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C.ルメール「ダービー予約」からポイ捨て、今年の超大物はどこまで信用できるか

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C.ルメール騎手

 8日、東京競馬場で行われるサウジアラビアRC(G3)は、これまで複数のG1馬を輩出している名馬の登竜門的な位置づけとなるレースだ。

 前身のいちょうS時代にはエアグルーヴ、メジロドーベル、イスラボニータ。重賞のサウジアラビアRCに格上げされてからもダノンプレミアム、グランアレグリア、サリオスがG1を勝利した。

 そして今年もG1級の期待を背負っているのが、C.ルメール騎手とのコンビで出走を予定しているノッキングポイント(牡2、美浦・木村哲也厩舎)である。

 6月にデビュー戦を勝利で飾った東京のマイル戦では、スローペースを味方に逃げ粘った2着馬を並ぶ間もなく抜き去って3馬身差の大楽勝。それもラスト3F11秒4-11秒2-11秒1と続いた加速ラップを33秒2の切れ味で突き抜ける圧巻の内容だった。

デビュー戦で負かした馬たちも次々に勝ち上がり

「良い勉強ができました。良いスタートを切って、道中は我慢ができて、だんだんペースアップしてゴールまで伸びてくれました。能力がありそうです」

 レースをそう振り返ったルメール騎手だが、余裕のあるコメントの内容からは、パートナーに対する評価の高さが伝わってくる。

 これを証明するかのように、デビュー戦で負かした馬たちも次々に勝ち上がっていることも、ノッキングポイントの強さの裏付けとなるだろう。

 2着オールパルフェが次走の未勝利戦を楽勝。3着バロックダンスは次走の未勝利戦をハナ差の2着に敗れたものの、3着馬を5馬身置き去り。勝ち馬キタウイングはその後、新潟2歳S(G3)を制した実力馬だった。

 また、4着エゾダイモンや5着ロードスパイラルも、既に勝ち上がっていることを考えれば、決して楽な相手ではなかったはずだ。これらを全く問題にしなかったノッキングポイントの評価が、相対的に上がったのも当然の流れといえる。

 その一方で、ルメール騎手には昨年もクラシックの大本命といわれた大物候補とコンビを組んだ過去もあった。

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コマンドライン

 それが昨年のサウジアラビアRCを優勝したコマンドラインだ。デビュー前から評価の高かった本馬への期待は、管理する国枝栄調教師も日本ダービー(G1)を意識したほど。主戦を任されたルメール騎手も「ダービーを予約しておきます」と答えたように、満更でもなかった。

 しかし、デビューから2連勝でサウジアラビアRCを制したまでは、前評判に違わぬ走りを見せたものの、1番人気に支持された昨年のホープフルS(G1)を12着に敗れると、これを最後にコンビはあっさり解消する。

 結果的にルメール騎手から“ポイ捨て”された挙句、ダービー出走を叶えたものの、川田将雅騎手と新コンビを結成した交流重賞の ジャパンダートダービー(G1)というオチまでついた。

 だからといって、まだサウジアラビアRCを勝ってもいないノッキングポイントに、コマンドラインの“悲劇”を重ねるのも無理がある。懸念があるとすれば、昨年コマンドラインが制したデビュー戦で敗れた組も、その後に勝ち上がった馬が複数いたように、レベルが低かった訳ではなかったことか。

 血統的に中距離もこなせるモーリス産駒で、母がオークス2着チェッキーノのノッキングポイントだけに、ここでも楽勝するようならクラシックも視野に入ってくる。今年の超大物候補は、どこまで期待に応えてくれるだろうか。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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