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シンボリ、メジロ…かつての名門の血を受け継ぐ希少な存在、ライスシャワーやオルフェーヴルも出走した出世レースで注目したいあの馬

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 土曜中山9Rで2歳オープンの芙蓉Sが開催される。現在は芝2000mで開催されているが、その割に近年はあまり活躍馬が出ていないレースでもある。以前、1600m戦で行われていたときはサクラチヨノオー、ライスシャワー、ドリームジャーニー、ホエールキャプチャなどが、ここを勝って後にG1を制しているほか、ホエールキャプチャの2着に入ったオルフェーヴルが後に3冠を制すなど、出世レースのひとつであった。

 今年は7頭の登録と少ないながら、注目したい1頭がシーウィザード(牡2、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。

 7月の函館1800m戦でデビューし、外枠ながら好スタートを切ってハナに立ち、そのまままんまと逃げ切ってデビュー戦勝利を飾った。続く前走は新潟2歳S(G3)で、出遅れながらも中団につける競馬から直線外から追い込むものの届かず3着に善戦している。

 出走メンバーで重賞を経験しているのが本馬と札幌2歳S(G3)で13着に大敗しているフェアエールングしかおらず、馬券圏内に好走した本馬が人気を集めそうなのも当然と言えば当然だろう。

かつての名門の血を受け継ぐ希少な存在

 まだ混沌としている2歳戦線の中で今後が期待される1頭だが、同時に生産者にとっても久しぶりの活躍馬として期待の大きな馬である。

 シーウィザードの生産者はかつての名門シンボリ牧場。今年は生産馬が17勝を挙げてまずまずの成績を残しているが、オープン馬は1頭しかいないため、シーウィザードがそれに続けるかどうかというところである。オーナーブリーダーとしてもシンボリ牧場名義で競走馬が登録されているが、こちらも成績は芳しくない。

 シンボリ牧場と言えば、競馬史に残る「皇帝」シンボリルドルフをはじめ、ダービー馬シリウスシンボリ、名脇役アイルトンシンボリ、G1を4勝し種牡馬としても成功したシンボリクリスエスなど活躍馬を輩出した名門のオーナーブリーダーであった。メジロ牧場やトウショウ牧場などと並び、70年代後半から90年代にかけて日本競馬の中心にいた今で言うなら社台グループのような存在であったわけだ。

 だが、メジロ牧場は11年に、トウショウ牧場は15年に閉鎖され、それぞれノーザンファームの庇護の元に辛うじて血脈が残っている。そんな中、シンボリ牧場はまだオーナーブリーダーとして土俵際で踏ん張っているのが現状だ。

 そんな状況下で登場した久しぶりの活躍馬がシーウィザードなわけだが、この馬の母系がメジロの血であることも何かの因縁か。

 母メリーウェザーはメジロ牧場最後期の生産馬。母父は朝日杯3歳S(朝日杯FSの前身・G1)を勝ったメジロベイリーで、その半兄に天皇賞・春(G1)を勝ったメジロブライト、さらにその父はメジロライアンが連なるメジロ血脈。メジロベイリーの半兄にダートで活躍したメジロモネがいるが、この父のモガミの産駒には初代3冠牝馬メジロラモーヌやシリウスシンボリ、メジロモントレーなどの名前が挙がる。

 ノーザンファームをはじめとした社台グループが熾烈な競争を生き残り、日本競馬の中心で活躍馬を次々と輩出している中、シーウィザードは過去の日本競馬を細々と今に伝える希少な1頭となっている。幸いというべきか、半兄のグランアリエルが現在3連勝を飾って注目の上がり馬となりつつある。

 シーウィザードもこの芙蓉Sを勝ち上がり、過去の日本競馬の隆盛を今に伝える1頭として活躍のきっかけにしてほしいものである。

ゴースト柴田

ゴースト柴田

競馬歴30年超のアラフィフおやじ。自分の中では90年代で時間が止まっている
かのような名馬・怪物大好きな競馬懐古主義人間。ミスターシービーの菊花賞、マティリアルのスプリングS、ヒシアマソンのクリスタルCなど絶対届かない位置からの追い込みを見て未だに感激できるめでたい頭の持ち主。

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