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JRA「合計5177勝」ターフ沸かせた元名手2人が共倒れ…調教師として「静と動」が正反対?安田記念でぶち当たったG1の壁
![東京競馬場 撮影:Ruriko.I](/wp-content/uploads/2021/06/Ruriko.I_20210606_11R_keiba_43.jpeg)
香港最強馬ロマンチックウォリアーの快勝で幕を閉じた今年の安田記念(G1)。戦前は大雨の予報もあって、どの馬が勝ってもおかしくない混戦ムードが漂っていた。ところが、終わってみれば5番人気以内の馬が掲示板を独占。強い馬がその実力を如何なく発揮したレースだったといえる。
そんな安田記念で穴人気していた馬も含めた伏兵陣はそろって惨敗。大荒れを期待した穴党ファンとすれば、肩透かしの一戦となったかもしれない。
福永祐一厩舎のダノンスコーピオンは15着…
![伏兵の1頭として注目されていたダノンスコーピオン 撮影:Ruriko.I](/wp-content/uploads/2022/05/Ruriko.I_20220508_danonsukoopionkawadayuuga_08.jpg)
伏兵の1頭として注目されていたのがダノンスコーピオン(牡5歳、栗東・福永祐一厩舎)だ。
3歳春にNHKマイルC(G1)を制したスピード馬だが、その後は連戦連敗。3歳秋の富士S(G2)で3着に入ったのを最後に掲示板はおろか、二桁着順が“指定席”の状態が続いていた。
しかし、安田隆行元調教師の引退に伴って、3月に福永厩舎へ転厩。久々の京王杯スプリングC(G2)でいきなり4着に好走。レース後は中2週となるタイトなローテーションを見据えて、福永師はダノンスコーピオンの美浦滞在を選択。最終追いには師自らが美浦に駆け付ける秘策を施した。
ダノンスコーピオンに跨った福永師は「いいフォームで最後まで走ってきた」と納得のコメントを残すとともに「1度使われたことと滞在効果が、どちらもいい方向に作用している」と手応えを感じていた様子。NHKマイルCと同じ大外18番枠に入ったこともあり、復活を期待する声も少なくなかったが、結果は11番人気で15着。開業から3カ月でのスピードG1制覇とはならなかった。
そんな福永師と騎手時代にしのぎを削ったもう一人の“元名手”も管理馬を安田記念に出走させていた。それが蛯名正義調教師である。
蛯名正義厩舎のレッドモンレーヴも二桁着順…
送り出したのは京王杯SCで2年連続連対を果たしたレッドモンレーヴ(牡5歳、美浦・蛯名正義厩舎)。安田記念の最終追い切りを見届けた蛯名師は「乗った人も、言うところがないということだったので、非常に順調に来ています」と満足の表情を浮かべていた。昨年6着に敗れた舞台でリベンジを期したが、結果は10番人気で11着。道中は最後方を進んだが、自慢の末脚は不発に終わった。
「開業1年目と3年目のフレッシュなトレーナー2人には注目していました。どちらも送り込んだのが伏兵馬でしたが、十分好走は可能だと思っていましたよ。今回は残念な結果に終わりましたが、2人にとって得難い経験になったのではないでしょうか。
現役(騎手)時代は大きなアクションで馬を動かす蛯名師に対し、福永師は道中いかに馬に負担をかけないかを念頭に置いた両極端な騎乗スタイルでした。ただ、調教師としては『静の蛯名、動の福永』という逆のイメージもあります。蛯名師はかつてテイエムサウスダンの追い切りに自ら跨った際に『クリストフ(ルメール)が乗ってくれないから』と冗談半分でこぼすなど、めったに追い切りに騎乗することはないですからね」(競馬誌ライター)
騎手として合計5177勝を挙げた2人だが、調教師としてはまだ合計41勝という“駆け出し”だ。今回はG1の高い壁に阻まれた形だが、近い将来この悔しさを晴らしてくれるだろう。2人のホースマン人生“第2章”はまだ序章を迎えたところだ。
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