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川田将雅が不在も問題なし? カラ馬「神騎乗」の真価問われるシルヴァーソニック

川田将雅が不在も問題なし? カラ馬「神騎乗」の真価問われるシルヴァーソニックの画像1
シルヴァーソニック 撮影:Ruriko.I

 6日の東京競馬場では、秋のG1戦線を視野に入れる実力馬が集まるアルゼンチン共和国杯(G2)が開催される。

 近年は2015年ゴールドアクター、16年シュヴァルグラン、17年スワーヴリチャードードらが、この舞台を勝利した後にG1を制覇。過去にも出走馬から多くのG1馬を輩出している出世レースでもある。

 昨年、一昨年と連覇を飾ったオーソリティの名前は見当たらないが、春のG1で注目を集めた実力馬も登録してきた。下馬評的には3歳馬キラーアビリティと天皇賞・春(G1)で上位に入った組との対決といった構図だろう。

 イクイノックスが天皇賞・秋(G1)を制したことで、3歳世代の強さが浮き彫りになったものの、春のクラシックで精彩を欠いたキラーアビリティの復調についてはまだまだ手探りの段階。主力を形成するのは、やはり古馬の上位陣の見立てだ。

 天皇賞・春で3着のテーオーロイヤル、同4着のヒートオンビートは当然ながら、競走中止に終わったシルヴァーソニックの巻き返しに期待したいところ。

 スタート直後に川田将雅騎手が落馬するアクシデントに見舞われたシルヴァーソニックだが、騎手が不在のままカラ馬となってレースに参加をした。最終的にゴールまで完走したまではよかったものの、1コーナー付近の外ラチにぶつかり転倒し、場内がどよめくシーンも見られた。その後「異状なし」と発表されたことは、不幸中の幸いだった。

川田将雅騎手が不在も問題なし?

 とはいえ、記録上は落馬による「競走中止」の扱いながら、天才騎手が乗っているのではと、感じられたほどの巧みな進路取りを披露してのゴール。7馬身差の圧勝を演じたタイトルホルダーから約2馬身差の大健闘を見せた。

 落馬したため、58キロの斤量がなくなったことは確かだが、道中のレースぶりは目を見張るものがあった。8枠17番から徐々にポジションを上げ、3コーナーを前に最内へ潜り込む距離のロスを最小限に抑えたのも素晴らしかった。

 落馬した川田騎手には申し訳ないが、ここまで華麗な“手綱捌き”を見せられると、同じような乗り方が出来たかどうかは分からない。

 勿論、参考外のレースとなるだけでなく、今回は新たにT.マーカンド騎手とのコンビも結成。「幻の天皇賞・春2着馬」の真の実力が試されることとなる。人気を集めるテーオーロイヤルが、タイトルホルダーから8馬身遅れてゴールしたことと比較すれば、約2馬身遅れだったシルヴァーソニックは6馬身差で先着していた計算である。

 58キロのテーオーロイヤルと裸同然で対決したシルヴァーソニック。前者がトップハンデの57.5キロ、後者が55キロとなる今回は、どちらが先着するだろうか。

 残念ながらシルヴァーソニックは現段階で抽選の対象。何とか無事に突破して、ゲートインまでこぎつけて欲しいものである。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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