、トーセンラーのように後のG1馬でも不覚を取ったハンデ重賞だけに、今年も思わぬ伏兵が波乱を巻き起こすのかもしれない。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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