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武豊、菊花賞の「秘密兵器」が阿寒湖特別に登場

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武豊騎手

 6月頭から始まった北海道シリーズも、早いもので後半戦。舞台が函館から札幌へと移って2週目となる今週末には牝馬限定重賞・クイーンS(G3)が行われる。今年のクイーンSの最大の注目はやはり武豊騎手のウォーターナビレラだろう。今回は牝馬三冠の最後の一冠である秋華賞(G1)制覇に向けての始動戦ということもあり、その走りに大きな期待が寄せられている。

菊花賞の「秘密兵器」が阿寒湖特別に登場

 一方で今週末の札幌にはウォーターナビレラの他にもう1頭、秋の“最後の一冠”に向けて武騎手を背に戦う馬が存在する。土曜の10R・阿寒湖特別(2勝クラス)に出走するシェルビーズアイ(牡3歳、栗東・武英智厩舎)である。

 シェルビーズアイは12月という早くはない時期のデビューではあったが、新馬戦では武騎手を背に勝利。この新馬戦ではデビュー以前からPOG等で注目を集めていた良血馬・レッドモンレーヴを下したこともあり、この勝利で手応えを得た陣営は次走にホープフルS(G1)を選択している。

 G1の大舞台へ出走するにあたっては、新馬戦で手綱を取った武騎手の継続騎乗が望まれるところ。だが昨年の2歳戦において武騎手は非常に多くの馬を勝ち上がりに導いており、その数は牡馬だけでも17頭にのぼっていた。その中にはドウデュース、アスクワイルドモアなど後に重賞戦線で活躍する馬も多数おり、武騎手はクラシックロードへ向けて引く手数多といった状態であった。

 結局のところホープフルSで武騎手は、既に札幌2歳S(G3)で2着という重賞実績のあったアスクワイルドモアを選択。シェルビーズアイは武騎手が勝ち上がりに導いた数多くの馬の1頭に過ぎず、まして12月初頭という暮れの大舞台を目指すにはギリギリの時期の勝ち上がり。武騎手が騎乗するのは難しい状況だった。

 こうした経緯もあってシェルビーズアイは松田大作騎手と新コンビを結成しホープフルSへ出走すると、13番人気で8着とまずまずの善戦をみせる。その後も松田騎手を背にクラシックの舞台を目指してきさらぎ賞(G3)、すみれS(L)と転戦するも2戦共に惨敗し賞金加算に失敗。大舞台へと駒を進めることは叶わなかった。

 シェルビーズアイはその後、自己条件に戻り1勝クラスを勝利。距離延長によってポテンシャルが開花しつつあり、今週末のレースで約8か月ぶりに武騎手を鞍上に迎えることとなった。

 当然ながら今回の武騎手の騎乗は、後の菊花賞(G1)を見据えたものだと考えられる。武騎手は共にクラシックロードを歩んだドウデュースが凱旋門賞(G1)に挑戦するため、現時点で菊花賞の騎乗馬は定まっていない。ここでシェルビーズアイが3勝目を挙げることができれば収得賞金の面でも菊花賞への出走が現実的になるだけに、武騎手と共に“最後の一冠”を目指すことが叶うかもしれない。

 今年の菊花賞は先述のドウデュースに加えイクイノックス、ジオグリフといった春のクラシック戦線における主役級の存在が軒並み出走しない見通しであり、夏の上がり馬にも十分にチャンスがある状況だ。長距離のレースへの高い適性を示しているシェルビーズアイであれば好勝負を狙える可能性はあるだろう。

 暮れの大舞台では武騎手に“選ばれなかった”シェルビーズアイが再び目指すレジェンドとの大舞台。最後の一冠を狙うためにも、まずは今週末の阿寒湖特別を無事に突破してもらいたい。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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