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夏競馬だからこそ「腕を問われる」1番人気の取り扱い

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 7月に入って夏競馬も真っ盛り、これからますます面白くなってくる頃合いだ。

 ところで馬券の調子はいかがだろうか。夏競馬がどこからスタートしているかの定義は曖昧だが、仮にサマーシリーズの開幕戦が組まれた日程からとすると、今年は6月12日の函館スプリントS(G3)からスタートで、終わりは9月11日のセントウルS(G2)と京成杯AH(G3)となる。

 この間、サマーシリーズに含まれないレースも含めて重賞は実に28に上る。先週の時点で11レースがすでに終了しているわけだが、重賞で1番人気はわずか1勝しかしていないのだ。これに気がついた方は馬券購入もデータ派の人間なのだろう。

 この期間内には宝塚記念(G1)も含まれており、タイトルホルダーが圧勝したじゃないか、と思われる方も多いと思うが、この時の1番人気はエフフォーリアでタイトルホルダーは2番人気だった。今年上半期のG1レースのすべてで1番人気が敗れたのは記憶に新しいと思う。12レースあったG1のうち、1番人気が連対したのは天皇賞・春(G1)のディープボンドだけ、3着まで広げても皐月賞(G1)のドウデュースのみという惨憺たる結果だった。

 春のG1シリーズから続いた夏競馬の重賞でも似たようなことが起きているというわけだ。

 ここまで11レースのうち、1番人気が勝ったのはサマースプリント初戦の函館スプリントSだけ。ここは実績上位かつ軽ハンデのナムラクレアが3番手から楽に抜け出して完勝したが、続く10レースはすべて1番人気が敗れている。もっとも、春のG1シリーズほどひどい有様ではなく、マーメイドS(G3)とCBC賞(G3)では3着、七夕賞(G3)と函館記念(G3)では2着と4レースで馬券に絡む健闘はしている。

 振り返ると当サイトに掲載の記事でも冬場に「重賞1番人気が負け続けている」という内容が上がっており、この時は17連敗までの話で締められているが、これは昨年末のホープフルS(G1)からの総数。この記事から実際にはさらに上乗せされて2月20日のフェブラリーS(G1)の裏開催だった小倉大賞典(G3)で連敗がやっと止まるがここまでで19連敗していた。

 このあと、春のトライアルレースなどでは1番人気が息を吹き返したように見えたが、日本ダービー(G1)はやはり1番人気が負け、さらに同日開催の目黒記念(G2)でも負けて再び連敗が始まり、上記の函館スプリントSで一旦止まるも再び負け続けている、というのが今シーズンの流れだ。

 なぜこれほどまでに1番人気が負け続けるのか。もちろん、いくつもの要因が重なった結果と言えるのだが、ひとつには出走各馬の実力が見た目の人気よりも拮抗していて、ちょっとしたレースのアヤで簡単に覆ってしまっていることが考えられる。逆に言うと、こと春開催のG1前哨戦で1番人気が勝利を収めているケースが目立つのは、その1番人気が真に実力が抜けていて人気に違わぬ走りをした結果と言える。

 次に夏競馬限定で理由を考えるのであれば、難解なハンデ戦が多いことが挙げられる。夏競馬の重賞全28戦から見れば一部だが、それでもうち10戦はハンデ戦となっている。ハンデ差とその馬のポテンシャルや状態の兼ね合いがあるので、軽ハンデが必ず有利とも言えず、逆に重いハンデの馬の実力がトップかと言われるとそうとも言い切れない側面があるので、ここに紛れが出ているわけだ。

 あと、この夏競馬期間中には出走馬の実力を測りきれない2歳重賞が4鞍組まれているほか、3歳限定重賞や牝馬戦なども含まれている。2歳重賞はすでに函館2歳S(G3)が終了しているが、例によって1番人気は8着と大きく負けている。3歳限定重賞や牝馬戦は馬の状態やポテンシャルを見定めにくいので、荒れる傾向が強い。

 1番人気とは所詮馬券を買ったユーザーが作り出すもの。時に馬のポテンシャルと関係なく人気に祭り上げられることも少なくない。そして、この夏開催はおそらくまだまだ1番人気が飛ぶケースが続くだろう。馬券で勝つためには、人気に惑わされず出走各馬の実力の比較をはじめ、天候や馬場状態など多角的に検討する必要がある。例年以上に今年は馬券購入に「情報」が鍵を握ることになるはずだ。心してかかっていきたい。

(文=トーラス神田)

<著者プロフィール>
 オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。

 

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