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勝率は武豊超え…今村聖奈の「9倍儲かる」あの騎手が秋競馬でブレーク中!

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今村聖奈騎手

 朝晩の冷え込みも厳しくなり始めた季節。10月以降の秋競馬で目立っているのが女性騎手の活躍だ。

 代表格はもちろん今村聖奈騎手。先月23日に藤田菜七子騎手が持つJRA女性騎手の年間最多勝記録を更新すると、その後も順調に勝ち鞍を重ねている。

 減量特典が4kgから3kgに変更となった先週末は阪神競馬場で騎乗。勝利は挙げられなかったものの、伏兵馬をたびたび馬券圏内に導き、高配当を演出した。

 その今村騎手に記録を破られた藤田騎手も3週に渡る新潟開催で2勝をマーク。先週は福島で計11鞍に騎乗し、2着2回と存在感を見せた。

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永島まなみ騎手

 そんな彼女らに負けず劣らず、かつてないハイペースで勝利数を伸ばしているのが、デビュー2年目の永島まなみ騎手だ。

常識にとらわれない思い切った騎乗は各所で絶賛

 新潟開催で4勝、そして先週の福島開幕週は2日間でなんと3勝をマーク。直近の4週間で計7勝とノリに乗っている。

 中でも衝撃的だったのは秋競馬の1勝目だった。先月16日、新潟の千直コースで行われた1勝クラスで15番人気のセルレアに騎乗すると、不利とされる最内枠から迷うことなく内ラチ沿いを疾走。開幕週の馬場も味方に逃げ切り勝ちを収めた。

 単勝オッズ97.6倍という伏兵だからこそできた芸当かもしれないが、常識にとらわれない思い切った騎乗は各所で絶賛された。

 この勝利もきっかけとなったのか、永島騎手の10月以降の勝率は12.3%。これは武豊騎手(9.8%)や横山武史騎手(10.8%)をも上回っている。

 さらに単勝回収率は239%にも上り、同期間中に騎乗機会が50回以上あった騎手46人の中では2位にランクイン。単勝回収率26%の今村騎手と比べると、9倍以上「儲かる」騎手ということになる。

 永島騎手の活躍は、以前に比して人気馬への騎乗機会が増えたことも理由の一つだろう。

 今秋の新潟開催が始まる前まで永島騎手が1番人気馬に騎乗したのは1度だけだった(21年5月9日・3歳未勝利戦)。しかし、先月22日に1年半ぶりに1番人気馬に騎乗すると、先週末の2日間だけで3度も1番人気馬に騎乗し、全て3着以内に持ってきている。

 特に目立っているのが芝レースでの活躍だ。今村騎手と比較すると一目瞭然で、10月以降の8勝中6勝をダートで挙げている今村騎手に対し、永島騎手は7勝中6勝を芝で挙げている。

 目を引いたのは、5日の福島8R・1勝クラス(芝2600m)だった。

 1番人気のミステリーウェイにテン乗りで騎乗した永島騎手は、15番枠から好発を決めると、いったんは逃げる姿勢も見せたが、内の馬を先に行かせて好位に控える競馬を選択。バックストレッチで後続の追い上げをギリギリまで我慢すると、勝負所でゴーサインを送り、直線で逃げ粘るヴィルトブリーゼを計ったように差し切った。

「前の2頭について行かずに自分のリズムで走らせました。直線は抜け出してソラを使いましたが、何とかしのいでくれました」

 永島騎手がレース後にコメントしたように、ゴーサインのタイミングが早すぎれば後ろから差された可能性もあっただろう。行ききってしまえば粘り込むチャンスが生まれるダートの短距離だけではなく、騎手の腕がより問われる芝の長距離で勝利できたのは大きな自信になったはずだ。

 人気馬で勝利を挙げ、オーナーの信頼をつかむ。今の永島騎手はまさにいい流れができている。今週末も永島騎手から目が離せない。

中川大河

中川大河

競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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