「史上ワースト」菊花賞と秋華賞で明暗クッキリ!? 「嫌われ者」の起死回生に浮上する延命策の是非

秋のG1シリーズがいよいよ今週末のスプリンターズS(G1)で幕を開ける。その後は1週空いて、10月16日の秋華賞(G1)、そして23日の菊花賞(G1)へと続いていく。
そこでフライング気味ではあるが、今年の牡馬と牝馬それぞれの三冠目の想定メンバーと出走ボーダーラインをざっくりと展望しておきたい。
先に行われる秋華賞は2歳女王のサークルオブライフが紫苑S(G3)4着後に屈腱炎を発症し、戦線を離脱。早々とスプリント路線に舵を切った桜花賞(G1)3着馬のナムラクレアとともに不在となる。
ただしこの2頭以外は春の牝馬二冠で上位に入った馬がほぼ揃いそうだ。二冠牝馬のスターズオンアースを筆頭に、桜花賞2着馬のウォーターナビレラ、オークス(G1)2~3着馬のスタニングローズとナミュール、さらにローズS(G2)を制したアートハウスなどが再び一戦を交える。
このように春の実績馬が多数参戦するため、出走ボーダーラインはやや高め。現時点で2勝クラス勝ち、つまり収得賞金1500万円組による抽選が確実視されている。阪神芝2000mのコースはフルゲート16頭ということもあって、夏の上がり馬には狭き門となりそうだ。
「史上ワースト」菊花賞と秋華賞で明暗クッキリ!?
豪華メンバーの集結する秋華賞に比べると、やや“寒い”メンバーと言わざるを得ないのが菊花賞の方である。
神戸新聞杯(G2)を終え、重賞勝ち馬が7頭ほど出走を予定しているが、G1馬は皆無。しかも春の牡馬クラシック二冠で馬券に絡んだ4頭のうち菊花賞に向かうのはダービー3着馬のアスクビクターモアのみ。さらに皐月賞(G1)とダービーで4着に入ったダノンベルーガも天皇賞・秋(G1)への直行が濃厚で、春の脇役と夏の上がり馬が相まみえる構図となりそう。
また、菊花賞はフルゲート18頭ということもあって、ボーダーラインも低め。今週末の結果次第ではあるが、場合によっては1勝馬の出走も叶うかもしれない。まさに史上“ワーストレベル”の様相を呈している。
「思い起こせば昨年(の菊花賞)も春のクラシックホース(エフフォーリア、シャフリヤール)が不在でした。2年前もコントレイルに三冠が懸かっていなければ出走していなかったでしょう。
ただし、ここ10年ほどの菊花賞馬は、古馬になっても活躍しています。昨年のタイトルホルダー以外にもオルフェーヴル、ゴールドシップ、キタサンブラック、フィエールマンという顔触れ。むしろダービーを勝って燃え尽きてしまう馬の方が多いくらいです」(競馬誌ライター)
もちろん今年の菊花賞から昨年のタイトルホルダーのような存在が出てくる可能性もあるが、春の活躍馬が続々と回避する最大の理由はやはり3000mという距離がネックになっているからか。
かつては天皇賞制覇を目標に掲げ、多くの長距離ランナーを輩出したメジロ軍団などの存在もあったが、大種牡馬サンデーサイレンスが導入されて以降はスタミナよりもスピード、持続力よりも瞬発力を重視する風潮が高まった。マイルから中距離に対応できる馬づくりが進み、ステイヤーと呼ばれる存在は絶滅危機にある。
実際に3000m以上の条件で行われるレースは数も少なく、あっても少頭数になることが多い。今後はさらに“スピード化”が進む可能性もあり、そうなるといずれ浮上しかねないのが菊花賞の距離変更もしくは古馬開放という議論である。
距離に関しては、JRAにも前例がある。かつて牝馬三冠目のエリザベス女王杯(G1)はオークスと同じ2400mで施行されていた。秋華賞新設時に距離が2200mに短縮された過去はあるが、牡馬路線に関してはあまり現実的ではない。
一方で、海外にも多くの事例があるように三冠目の古馬開放は議論の余地がありそう。アイルランドでは1983年に3歳限定から3歳以上に、ドイツでも2007年に古馬に開放されている。ただし、両国ともそれが三冠目の質向上にはつながっていないという現実もある。
仮に菊花賞を古馬に開放すれば、“三冠馬”の重みがこれまでとは大きく変わってしまうのは間違いない。それでも“スピード化”の流れの中で、そんな議論が巻き起こっても何ら不思議はないだろう。
PICK UP
Ranking
17:30更新
C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
岩田望来「素行不良」で追放されても重賞4勝目ゲット! 減量トラブルや夜遊び発覚した「問題児」が干されなかったワケ
「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】- 横山典弘、和生、武史は「計14連敗」の鳴かず飛ばず、横山対決で分かれた明暗…「3戦無敗」の若手が川田将雅を上回る快記録
- JRA 関東リーディングのトップ5で「一家独占」が発生!? 同姓ゆえ起こったファンの思わぬ「勘違い」とは
- JRA史上最強マイラー・タイキシャトル種牡馬引退……次代は手薄もその伝説は色あせず
- 日本競馬が揺れた現役騎手による「禁止薬物」事件から8年。坂井瑠星、横山武史ら「5年連続」トップジョッキーを輩出…JRA「新ルール」が呼び込んだ若手黄金期【この日、何の日】2月12日編
- JRA四位洋文「調教師合格」武豊も祝福……「シイタケ馬券」やウオッカ伝説など功績多々
- 「宝塚記念で2億円ゲット」ミラクルおじさんは本当に存在したのか? オーナー反対も調教師が自分で出資して菊花賞挑戦…怪奇満ちるヒシミラクル伝説【競馬クロニクル 第13回】
- JRA西村淳也活躍は「今年まで」? 関係者や記者評判最悪、ノーザンはあくまで「減量目当て」抜擢で……
















