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C.ルメールから始まった1番人気連敗の“呪い”…秋華賞スターズオンアースで自ら回収へ?

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スターズオンアース

 16日、牝馬三冠の最終戦である秋華賞(G1)が阪神競馬場で行われる。

 最大の焦点は何といっても史上7頭目の三冠牝馬が誕生するかどうかだろう。スポットライトを浴びるのは、もちろん桜花賞(G1)とオークス(G1)を制した二冠牝馬のスターズオンアース(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)である。

 春先まではもたれ癖などもあって5戦1勝と勝ちあぐねていたスターズオンアースだが、7番人気で臨んだ桜花賞で狭いところをこじ開ける勝負根性を発揮すると、くすぶっていた才能が一気に開花。オークスでは3番人気にとどまったが、大外枠の不利をはねのけ、文句なしの頂点へと駆け上がった。

 いずれも強い勝ち方を見せたスターズオンアースだが、三冠達成に向けて不安要素がないわけではない。C.ルメール騎手との初コンビで制したオークス後に両前脚の剥離骨折が判明し、ぶっつけ本番のローテーションは決して歓迎材料とはいえないだろう。そしてもう一つ、スターズオンアースにはあるものが立ちはだかる。

 それがG1の1番人気馬にかけられた“呪い”である。

 競馬界で呪いといえば、お笑い芸人・霜降り明星の粗品の呪いが有名。本命に推した馬がことごとく敗れる様は、競馬ファンの間でもすっかり定着した感がある。しかし、6月の安田記念(G1)では本命のソングラインが勝利するなど、何度か粗品の呪いは解かれている。

JRAの平地G1 1番人気連敗の“呪い”…

 ところが、もう一つの“呪い”は10か月近くにわたって継続中だ。

 JRAの平地G1を改めて振り返ると、昨年暮れの有馬記念(G1)を制したエフフォーリアを最後に1番人気に支持された馬は一度も勝っていない。

 連敗が始まったのは有馬記念の2日後に行われたホープフルS(G1)だった。単勝2.9倍に支持されたコマンドラインは、スタートで大きく遅れて、見せ場すらつくれないまま12着に大敗。ここから1番人気馬は長い連敗地獄に突入した。

 今年最初のG1、フェブラリーSでレッドルゼルが6着に敗退すると、桜花賞のナミュール(10着)までは掲示板にすら載れず。皐月賞(G1)でドウデュースが3着、天皇賞・春(G1)でディープボンドが2着に入り、流れは変わったかに思えたが、NHKマイルC(G1)でセリフォスが4着に敗れて以降はスプリンターズS(G1)のメイケイエールまで7レース連続で馬券圏外に沈んでいる。

 昨年のホープフルSからスプリンターズSまで1番人気馬の成績は「0-1-1-12」。本命党のファンには辛く長い10か月となっている。

 そして迎える秋華賞はスターズオンアースが1番人気に支持されるのは、まず間違いないだろう。春のクラシック2戦はいずれも追う立場だったが、今回は初めて追われる立場で大一番を迎える。

 そして、その鞍上がルメール騎手というのも呪いを解く絶好の機会といえるかもしれない。呪いがかかった昨年のホープフルSでコマンドラインに騎乗していたのは他でもないルメール騎手だったからだ。その後、ルメール騎手自身も極度の不振に陥り、国内では重賞すらなかなか勝てなかった。

 ルメール騎手がG1で1番人気馬に跨るのは、件のホープフルS以来。果たして10か月前にかけられた呪いを自らの手綱で解き放つことはできるだろうか。

中川大河

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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