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C.ルメール「自信ある」VS川田将雅「春とは違う」絶対に譲れない対決と血のドラマ

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スターズオンアース 撮影:Ruriko.I

 16日、昨年に続き今年も阪神芝2000mを舞台に争われる秋華賞(G1)は、春二冠を制したスターズオンアース(牝3、美浦・高柳瑞樹厩舎)が主役を務める。

 女王の三冠阻止を目論むライバルたちも虎視眈々。中でも絶対にラスト一冠を譲りたくないのは、川田将雅騎手が騎乗を予定しているアートハウス(牝3、栗東・中内田充正厩舎)だろう。

 忘れな草賞(L)の圧勝を買われ、2番人気に支持されたオークス(G1)では、川田騎手が「走りのバランスが保てずに崩れてしまいました」と振り返ったように、力を発揮できないまま7着に敗れてしまった。

 だが、秋初戦のローズS(G2)を完勝したことにより、これには川田騎手も「本番はさらに良い状態でいける感触を持ちました」と反撃の手応えも十分。春の雪辱を果たしたいところだ。

 その一方でスターズオンアースとアートハウスの2頭には、それぞれの手綱を取る騎手同士の因縁もある。そもそもスターズオンアースが一冠目を獲得した桜花賞(G1)で本馬に騎乗していたのは、他でもない川田騎手だった。

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アートハウス

 クラシック一冠目を制した騎手が、アクシデントもなく二冠目で乗り替わったケースは極めて稀だ。だが、川田騎手が桜花賞馬を諦めてまでアートハウスとのコンビ続行を選択したのは、同馬の母であるパールコードへの思い入れの強さと本人も認めている。

 若手の有望株からトップジョッキーの1人へステップアップしつつあった当時の川田騎手が、公私ともに昵懇の仲である中内田調教師の記念すべき初G1出走となったのが、パールコードに騎乗した2016年の秋華賞だ。

 ヴィブロスから1/2馬身差の2着に敗れたレースを「直線では夢を見ました」とコメントしたが、内心は穏やかではなかったのだろう。日本を代表する騎手の1人にまで成長した今なら、パールコードを勝たせることが出来たのではないかという後悔の念が、強くなっていたとしても不思議ではない。

 それだけに、娘であるアートハウスがG1を狙えるだけの逸材なら、過去の自分に決別するまたとないチャンスと考えたことも理解ができる。

 対するルメール騎手は、どちらかというと“美味しいところだけを持っていった”という印象も拭えないオークス制覇でもあった。

 川田騎手から棚ぼた的な形で回って来たチャンスをモノにした手腕はさすがだが、スターズオンアースは自身のJRA重賞29連敗をストップしてくれる救世主ともなった。これには本人もラッキーだったと感じたに違いない。

絶対に譲れない対決と血のドラマ

 とはいえ、これを単なる偶然という一言で片づけてしまうにはまだ早い。ルメール騎手にとっても、スターズオンアースの祖母スタセリタは、現役時代に自身が仏オークス優勝に導いた縁がある相手なのだ。

 そのスタセリタの仔であるソウルスターリングもまた、2016年の阪神ジュベナイルフィリーズや2017年のオークス勝利の喜びを分かち合った仲。祖母、娘、孫の3代に渡ってG1勝利をエスコートしていることになるルメール騎手が、スターズオンアースとの出会いを喜ばない理由はないはずだ。

 14日に確定した秋華賞の枠順では、奇しくも5枠9番にスターズオンアース、5枠10番にアートハウスと隣同士に入った2頭。甲乙つけがたいパートナーへの思い入れ対決の行方は、どのような結末が待っているだろうか。

黒井零

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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