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ハーツクライ産駒でも走りはディープインパクト?有馬記念に潜むファンの夢と希望とロマンと甘い罠

武豊騎手 撮影:Ruriko.I
武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 前走の天皇賞・秋(G1)に続きジャパンC(G1)を制し、「秋古馬二冠」を手に入れた武豊騎手とドウデュースのコンビ。ラスト一冠の有馬記念(G1)を優勝すれば、2000年テイエムオペラオー、2004年ゼンノロブロイ以来となる史上3頭目の偉業も視野に入る。

 その一方でひとつ気になることがあるとすれば、ドウデュースの「ディープインパクト化」ではないだろうか。

 これまで試行錯誤を繰り返しつつ、昨年の有馬記念から一貫して後方待機策でG1を3勝した。武豊騎手が当日の負傷で戸崎圭太騎手へと乗り替わった昨年の天皇賞・秋やジャパンCは好位からの競馬で結果が出なかった。

 そして現在は枠の内外に関係なく後方に下げて大外から追い込む競馬を武豊騎手は選択している。道中のロスを覚悟した上で馬の力を信じて能力を引き出す騎乗は、現役時代のディープインパクトを彷彿とさせるものだ。

有馬記念に潜むファンの夢と希望とロマンと甘い罠

 とはいえ、ドウデュースの父はディープインパクトではなく、そのライバルと評されたハーツクライ。勝利騎手インタビューでこの件に触れられた武豊騎手は、「そこは特に意識はないですけど競馬の面白いところかなと思います」と答えていた。レジェンドが主戦を務めたスーパーホースを有馬記念で撃破した天敵の産駒に武豊騎手が乗るというのもまた競馬のドラマといえる。

 追い込み馬にとって末脚不発のリスクを伴う超スローペースだった秋2戦で逆境を跳ね返し、もはやドウデュースと武豊に敵はいないとすら感じられる快勝でもあった。当然ながら有馬記念は是が非でも勝ちたい大一番である。競馬ファンだけでなく一般のファンも馬券を買うグランプリだけに、注目度はさらに高くなる。

 それを承知した上で、あえて空気を読まない話をしてみようと思う。デビューから3連勝で朝日杯フューチュリティS(G1)を勝利し、レジェンドの鬼門だったG1をプレゼントしたドウデュースだが、弥生賞ディープインパクト記念(G2)と皐月賞(G1)では、前の馬を捕まえられずに敗れている。3度目の正直で昨年の有馬記念を優勝したものの、直線の長い東京の方が脚質的に向いていることは確かだ。

「昨年の有馬記念を制し、武豊騎手のポジション取りに迷いもなくなったはずですが、間に合わないパターンは頭の片隅に入れておきたいですね。追い込み馬なのに超スローを苦にしないなら、逆に超ハイペースだった場合はどうなのかという疑問もあります。本調子になかった可能性はありますけど、昨年の天皇賞・秋とジャパンCは超のつくハイペースで凡走しました」(競馬記者)

 もちろん、当時騎乗していたのが武豊騎手ではなく戸崎騎手というのは事実だが、ドウデュースという馬は同じ。秋の2戦は超スローだったが、有馬記念も同じく超スローとは限らないだけに、そこは注意しておきたい。

 そこで思い浮かぶのは、ディープインパクトがハーツクライに不覚を取った2005年の有馬記念だ。

 当時、昨年のドウデュースと同じような競馬をしたディープインパクトだったが、先行抜け出しを決めたハーツクライを捕らえられず2着に敗戦。奇しくもその鞍上はJRAの重賞初勝利がG1のC.ルメール騎手であり、ハーツクライは前走のジャパンCでアルカセットのハナ差2着に敗れていた馬だった。イメージするなら2位同着のシンエンペラーやドゥレッツァの逆転劇が合致する。

 既に出走を表明している大本命に対し、これら2頭の次走は未定だが、もし有馬記念に出てくるようなら不気味だ。

 半信半疑の見方もあった天皇賞・秋を勝ち、ジャパンCを1番人気で優勝と不安を払拭したタイミング。ファンの夢と希望とロマンたっぷりのグランプリで「甘い罠」が仕掛けられているとしたら、ディープインパクトが黒星を喫したような展開かもしれない。キーワードは「第2のハーツクライに気をつけろ」だ。

黒井零

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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