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日本競馬もかつては外国馬のドル箱? 毎日王冠(G2)でG1馬が敗れた時代も

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 9日の東京競馬場では、天皇賞・秋(G1)やマイルCS(G1)を占う注目の前哨戦、毎日王冠(G2)が開催される。

 G1級の一流馬が好勝負を繰り広げることも珍しくないレースだ。登録こそ10頭と少ないながら、G1馬が4頭そろい踏みする今年も、好レースが期待出来そうだ。

 73回を数える伝統と格式のあるレースだけに、1998年のサイレンススズカ・エルコンドルパサー・グラスワンダーの3強がしのぎを削った競馬史に残る名勝負をはじめ、数々の好レースが繰り広げられてきた。

 だが、そんなレースで外国馬が参戦し、勝利を飾った歴史があるのをご存じだろうか。

日本競馬もかつては外国馬のドル箱?

 JRAが最初に外国馬に門戸を開いたのは言うまでもなく81年のジャパンC(G1)創設からだ。このジャパンCが国際G1に指定されたのが92年。さらにいくつかの重賞が国際指定競走として頭数の上限はあったが、外国馬に門戸が開かれ、JRA所属馬以外の馬でも出走することが可能となった。

 毎日王冠は96年から国際指定競走として開催されることとなったが、この96年に1頭だけ外国馬が参戦した。アヌスミラビリスという4歳牡馬で、馬主はこの2年前に創設されたばかりのシェイク・モハメド殿下率いるゴドルフィン。今でこそゴドルフィン名義でJRA登録のオーナーブリーダーとしてG1馬も輩出しているが、当時はヨーロッパを席巻するアラブの新興馬主という感じであった。

 このアヌスミラビリスはイギリスでデビューし、2歳時にレーシングポストT(G1)で2着に入ったのち、3歳になってセントジェームズパレスS(G1)で5着、愛ダービー(G1)と英インターナショナルS(G1)でそれぞれ3着とハイレベルなG1で好走をしていた。

 4歳になってキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)で5着したあと、ウインターヒルS(G3)に出走し、初の重賞制覇を飾った。日本にもよくいる「勝ちきれない馬」の1頭だったようだが、この重賞制覇の後に選ばれたのが96年の毎日王冠だったわけだ。

 この年の毎日王冠は12頭が出走。1番人気はG1に昇格し衣替えした第1回NHKマイルC(G1)をオグリキャップが樹立したコースレコードとコンマ2秒しか違わないレースレコードをいきなり樹立して勝利したタイキフォーチュンだった。

 続く2番人気はスプリングS(G2)を勝利したあと、骨折が判明して春のクラシックを棒に振った朝日杯3歳S(現朝日杯FS・G1)馬バブルガムフェロー。以下ユウセンショウ、マイヨジョンヌ、ベストタイアップと古馬陣が続き、アヌスミラビリスは6番人気の低評価。ファンも欧州G1の好走だけで勝てるとまでは、思っていなかったのだろう。

 レースはトーヨーリファールが逃げる展開で、アヌスミラビリスとスガノオージが前を見る形で追走。1000m59秒1とやや速いラップで直線に入るとトーヨーリファールが逃げ粘る。これをアヌスミラビリスが交わして先頭に立ち、その後ろからバブルガムフェローが追い込むも届かないままゴール。タイキフォーチュンはいいところなく8着に敗れ、枠連・馬連ともに万馬券となる波乱となった。

 多くのファンはヨーロッパから来た一流とも言えない見ず知らずの馬にこうもあっさり日本の一線級が負けるとは思っていなかったであろう。だが、この当時はまだ外国馬が来日してあっさり勝利をさらっていくことは珍しいことではなかった。

 実際、96年のジャパンCはその年の凱旋門賞馬を含む6頭の外国馬が参戦し、勝ったのはアヌスミラビリスと同じく一線級とは言えなかったアイルランドのシングスピール。日本馬で上位に入ったのは秋華賞(G1)を制したファビラスラフインだけで、掲示板にはずらりと外国馬の馬番が並んだ。タイキフォーチュンやバブルガムフェローも参戦していたが、それぞれ6着、13着と惨敗している。

 2000年代に入っても外国馬が勝利をもぎ取っていくことはあった。2000年と06年の安田記念(G1)、05年と06年と10年のスプリンターズS(G1)や10年と11年を連覇されたエリザベス女王杯(G1)などがある。

 特にエリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリーの強さを記憶しているファンも多いのではないだろうか。この馬に歯が立たなかった3冠牝馬アパパネは、2年連続でエリザベス女王杯の戴冠を阻まれている。

 だが、このあたりから、ジャパンC以外で外国馬が日本の重賞に参戦することは途絶えてしまった。ジャパンC自体も05年のアルカセットを最後に外国馬の勝利はない。

 日本馬が凱旋門賞(G1)に参戦し年々順位を下げているのと根は同じ理由で、日本の競馬場の馬場と海外の馬場の質の乖離が進んできたからであろう。2000年代以降東京、中山、阪神で馬場改修工事が施されており、実際に走破タイムや上がり3ハロンが以前より速くなっていることがデータで示されている。

 海外馬が日本へ遠征しなくなったのは、馬場の高速化が顕著な日本へわざわざコストをかけて遠征する意味がなくなったということだろう。以前は海外に比べて日本のレースは高額な賞金であることがウリになっていたが、これも海外で高額賞金を誇るレースが増えてきて、日本を選ぶ意味がなくなってしまった。

 裏を返せば、スピード競馬に対応しないと勝てなくなった日本馬も、海外の重い馬場に苦戦しているともいえる。これは先日の凱旋門賞でも思い知らされたばかりだ。

 スポット参戦の外国馬は馬券を検討する上では悩ましい存在になるが、レースで何が起こるかわからないという不確定要素が楽しみな側面もある。

 以前のように外国馬が日本競馬に波風を立てるようなことは、年々見られなくなってきているが、それはそれでお互い様という残念な事情もあるのだろう。

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