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JRA横山和生、横山武史「イメージ真逆」の春と夏。「51連敗」兄のピンチに現れた「最高」の救世主

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横山武史騎手

 今春のG1シーズン直前、中心視されていたのは間違いなく横山武史騎手だった。

 それもそのはず、昨年は年度代表馬にも選ばれたエフフォーリアとのコンビで競馬界を席巻。目標に掲げていた年間100勝を達成し、G1でも5勝を挙げるなど23歳という若さでキャリア最大の飛躍を遂げていた。

 高松宮記念(G1)でレシステンシア、大阪杯(G1)でエフフォーリア、桜花賞(G1)でナミュール、皐月賞(G1)でキラーアビリティと有力馬への騎乗が次々と決まっていたこともその実力を認められた証。このまま昨年の勢いが続けば「今年も武史の年になる」と誰もがそう思っていたはずだ。

 ところが、いざ蓋を開けてみると現実はそう甘いものではなかった。

 本番では上述した有力馬たちでいずれも着外に沈む連戦連敗。その後も上半期は天皇賞・春(G1)を除く全てのG1に参戦したものの、ついに一つもG1勝利を手にすることが出来なかった。

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横山和生騎手 撮影:Ruriko.I

 その一方、大舞台でスポットライトを浴びたのが兄の横山和生騎手だった。

 タイトルホルダーとのコンビで天皇賞・春と宝塚記念(G1)を好騎乗で連勝してみせた手腕はトップジョッキーと呼ぶにふさわしい内容。“ベガはベガでもホクトベガ”ならぬ“横山は横山でも和生”と思ったファンも少なくなかったことだろう。

 ただ、G1の大舞台だけに限定すれば、圧倒的に明暗を分けた横山兄弟ではあるがリーディングの話になるとその事情は少々異なる。

 春のイメージでは成績が急落していても不思議ではない横山武騎手だが、7月10日終了時点の全国リーディングでは、1位の川田将雅騎手(83勝)に次ぐ2位(71勝)なのである。G1では存在感を発揮することは出来なかったものの、勝利数においては昨年同時期(43勝)のペースを大幅に上回っていることは見逃せない。

 対する兄の横山和騎手は、重賞では弟に勝る活躍を見せながらも、全国リーディングでは、弟から大きく離された11位。勝利数においても41勝と昨年の同時期(43勝)とペースはそれほど変わらないのだ。

 では何故、両者にこれほどまでの勝利数の差が生まれているのか。その一つの要因として考えられるのが、6月から始まった函館開催である。

 現在、横山武騎手は18勝を挙げて、2位の武豊騎手(9勝)にダブルスコアの差をつけて函館リーディングでトップを独走中。成績を落とすどころか勝利数はむしろ増えている。

 それを横目に同じ函館開催で不振に陥っていたのが兄の横山和騎手だ。弟の大活躍の陰で自身は函館開催で1勝も出来ず、リーディングでも一時トップ10から陥落するなど負の連鎖が続いていた。

 そんな横山和騎手にとって救世主となったのが、10日に函館競馬場で行われた2歳新馬でデビュー勝ちを決めたブラストウェーブだった。この勝利でついに「函館51連敗」に終止符を打つことに成功した。

 有馬記念(G1)を制したブラストワンピースを兄に持つ良血ということもあり、最終的なオッズは単勝1.3倍の断然人気。兄の背中を知る池添謙一騎手でも横山武騎手でもなく横山和騎手が鞍上に抜擢されたということは、それだけ関係者の評価も上がっているという証だろう。

 おそらく相当なプレッシャーがあったはずだが、レースでは2番手につけて直線で早めに抜け出し後続を封じ込めた。内容的には2着にクビ差の辛勝だったものの、鞍上にとっては連敗脱出の価値ある1勝だったに違いない。

 G1で輝きを放った舞台裏で負の連鎖を断ち切れないでいた横山和騎手だが、連敗も止めここから流れを変えたいところ。下半期の巻き返しに期待したい。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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