
福永祐一師が騎手時代に絶賛!「キャロットファーム期待の快速馬」が骨盤骨折から1年半ぶり実戦復帰へ

先週から福島・小倉開催が始まり、いよいよ本格的な夏競馬が到来。小倉では雨の影響もあって、芝は極端な高速馬場とはならず、適度に時計のかかるコンディションで行われた。
小倉の芝短距離戦で目立ったのが逃げ馬の活躍だ。ピューロマジックが制した北九州記念(G3)を含めて、芝1200mのレースは2日間で計9鞍行われたが、逃げ馬が「5-2-1-1」、複勝率88.9%のハイアベレージ。今週末もこの傾向が続くようなら、先週以上に激しいハナ争いが展開されることになるだろう。
今週末の小倉では、同条件のレースが6鞍組まれているが、中でも注目は日曜10R・耶馬渓特別(2勝クラス)だ。
16頭が特別登録を行った6ハロン戦で上位人気の一角を占めそうなのがプロトポロス(牡4歳、栗東・西村真幸厩舎)という4歳馬。骨盤骨折の大ケガから約1年半ぶりとなる実戦復帰を迎える。
福永祐一調教師も絶賛していたプロトポロス
キャリア3戦のプロトポロスは、2年前の夏の中京で福永祐一騎手(現調教師)を背にデビュー。のちにオープン勝ちを収めるウメムスビを3馬身半も突き放す走りで初陣を飾った。
「初戦ということで戸惑いながらも、レースは良い内容でした。次は重賞にチャレンジしても良いと思います」
単勝オッズ1.4倍の断然人気に推されたレースを圧勝した同馬をそう称えたのは、当時まだ騎手だった福永師。陣営は進言通り、2戦目に小倉2歳S(G3)を選択。ここでも堂々の1番人気に支持された。
ところが、好位3~4番手で競馬を進めたプロトポロスは、最後の直線で伸びを欠いて失速。最後の直線で12頭をごぼう抜きしたロンドンプランの前になすすべなく4着に敗れた。ただこの時はレース後に骨折が判明しており、決して力負けではなかったはずだ。
幸い骨折の程度は軽く、4か月後には戦列復帰。D.イーガン騎手に乗り替わった一戦(3歳1勝クラス)で、みたび1番人気に支持されると、好位から難なく抜け出して2勝目を挙げた。
その後、陣営は3月のファルコンS(G3)に目標を設定。短距離路線での活躍が期待されていたが、一難去ってまた一難。レースに向けた調整過程で再び骨折してしまう。しかも、その箇所が骨盤だったことから、競走馬生命も危ぶまれる事態となった。
「プロトポロスの手綱を取った福永師もイーガン騎手も口をそろえたように、ポテンシャルの高さは世代の短距離馬の中でもピカイチでした。ただそのスピードが仇となったのか、3歳春に2度目の骨折……。
厩舎や牧場をはじめとした関係者が諦めず、じっくりと立て直しに注力した結果、時間はかかりましたが、ついに復帰戦を迎えることになりました。1年半の休み明けとはいえ、2勝クラスならいきなり好勝負しても驚けません。それくらい高い能力を持っています。ただ、今回はまず無事に完走することが最大の目標になるでしょうね」(競馬記者)
キャロットファームが期待を寄せる快速馬プロトポロス。これまで3戦は全て3~4番手につけていたように、スピードとセンスを持ち合わせている。登録メンバーには前走逃げた馬が不在で、プロトポロスにとって競馬もしやすいだろう。坂井瑠星騎手との新コンビで鮮烈な復活Vを飾りたい。
PICK UP
Ranking
5:30更新横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRAにピンポイントで「潰された」殿堂馬……「障害最強馬」オジュウチョウサンが超えるべき「最後の壁」は、強過ぎるが故の”歴史的遺恨”
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- ドゥラメンテ「最後の大物」出現なるか。わずか4世代から三冠牝馬リバティアイランドやG1・3勝タイトルホルダー「伝説」の最終世代をピックアップ
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- “第2の金子オーナー”は武豊の元パートナー!? 「エピファネイア×ステイゴールド」の期待馬が今週末デビューへ
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情