武豊「落馬」に揺れた菊花賞「ダービー上位馬不在」「皐月賞馬に不安」”100万馬券”決着した15年前に多くの類似点

「あーとっ、内で落ちた!ノーリーズン、落馬!」
雨の京都競馬場から、悲鳴とも怒号とも取れる大歓声が上がった。
2002年の菊花賞(G1)はまるで”悪夢”のような瞬間から幕を開ける。発表こそ良馬場であったものの、すでに激しい雨に覆われていた京都競馬場。視界も充分でない中、ゲートが開いた直後に落馬があった。天才武豊が跨り、単勝2.5倍で1番人気の皐月賞馬ノーリーズンだった。
眼前で起こったのは夢か、幻か……詰めかけた観衆が呆然とする中、「スタート直後、あっという間に武豊、ノーリーズンが消えました!」というアナウンスが、否応なしに意識を現実へ引き戻す。どよめきが収まらない中、残された17頭によるレースは、まさに「死闘」と呼ぶに相応しいサバイバルな展開だった。
内から好スタートを決めたダイタクフラッグがハナを主張するも、稀代の快速馬ローエングリンがそれを許さない。皐月賞4着馬と、3歳馬にして宝塚記念3着馬によるハイレベルな主導権争いはたちまち”激流”を呼び、最初の1000mを58.3秒で通過した。
「しかし、この馬群の中にノーリーズンはいません!」
スタート直後に起きた「主役」の離脱によって、残されたすべてのライバルの野心が大きく膨らんだことは述べるまでもないだろう。何せ、この年はダービーの1、2、3着馬不在の大混戦。そこにきて皐月賞馬が”消えた”となれば、もう団栗の背比べである。誰が勝ってもおかしくはない状況だった。
激しい主導権争いを展開していたダイタクフラッグが早々に脱落したことで、レースは一端落ち着きを取り戻したが、3コーナーの京都名物「淀の下り」に入ったところから、再び激しさを増してゆく。ハナを切ったローエングリンの貯金がすべてなくなり、馬群が一塊になっていく中、外から強烈なまくりを見せたのが10番人気のヒシミラクルだった。
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