【シリウスS(G3)展望】ダート「8戦6勝」マルシュロレーヌ弟がついに本格化!? “玉突き乗り替わり”3歳馬2頭にも要注意
10月1日、中京競馬場ではダート1900mを舞台にシリウスS(G3)が行われる。ここをステップにチャンピオンズC(12月4日)やJBCクラシック(11月3日)など秋のダートG1に向かう馬も多く、見逃し厳禁の一戦だ。
主役を担うのは、ダートでは通算8戦6勝の好成績を残すマルシュロレーヌの半弟、バーデンヴァイラー(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だろう。
4連勝を狙った2走前のアンタレスS(G3)ではまさかのブービー負けを喫したが、この時は前走比14kg減で、過去最低馬体重の影響もあったはず。
その後は一息入れられ、盛岡のマーキュリーC(G3)で3か月ぶりに実戦復帰。この時はアンタレスSから12kg増え、立て直した効果もあり、重賞初制覇を飾った。
逃げもしくは番手からの競馬がほとんどだったバーデンヴァイラー。この日は中団前目の5番手あたりを追走し、4角でも向正面で捲っていったテリオスベルの4馬身後方に位置していた。本領を発揮したのは直線に入ってから。直線半ばで並びかけると、最後はグイッとひと伸び。ゴール前でテリオスベルをクビ差交わした。
控える競馬で最高の結果を残し、本格化を印象付けたバーデンヴァイラー。福永祐一騎手も常々その素質を高く評価しており、引き続きG3なら最有力候補と呼んでいいだろう。
対抗格として名前が挙がるのは昨年の当レース覇者、サンライズホープ(牡5歳、栗東・羽月友彦厩舎)だ。
この馬も先行力を武器に、昨年は灘S(3勝クラス)、三宮S(OP)を連勝。続くプロキオンS(G3)は1番人気を裏切って6着に敗れたが、1年前の当レースで巻き返しに成功した。
その後はチャンピオンズC(G1)15着、東海S(G2)4着、フェブラリーS(G1)12着、そして前走の平安S(G3)は7着とやや低迷しているが、浮き彫りになっているのは精神面の課題だ。
前走は久々にハナを切る競馬できっかけをつかみたかったが、「(後続に)交わされてから諦めてしまいました」と、幸英明騎手が話したように走る気をなくしたことが敗因。とにかく自分の形で競馬ができるかどうかが重要となる。
4か月半の休養がいい方向にいけば、レース史上初の連覇も十分可能だろう。
勢いなら前走小倉1700mで行われたプロキオンSを制したゲンパチルシファー(牡6歳、栗東・佐々木晶三厩舎)の方が上。
4歳から5歳にかけて2年近くも3勝クラスにとどまっていたが、1年前にオープン入りを果たすと、いきなり2100mのブラジルC(L)で2着に好走。その後は9ハロン戦で凡走が続いたが、再び2100mに距離を延ばした2走前のスレイプニルS(OP)で3着に入った。
そして前走プロキオンSはやや距離不足とみられたが、川田将雅騎手が早めに仕掛けて見事に勝利を収めた。前走から1ハロン延びる今回の舞台は3勝クラスを突破したときと同じ条件で、重賞2連勝の大チャンスを迎える。
前走手綱を取った川田騎手は凱旋門賞(G1)に騎乗するため、今回は藤岡佑介騎手が1年半ぶりにゲンパチルシファーに騎乗する。
切れ味鋭い末脚が魅力の3歳馬2頭が古馬に挑む。
デビューから無傷の3連勝を飾り、7月のジャパンダートダービー(G1)では2番人気に支持されたハピ(牡3歳、栗東・大久保龍志厩舎)。初G1は後方から差し届かずの4着に敗れたが、最後までしっかり伸びており、負けて強しといえる内容だった。
続くレパードS(G3)も3着に敗れたが、勝ったカフジオクタゴンとは0秒1差。最後の直線で外々へ膨れていったのが痛かった。
鞍上はデビュー2戦目から主戦を務めていた藤岡佑騎手から横山典弘騎手へ乗り替わる。大ベテランを背に2戦2勝の中京で巻き返しはあるか。
その横山典騎手が主戦を務めていたハセドン(牡3歳、栗東・安田翔伍厩舎)は、玉突き的にテン乗りの鮫島克駿騎手に乗り替わる予定だ。
前走・ユニコーンS(G3)は末脚不発に終わったが、その爆発力は世代では上位。今年は騎手リーディングトップ10入りも狙える25歳の若手が末脚をうまく引き出せるかにも注目したい。
中京で重賞を2勝しているオーヴェルニュ(牡6歳、栗東・西村真幸厩舎)は、近3走が6着以下とさっぱり。2度目コンビの団野大成騎手の力を借りて浮上のきっかけをつかみたい。
この他には、2年前の当レースを7番人気2着、前走・プロキオンSを12番人気3着など人気薄の時は要注意のサクラアリュール(牡7歳、栗東・村山明厩舎)、2走前にダート路線に転向後、リステッドクラスで2着、1着と好走しているジュンライトボルト(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)なども出走を予定している。
秋のダートG1へ向けて、勝利を飾るのはどの馬になるのか。注目のシリウスSは10月1日、15時35分に発走予定だ。
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