【北九州記念(G3)展望】「絶好調」今村聖奈VS元相棒テイエムスパーダ!? 夏の新短距離王へナムラクレア×浜中俊が登場!
21日、小倉競馬場では荒れるハンデ重賞、北九州記念(G3)が行われる。過去10年で、1番人気馬は未勝利の一方、5番人気以下の馬が8勝している。昨年も5番人気の伏兵ヨカヨカが優勝。今年も波乱含みのメンバー構成となりそうだ。
そんな中、中心となるのは、ナムラクレア(牝3歳、栗東・長谷川浩大厩舎)か。
昨夏の新潟でデビューし、初戦は3着に敗れたが、2戦目のフェニックス賞(OP)を快勝。さらに小倉2歳S(G3)を勝って、重賞初制覇を飾った。秋はファンタジーS(G3)でウォーターナビレラの2着に入り、続く阪神JF(G1)で5着と掲示板を確保している。
今年になってからはフィリーズレビュー(G2)2着、桜花賞(G1)でも3着と、世代上位の実力を如何なく発揮。その後はスプリント路線に舵を切り、函館スプリントS(G3)で古馬牡馬に挑戦し、50kgの軽量も手伝って、見事1番人気に応える重賞2勝目を挙げた。
デビューから8戦すべて5着以内を確保しているようにとにかく崩れない安定株で、特に小倉では2戦2勝と好相性。秋の大目標に掲げるスプリンターズS(G1)に向けて、すでに賞金は加算済み。鞍上・浜中俊騎手は大一番を見据えて、どんな騎乗を見せてくれるか。
ナムラクレアと同じく重賞2勝の実績を誇るタイセイビジョン(牡5歳、栗東・西村真幸厩舎)も主役候補の1頭だろう。
これまで京王杯2歳S(G2)とアーリントンC(G3)を勝利。他にも朝日杯FS(G1)でサリオスの2着などがある。NHKマイルC(G1)でも2番人気に支持されるなど、世代屈指のマイラーである。
3歳春のアーリントンCを最後に2年以上勝利から遠ざかっているが、いつ勝ってもおかしくない実力の持ち主。前走のCBC賞(G3)は日本レコードが飛び出した超高速馬場をテイエムスパーダが逃げ切ったが、この馬は後方追走から直線内をすくって2着を確保した。
川田将雅騎手は「勝ち馬とは9kgの斤量差がありましたけど」とコメントしたように、勝ち馬とは決定的な斤量差と前が止まらない馬場の差も大きかった。脚質的に展開待ちのところがあるのは否めないが、ここでも実力は最上位の1頭だ。
昨年1番人気に支持されたジャンダルム(牡7歳、栗東・池江泰寿厩舎)は、5年前のホープフルS(G1)2着馬でもある。
日本ダービー(G1)までは牡馬クラシック路線を歩み、3歳秋にマイル路線に転向。さらに昨年からはスプリント路線に切り替え、これまで重賞2勝、リステッド競走3勝を挙げている。
4年4か月ぶりの重賞勝利を飾ったのが2走前のオーシャンS(G3)だった。好位追走から早めに抜け出すと、逃げたビアンフェを交わし、外からナランフレグの追撃をしのいだ。
続く高松宮記念(G1)は11着に敗れたが、戦歴から右回りの方がベターか。スプリンターズSを目標に、まずは昨年1番人気を裏切った因縁のレースで結果を残したい。
鞍上はオーシャンSで重賞初制覇を遂げた荻野極騎手。もともとゲートに課題があったジャンダルムだが、荻野極騎手が課題解消の一助になったと言われている。春に続いて前哨戦を勝利してG1へと進みたい。
ファストフォース(牡6歳、栗東・西村真幸厩舎)は昨年のCBC賞覇者。続く北九州記念でも2着したが、今年はCBC賞で12着とかなり苦しい臨戦過程で迎える。前走に続き松山弘平騎手とのコンビで復活の勝利を目指す。
格上挑戦で臨んだ前走・CBC賞を48kgで逃げ切ったテイエムスパーダ(牝3歳、栗東・五十嵐忠男厩舎)。鞍上を務めた今村聖奈騎手は一躍時の人となった。
主戦の国分恭介騎手に手が戻り、重賞ウイナーとなった今回は斤量もある程度背負うことになるだろう。この一戦が秋に向けた試金石となる。
テイエムスパーダが逃げ切ったCBC賞で49kgを背負って3着に好走したのがアネゴハダ(牝3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)だった。こちらは引き続き軽量が見込まれる分、思い切った競馬を見せたいところだ。
もはや重賞の常連となりつつある今村騎手はカフジテトラゴン(牝3歳、栗東・武英智厩舎)と初コンビを結成する。まだ1勝クラスを勝利したばかりの条件馬だが、想定段階では陣営の狙い通り出走枠に空きが出る予定だ。4月の桜花賞では逃げて0秒8差の12着。軽ハンデになるのは間違いなく、軽量を存分に生かせればアッと言わせる可能性もある。
今年も3歳馬が存在感を見せるのか、それとも古馬牡馬が意地を見せるのか。注目の北九州記念は21日、15時25分に発走予定だ。
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