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新種牡馬サートゥルナーリア産駒「超大物候補」がいきなりデビュー!?「名牝シーザリオ伝説」新章へ…注目2歳馬ピックアップ

撮影:Ruriko.I
撮影:Ruriko.I

注目の新種牡馬サートゥルナーリア

 来月からスタートする2024年の2歳新馬戦。中でも楽しみの1つが新種牡馬産駒のデビューだ。

 昨年は、2017年の日本ダービー(G1)でワンツーフィニッシュを決めたレイデオロとスワーヴリチャード2頭の新種牡馬が話題を集めた。今年の新種牡馬で注目の1頭は、現役時代にG1・2勝を挙げたサートゥルナーリアになってくるだろう。

 通算成績は10戦6勝。G1タイトルはホープフルS(G1)と皐月賞(G1)だが、同馬の魅力はなんといってもその血統背景である。

 ロードカナロア産駒の同馬は、母が名牝シーザリオ。半兄に種牡馬としても三冠牝馬デアリングタクトや年度代表馬エフフォーリアを送り出し、一気にトップ級の種牡馬にのし上がったエピファネイア、今年の天皇賞・春(G1)勝ち馬テーオーロイヤルを輩出したリオンディーズがいる。

 500キロ前後の黒光りする好馬体、全身バネのような走りも一際目を引いた現役時代のサートゥルナーリアだが、果たして父と同じくターフを席巻する産駒が登場するのか。そこで今回はサートゥルナーリア産駒の注目2歳馬を何頭か紹介したい。

 

■ヴァルチャースター(牡2歳、栗東・池添学厩舎)

 サートゥルナーリア産駒の牡馬で最注目の1頭。母は2014年の桜花賞(G1)を制したハープスター。3代母に二冠牝馬ベガがおり、近親にもダービー馬アドマイヤベガやG1・7勝アドマイヤドンなど活躍馬がズラリと並ぶ良血だ。

 母と同じ一口馬主クラブ・キャロットファームが所有し、この世代で唯一の億超えとなる総額1億2000万円で募集がかけられたことからも期待の高さが窺える。POG(ペーパーオーナーゲーム)のドラフトでも間違いなく争奪戦となるだろう。

 

■クライスレリアーナ(牝2歳、美浦・木村哲也厩舎)

 牡馬の最注目がヴァルチャースターなら、牝馬の最注目はクライスレリアーナだろう。今年のクラシック路線を賑わせているチェルヴィニア、レガレイラと同じ木村厩舎が手掛けるサンデーレーシング所属の牝馬。美浦で順調に調整が進められており、来月2日の東京・芝1600mでデビュー予定だ。

 母シユーマは現役時代にG1・2勝を挙げた名牝。ここまで2019年のチャレンジC(G3)3着ブレステイキングなど活躍馬を送り出しているが、本馬が代表産駒の1頭となっても不思議ではない。

 

■レイニング(牡2歳、美浦・国枝栄厩舎)

 2015年の桜花賞2着、オークス(G1)3着に好走したクルミナルの産駒となる。兄姉には今年の中山金杯(G3)2着に好走したククナや、一昨年のスプリングS(G2)2着アライバルなどがいる。管理する国枝厩舎は来年が最後のクラシックとなるため、本馬にかける期待は高いに違いない。

 なお兄アライバルは優先出走権を獲得したものの、脚元の関係で皐月賞を見送ったが、レイニングはキャロットファームの紹介カタログにおいて「兄アライバルが断念した皐月賞をターゲットにできる素材です」と紹介されている。目指すは皐月賞親子制覇か。

 

■ジェゼロ(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)

 一昨年のセレクトセール当歳セッションにおいて、金子真人オーナーが3億3000万円(税込)で落札した超高額馬。2018年のマイルCS(G1)を制したステルヴィオや、昨年のNHKマイルC(G1)で2着に入ったウンブライルの半弟となる。

 今月8日には栗東ウッドコースで併せ馬を行い、酒井学騎手を背にラスト1ハロン11秒3と鋭い伸びを披露。毎年のように2歳戦で活躍馬を送り出している須貝調教師もジェゼロについて「本当に素晴らしい馬」と絶賛している。

 

■トロピカルレイン(牝2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)

 昨年のセレクトセールにおいて7040万円(税込)で取引された期待の1頭。オーナーはハーパーで昨年のクイーンC(G3)を制したエムズレーシング。半兄に先月のニュージーランドT(G2)を制したエコロブルームや、2021年のきさらぎ賞(G3)を制したラーゴムがいる。

 今月9日のゲート試験に合格。兄ラーゴムも管理した斉藤調教師は「キャンターもいいし、ゲートもスムーズ」と評価を下している。

 

■マックスキュー(牡2歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)

 2代母のヒストリックレディはハープスターの姉。そのためマックスキューは、先に取り上げたヴァルチャースターの近親という良血になる。管理する鹿戸調教師も「馬体がすごくいい」と高評価。先月すでにゲート試験に合格しており、早い時期のデビューも期待できるかもしれない。

 

■エーデルヴェーグ(牝2歳、栗東・田中克典厩舎)

 昨年のエリザベス女王杯(G1)をわずか4戦のキャリアで勝ったブレイディヴェーグの妹。近親には二冠牝馬ミッキークイーンがいる。姉はロードカナロア産駒だが、本馬はそのロードカナロア産駒のサートゥルナーリアに父が替わったことも面白いところ。姉同様に脚元や体質などがポイントとなってくるか。


 この他には、スタニングローズの妹ブルーミングローズ(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)、一昨年のセレクトセールにて2億4200万円(税込)で取引されたメディテラニアン(牡2歳、栗東・池江泰寿厩舎)、メジャーエンブレムの2022(牡2歳、美浦・田村康仁厩舎)あたりも注目候補として挙げておきたい。

 なんといっても新馬戦開幕週にデビューを予定しているクライスレリアーナの走りは楽しみだ。サートゥルナーリア自身が6月デビューで2歳G1を制したことから、産駒も早い時期から大いに活躍してくれることに期待したい。

GJ 編集部

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