「芝120戦全敗」サトノアラジン牡駒が待望の初白星!ファントムシーフ、サートゥルナーリア超えの優秀時計
18日に阪神競馬場で行われた5R・2歳新馬は、4番人気レディントン(牡2歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が優勝。半兄に2010年の共同通信杯(G3)を勝ったハンソデバンドがいる期待馬が白星スタートを切った。
レース後、「調教から素晴らしい動きで自信を持って乗りました」と語ったのは騎乗した松若風馬騎手だ。
「強気な競馬でもしっかり反応してくれて余力もありました」という言葉通り、道中は先行集団を前に見ながら中団のインを進むと、4角で大外に持ち出し、最後は2着馬に1馬身3/4差をつける余裕の差し切り勝ち。松若騎手は「体もまだまだですし、これから良くなると思います」と続け、パートナーのさらなる成長に期待を込めた。
「レディントンの兄姉は10頭中8頭がJRAで勝ち上がっていて、半兄にはハンソデバンドやジャパンC(G1)にも出走したウインドジャマーもいます。松若騎手も言っていたように調教では絶品の動きを披露していましたが、レースでは4番人気に留まりました。
スタートでやや遅れたようにゲートには課題も残しました。しかし、道中ではしっかり折り合っていましたし、鞍上のゴーサインにも素早く反応。最後の直線で見せた末脚は父を彷彿とさせましたね」(競馬誌ライター)
「芝120戦全敗」サトノアラジン牡駒が待望の初白星!
レディントンの父は、17年の安田記念(G1)を大外一気の豪脚で制したサトノアラジン。ディープインパクトの直仔として、主に短距離路線で活躍し、18年の1月に引退した。その後は社台スタリオンステーションで種牡馬生活を送っていたが、今年からブリーダーズ・スタリオン・ステーションに活躍の場を移している。
父の3世代目となるレディントンだが、サトノアラジン産駒は牡馬と牝馬で大きな違いある。実は牡馬の産駒が芝のレースで勝つのはレディントンが初。牡馬に限ると前の週まで芝のレースで120連敗を喫していた。
「先週末(11日)まで、サトノアラジン産駒は芝で16勝を挙げていますが、すべて牝馬によるものでした。牡馬は芝で120戦全敗。ダートでは23勝を挙げていますが、ようやく芝でも勝利を飾りました」(同)
ダートでの良績が示す通り、サトノアラジンの牡駒はパワータイプが目立ち、軽い芝ではキレ勝負に対応できない馬も少なくない。
ところが、レディントンは良馬場で行われた阪神の高速馬場にも順応。1分35秒1の勝ちタイムも非常に優秀で、過去に6月の阪神芝1600mで行われた2歳新馬戦では歴代2位の好時計でもある。
歴代1位は17年に1分34秒0を叩き出したコスモインザハートだが、その日は米子S(OP・当時)でコースレコードが出る超高速馬場だった。
レディントンが走った18日も芝は良好なコンディションで、時計が出やすい馬場ではあった。それでも同じ6月阪神の同コースで新馬戦を勝ち上がったファントムシーフやダノンスコーピオン、サートゥルナーリアなどよりも速い時計をマークしたことは明るい材料といっていいだろう。
サトノアラジンからようやく現れた牡馬の大物候補を管理する杉山晴師は「距離はマイルぐらいかな」と『日刊スポーツ』の取材に答えたように、レディントンには暮れの朝日杯フューチュリティS(G1)や来春のNHKマイルC(G1)などマイルの王道路線での活躍を期待したい。
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