JRA追放者と本宮ひろ志の力作、 幻の競馬漫画「勝算(オッズ)」を知っているか?
「勝算(オッズ)」上下巻(講談社コミックプラスより)漫画を原作にした映画「銀魂」がヒットして話題となっているが、やはり漫画の影響力はさすがだ。競馬においても数々の漫画があり、「みどりのマキバオー」はアニメにもなり今でもキャラクターとして使われている。また「優駿の門」「じゃじゃ馬グルーミン★UP!」「ウイニング・チケット」「風のシルフィード」「ありゃ馬こりゃ馬」といった個性的な漫画も人気を博していた。そんな競馬漫画の中でも異色といえるのが、人気漫画家の本宮ひろ志氏が作画を担当し、当時人気騎手だった田原成貴が原作の「勝算(オッズ)」だ。
基本的に競馬漫画は競走馬、騎手、生産者が中心となって日本ダービーの優勝などを目指すのが一般的な流れだ。しかしこの「勝算(オッズ)」はそういった夢を目指すドラマ性は皆無。そこにあるのは誘拐事件に絡むサスペンスとライバル騎手による意地の張り合いなのである。また今では感じられない鉄火場のような昭和の競馬場の雰囲気も良く表現されており、懐かしいと感じる競馬ファンもいるだろう。
主人公の北條貴志はおそらく原作者の田原をモデルにしている。天才肌だが過去の落馬事故が尾を引いて馬群に突っ込めず、勝てるレースを落としてしまう気の弱さを持っている。その落馬事故で死んだグレートタイロンは、田原が主戦で調教中に心臓麻痺で死亡したグレートタイタンだろう。競馬界理事長の娘が妻で子供が一人というのが、物語の大きなポイントだ。
この北條が皐月賞で愛馬マイホープに騎乗し、ある理由から勝利を目指すことになる。
ライバルの騎手である柴幡政人は、元騎手で現調教師の柴田政人がモデルで愛馬はヤマニンシャーン。尾加部幸雄は元騎手の岡部幸雄がモデルで愛馬はダイナビーン。そして武豊をモデルにした竹豊は愛馬ニシノリョウマに騎乗。皐月賞ではこの4者4頭がそれぞれのプライドを掛けてぶつかり合う競馬漫画屈指の名勝負となっている。
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