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サートゥルナーリアの大物に「父の弱点」見え隠れ…手探りの菅原明良に北村友一が作戦勝ち?

菅原明良騎手 撮影:Ruriko.I
菅原明良騎手 撮影:Ruriko.I

 25日に新潟競馬場で行われた新潟2歳S(G3)。マイル戦になってマイネルレコルト、ジャスタウェイ、ハープスター、イスラボニータ、セリフォスなど後のG1馬が多数誕生。G1を勝つには少し足りない馬が多かったそれまでのイメージから一変し、近年はクラシック候補が出走することも珍しくない注目の一戦となった。

 昨年の優勝馬アスコリピチェーノも阪神ジュベナイルF(G1)で2歳女王に輝き、今年の桜花賞(G1)とNHKマイルC(G1)で2着に好走しただけに、コートアリシアンが注目を集めたのも当然だろう。

 本馬は新種牡馬サートゥルナーリア産駒の素質馬。6月東京のデビュー戦を出遅れながらも2着馬に5馬身の差をつける圧勝を決めていた。上がり3ハロン33秒3の最速で突き抜けた末脚も大物感があり、1番人気に支持されたのも納得である。

クラシック候補コートアリシアンは距離に不安を露呈

 しかし、レースでは最後の直線で先に抜け出していたトータルクラリティを交わして一度は先頭に立ったものの、半ばで差し返されての2着。3着プロクレイアは3馬身離したとはいえ、勝ち馬には半馬身の差をつけられる完敗を喫した。

 直線で力尽きた一因については、元JRA騎手の安藤勝己氏が自身のSNSで「道中折り合いを欠いて余力がなくなった分」と指摘したように、コートアリシアンの掛かり癖が自滅に繋がったのだろう。

 陣営が気性の難しさを懸念していた通りまたしても出遅れ。鞍上の菅原明良騎手が最小限のロスでリカバーしたものの、道中は常に行きたがる素振りを見せ、懸命に折り合いをつけようと苦労する人馬の姿があった。

 これには手綱を取った菅原明騎手も「元々気にしていた折り合い面がよくありませんでした」と振り返ったが、トータルクラリティに騎乗した北村友一騎手の作戦勝ちだったかもしれない。

 というのも同騎手がレース後に「待ってヨーイドンになるよりは、自分で動くしぶとい競馬をしようと思っていました」とコメントしていたからだ。

 デビュー戦で素質馬ラトラースとの叩き合いを制したパートナーをしぶとい馬と評したように、瞬発力勝負ではなく粘り強く残す競馬をイメージしていたのだろう。道中は好位を追走して直線早めに先頭に立つ積極策。折り合いもピタリとついて長くいい脚を使った結果、大本命馬を差し返すことに成功している。まさに北村友騎手としては「してやったり」の勝利だったに違いない。

 また、結果的に敗れはしたが菅原明騎手も目先の勝利に捉われず、先を見据えた慎重な騎乗を心掛けていたようにも映る。

「出遅れたところまでデビュー戦の再現みたいなレースでした。前走はそれほど掛かっておらず、最後方からマクる感じで突き抜けていますが、今回はリカバーした後もずっと引っ掛かっていました。追い出しのタイミングも最後の直線半ばまでじっくりと我慢してのゴーサイン。かなり慎重に乗っていたように感じました。

もちろん勝つためだけの競馬なら、折り合いを気にせず行かせてもよかったかもしれませんが、先のある2歳馬ということを考えれば、我慢を覚えさせるのが優先。ただ気性面の成長が見られないままだと、これからも距離の不安はつきまといますね。父サートゥルナーリアも折り合いが弱点だっただけに心配です」(競馬記者)

 名牝シーザリオの産駒はサートゥルナーリアの他にもエピファネイアやリオンディーズらG1を勝った名馬がいる一方、現役時代に気性的な難しさを見せていたのも特徴。期待の新種牡馬サートゥルナーリアだが、今後も前進気勢の強い産駒が多く見られるようならクラシックで活躍する馬よりも、仕上がり早のスピードタイプを量産する可能性もありそうだ。

GJ 編集部

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