
JRA【七夕賞(G3)展望】棚ぼた勝利は難しいハンデ戦!? 「G1除外の無念」ヒートオンビートVS「福島の鬼」ヴァンケドミンゴ!

10日、福島競馬場では七夕賞(G3)が行われる。荒れるハンデ重賞として知られるが、直近の勝ち馬7頭のうち6頭が斤量57kg以上を背負っており、ハンデに恵まれた馬による棚ぼたの勝利は難しいレースでもある。
中心は重賞未勝利ながら、それなりのハンデが見込まれるヒートオンビート(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)か。
母が桜花賞馬のマルセリーナという良血馬だが、オープン入りしたのは4歳になってからと出世はやや遅れた。ところが重賞初出走となった目黒記念(G2)でいきなり2着に食い込むと、休み明けで8着に敗れた京都大賞典(G2)を挟んで、チャレンジC(G3)2着、中山金杯(G3)3着、日経賞(G2)3着と持ち前の安定感を発揮。前走の天皇賞・春(G1)でも4着に健闘し、重賞級の力を証明している。
今回は一気の距離短縮と初の福島コースをクリアできれば、勝利に最も近い存在だろう。秋に向けて賞金加算は必須。宝塚記念(G1)除外の鬱憤をここで晴らせるか。
福島コースは未知数のヒートオンビートに対し、現役屈指のコース巧者として知られるのがヴァンケドミンゴ(牡6歳、栗東・藤岡健一厩舎)だ。
これまで全4勝を福島で挙げるなど、通算成績は「4-1-1-2」。重賞でも2年前の当レース3着と同年福島記念(G3)の2着がある。
今年は2月に小倉で行われた関門橋S(OP)で1戦(4着)したのみで、これが2戦目。得意の福島を狙いすましての3年連続参戦は何とも不気味だ。
鞍上は主戦の酒井学騎手が負傷中のため、津村明秀騎手へと乗り替わる。これが3度目のコンビで、今回と同じコースの未勝利戦では初勝利に導いている。
福島開催の重賞は4つあるが、津村騎手はそのうち3つをすでに制覇。ヴァンケドミンゴとのコンビで残す七夕賞を制し、コンプリート達成を狙う。
ヒュミドール(セ6歳、美浦・小手川準厩舎)は、昨年の小倉記念(G3)と福島記念で2着した実績の持ち主。
今年は中山記念(G2)で6着後、大阪杯(G1)でG1に初挑戦するも壁は厚く、ブービー15着に大敗した。G1経験を糧に、今回は得意のローカルハンデ重賞で出直しの一戦を迎える。
福島では2勝クラス勝ちもあって、コース替わりは大きなプラス。中山記念から手綱を取るM.デムーロ騎手が引き続き騎乗予定なのも心強い。11度目の重賞挑戦で待望の勝利をつかみたい。

アンティシペイト(牡5歳、美浦・国枝栄厩舎)は、昨夏の札幌で3勝クラスを突破。オープン昇級後は苦戦していたが、前走・福島民報杯(L)は圧巻の内容で8か月ぶりの勝利を飾った。
道中は中団を追走したアンティシペイト。向正面でマクっていくと、4角手前で早くも先頭に立つ積極的な競馬を展開した。直線では後続との差を広げ、最後は2着馬に5馬身差をつけた。
管理する国枝調教師は2日にJRA通算1000勝の大記録を達成したが、上半期はリーディングトップ10圏外と成績は今一つ。重賞勝利もフローラS(G2、エリカヴィータ)の1勝だけにとどまっている。後半戦での巻き返しへ向けて、結果を出したいところだろう。
フォルコメン(セ6歳、美浦・堀宣行厩舎)は、前走・ダービー卿CT(G3)でアタマ差の2着に好走。直線で末脚を伸ばしていったんは先頭に立ったが、さらに外から急襲したタイムトゥヘヴンに差し切られた。
3年前の秋から13戦連続でマイル戦を使われてきたが、今回は久々の2000m。距離延長がカギとなりそうだ。
ここまで名前を挙げた5頭はいずれも重賞未勝利馬だが、もちろん重賞ウイナーも黙ってはいないだろう。

昨年の当レース覇者トーラスジェミニ(牡6歳、美浦・小桧山悟厩舎)は、その後8連敗中で、うち7戦が2桁着順と苦しい競馬が続く。1年ぶりの福島で、勝利の味を思い出せるか。
昨年の小倉記念を制したモズナガレボシ(牡5歳、栗東・荒川義之厩舎)も、その後いいところなく5連敗中だ。ただし、初コンビとなる戸崎圭太騎手は過去6年で当レースを3勝しており、相性は抜群。鞍上の力を借りて重賞2勝目を狙う。
この他には、昨年の京都新聞杯(G2)覇者で、菊花賞(G1)では1番人気の支持を受けたレッドジェネシス(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)、昨年12月の中日新聞杯(G3)を制したショウナンバルディ(牡6歳、栗東・松下武士厩舎)、昨年の当レース2着馬ロザムール(牝6歳、美浦・上原博之厩舎)なども上位をうかがう。
重賞未勝利馬が中心となりそうな今年の七夕賞は、月曜に発表される各馬の斤量にも注目が集まる。今年も57kg以上を背負う実績馬が強いのか。発走は10日、15時45分を予定している。
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