C.ルメールやD.レーンも絶賛した「遅れてきた大器」が3連勝!グレートマジシャン、ドゥラドーレス厩舎に「看板候補」の新星現る
厩舎の新しい「顔」となるような大物候補が誕生したのかもしれない。
11日、中山競馬場で行われた9Rの白井特別(2勝クラス)は、戸崎圭太騎手の1番人気エピファニー(牡3、美浦・宮田敬介厩舎)が優勝。伯母に牝馬2冠のミッキークイーンを持つ良血が、未勝利、1勝クラスに続く3連勝を決めた。
「折り合いだけと思っていましたが、リズム良く運べました」
9頭立て芝1800mのレースで好スタートを切ったエピファニーは、道中で外目の4番手を追走。鞍上が心配していた折り合い面もセーブが利き、スローペースのなか終始好位を保ちながら、唸るような手応えで最後の直線に入る。
そこから鞍上が軽く促し先頭に立つと、一気に加速して後続を突き放す伸び脚を披露。中山最後の急坂を力強く駆け上がり、2着ミトロジーに2馬身半差をつけた。
「前走から4か月の休み明けに加え昇級初戦という状況でしたが、ここでは力が違いましたね。勝ち時計こそ派手さはないものの、最後は鞍上が流す余裕すらありましたし、完勝といえる内容でした。
レース後には2着に敗れたミトロジーの三浦皇成騎手や3着のゴーゴーユタカに騎乗していた横山武史騎手も『勝った馬が強かった』と揃ってエピファニーを称賛していましたから、その実力は本物といえるでしょう。
未勝利勝ち以来のコンビとなった戸崎騎手も『馬が良くなっていた』と成長を感じているようでしたし、ますます今後が楽しみになりましたよ」(競馬誌ライター)
過去にはC.ルメール騎手やD.レーン騎手も絶賛
デビューから勝ち上がりに3戦を要したものの、新馬戦ではのちのフェアリーS(G3)の覇者であり、先週の紫苑S(G3)で3着したライラックに迫る2着に入ったエピファニー。敗れたとはいえ、上がり最速の脚で追い上げた内容には目を見張るものがあり、当時騎乗したC.ルメール騎手も「最後はすごく良い脚を使いました。能力があります」と高評価していた逸材だ。
また5月に1勝クラスを勝った際には、手綱を取ったD.レーン騎手が「ナイスホース」と絶賛していたことからも、スケールの大きさを感じさせる。未勝利勝ちから3連勝した経緯を見ると、ひと夏を越して一気に素質が開花した印象に映る。
そして同馬を管理する宮田厩舎にとっても、この本格化は喜ばしい限りだろう。
現3歳世代では、デビューから2連勝でセントポーリア賞(3歳1勝クラス)を圧勝したドゥラドーレスがダービー馬候補として大きな注目を浴びたが、重賞初挑戦となった毎日杯(G3)で3着に敗れ、春のクラシックを断念。先月の札幌で2勝クラスを勝ち上がったとはいえ、まだ当時のファンの期待感とは程遠い活躍に過ぎない。
また、NHKマイルC(G1)で2番人気に支持されたインダストリアも5着に敗れ、G1制覇に届かず……。その後、ダートのユニコーンS(G3)に挑戦したが13着と大敗するなど、G1級と期待された管理馬たちの不発が続いている。
さらに古馬勢においても、昨年の日本ダービー(G1)でシャフリヤールやエフフォーリアを相手に4着に好走したグレートマジシャンが、1年2か月ぶりに復帰した7月の関越S(OP)で故障し、予後不良となる不幸もあった。
そんな最中、エピファニーの本格化は厩舎にとって新たな希望となるに違いない。「遅れてきた大器」が、来年には宮田厩舎の看板となるような活躍をみせるかもしれない。
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