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「門前払い」の秋華賞と「低レベル」露呈で明暗、それでも侮れない菊花賞の存在とは

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 16日に牝馬3冠の最終戦となる秋華賞(G1)が開催される。目下の注目は桜花賞(G1)・オークス(G1)の春2冠を制したスターズオンアースの3冠達成なるか、というところだが、それを阻止すべく戴冠を狙う有力馬も揃い、好レースが期待される。

 この秋華賞が終わると翌週23日には、牡馬クラシック3冠の最後を飾る菊花賞(G1)が開催され、3歳馬のG1路線が幕を閉じる。

 まだ菊花賞はおろか、秋華賞も出走馬が確定していない時期ではあるが、秋華賞は現時点で22頭の登録がある。また、菊花賞も23頭登録されており、ともに最後の1冠を虎視眈々と狙う3歳馬の多さがうかがい知れる。

 ところで、3歳G1戦で話題になるのが、出走のボーダーラインだ。古馬G1でも優先出走権を獲得できるトライアルレースは存在するが、その優先出走権をかけてトライアルに出走し、勝利をもぎとって出走に漕ぎ着けるという話はほとんど聞かない。そもそもG1に出走するような馬であれば、元より賞金を持っているケースが大半だからだ。

 これに対して、3歳G1は春シーズンだと限られた3歳限定戦の中で勝ち上がったり、重賞で2着以内に入って賞金を加算し、獲得賞金順の上位に来ないと出走が覚束ない。トライアルレースがあるのはその救済策と言ってもいいだろう。

秋華賞・菊花賞の出走ボーダーは…

 当然ながら秋華賞も菊花賞も例外ではなく、出走ボーダーが存在している。

 秋華賞はトライアルのローズS(G2)で勝ったアートハウスと3着のエグランタイン、紫苑S(G3)の上位3頭であるスタニングローズ、サウンドビバーチェ、ライラックの5頭が優先出走権を持っている(ローズS2着のサリエラは回避)。以下、獲得賞金順となるわけだが、2冠牝馬のスターズオンアースは言うまでもなく、重賞勝ち馬が上位に並び関東オークス(G2)を2着したラブパイローまでが出走可能。獲得賞金1500万円の8頭が4つの残り出走枠をかけて抽選対象となる。

 登録馬で獲得賞金最下位となるパーソナルハイとピンハイは現状除外対象となっている。前者はフローラS(G2)2着、後者はチューリップ賞(G2)2着、桜花賞5着、オークス4着の実績馬にもかかわらずだ。これほどに今年の秋華賞の出走ボーダーは上がっている。

 これに対して菊花賞はどうかというと、トライアルのセントライト記念(G2)を勝ったガイアフォースと2着のアスクビクターモア、神戸新聞杯(G2)を勝ったジャスティンパレス、2着のヤマニンゼスト、3着のボルドグフーシュの5頭(セントライト記念3着ローシャムパークは回避)までが優先出走権を獲得。だが、獲得賞金順では皐月賞馬ジオグリフ、ダービー馬ドウデュースの名前はなく、両レース2着のイクイノックスも未登録。最上位に来ているのは京都新聞杯(G2)を勝ったアスクワイルドモア、スプリングS(G2)を勝ったビーアストニッシドの2頭。

 これに続いてラジオNIKKEI賞(G3)を勝ったフェーングロッテンと青葉賞(G2)勝ちのプラダリアが位置するのだが、重賞勝ち馬はここまで。プリンシパルS(L)を勝ったセイウンハーデス、すみれS(L)を勝ったポッドボレットが1600万、2勝クラスを勝ち上がったドゥラドーレスをはじめとした4頭が収得賞金1500万で並び、ここまでが出走可能ラインとなっている。残り3つの椅子を争うのは収得賞金900万の7頭。この中でめぼしい活躍をしたのはホープフルS(G1)5着、弥生賞(G2)3着に入ったボーンディスウェイくらいだろうか。

 つまり、秋華賞は2勝クラスを勝っていても抽選対象、重賞連対馬でも除外対象となるレベルの高さなのに対して、菊花賞は1勝クラスでも抽選に通れば滑り込みの可能性があるレベルの低さだ。

 かなり前、夏競馬が始まった段階からすでに今年の菊花賞のレベルを疑問視する声も出ていたが、実際に登録が終わってみると目を覆うばかり惨状と言わざるを得ない。

 ただ毎年のように菊花賞のレベルの低さが話題に上り、菊花賞無用論や施行条件の変更を主張する声が聞こえてくるのだが、皐月賞・ダービー・菊花賞の3冠レースを勝った馬のうち、3冠レース後に活躍するのは菊花賞馬が多い事実がある。

 今年に入ってのタイトルホルダーの強さは誰もが認めるところであろうし、ワールドプレミアやフィエールマンは古馬G1を制覇、サトノダイヤモンドもその年の有馬記念(G1)を制覇、キタサンブラックの無双ぶりも特筆すべきだろう。

 競馬の格言で「皐月賞は一番速い馬が勝つ、ダービーは一番運の良い馬が勝つ、菊花賞は一番強い馬が勝つ」というのが有名だが、まさにその通りなのだ。3冠馬がなぜ強いと言われるかと言えば、3冠を制したことだけでなく菊花賞を制しているから、と言い換えてもいいだろう。

 低レベルと嘆かれている今年の菊花賞。あるいはこの中から今年の年末、あるいは来年になって無双するような強い馬が出てくることを期待したい。

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