募集額1400万円のアエロリットが大活躍!それに対し8000万円の超良血馬はまさかの……
近年の輝かしい実績からクラブ馬は活躍馬が多いと思われがちだが、クラブ側の期待通りかというのは微妙なところだ。というのもサンデーレーシングの場合、今年の3歳牝馬の筆頭であるアエロリットは前述したように募集額1400万の馬で、この募集額はトップで1億5000万円で募集されたムーヴザワールドの10分の1以下。これは関係者の期待値としてはその馬よりも10分の1程度という意味も含まれているだろう。ちなみにその1億5000万円のムーヴザワールドは今年1勝どまりで、結局皐月賞やダービーといったクラシックに出走することは叶わず、評価と結果は大逆転している。
またアエロリットは募集額1400万円の牝馬だが、牝馬の募集最高額は8000万円のベルダムだった。このベルダムは牝馬三冠馬ジェンティルドンナの全妹であり、父ディープインパクトということを考えてもその期待の高さは疑いようもないだろう。預託されたのはジェンティルドンナを管理していた石坂正厩舎であり、募集額8000万円の一口200万円という超高額なものであっても、ジェンティルドンナが現役時代17億円以上の賞金を稼ぎ一口あたりの払戻額が約3500万円だったことを考えれば妥当な数字ともいえよう。
しかし残念ながらこのベルダムは出資したファンや関係者の期待には応えられなかった。同馬はデビューして3戦全敗の成績。デビュー戦は2番人気17着、2戦目は9番人気15着、そして最後のレースとなった3戦目は13番人気15着とすべて勝ち馬から2秒以上も離される惨敗を喫しているのである。そして5月末に同馬は関係者から「成長と活躍の見込みがない」と判断され、1勝もできず引退となってしまった。
これにはサンデーレーシング関係者も頭を抱えたであろう。募集額1400万円のアエロリットがG1レースを勝ち、逆に募集約8000万円のベルダムはG1レースどころか一勝もできず引退してしまったのだ。確かに競走馬の実力は血統だけでなく、デビューさせないとわからない部分も多い。しかしこの天地の差は相当なもの。もちろん最も悲しいのは200万円という大金を投資し、大きな期待をかけた競馬ファンである。期待が大きかっただけに引退が決定した時のショックも相当なものだっただろう。
一口馬主クラブは今回のケースのように天国も地獄もある世界だが、ジェンティルドンナのように活躍すれば3500万円の見返りが期待できる投資的要素だけではなく、出資した馬の活躍をともに追いかけることができるロマンも大きな魅力。それが多くの競馬ファンを惹きつけているのだろう。
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