パチンコ人気メーカーを支える「絶対的」コンテンツ……【パチンコ名作シリーズ・初代を追え】
今週(2020年2月17日の週)から新台として導入される藤商事の『P地獄少女 四』。タイトルにもあるようにシリーズ4作目となるこの機種はヘソでの当りでは必ず確変に突入し、電サポ中は50%の確変継続率になるという逆転現象を施したものとなっている。
本タイトルのメインスペックはシリーズを通して王道をいくイメージがあったので、この挑戦的な仕様は意外ではあるが、「地獄少女」のブランド力に対する絶対的な信頼がメーカー側に保持されている証ともなっているのであろう。
TVアニメで新シリーズがスタートしたり、コミックマーケットで確かな販売力を見せるなど、パチンコ・パチスロ以外での惹きの強さでもそれは証明されているところだ。
その『地獄少女』は最近、パチスロでの同タイトルシリーズ最新作が発表されたところでもあり、パチンコ・パチスロを含め実に8タイトル、兄弟機をカウントすると計16機種が出ている、同社が誇る人気シリーズである。
シリーズの始まりは『CR地獄少女』。2011年の11月に導入された。大当り確率1/358.1、確変割合72%、次回大当りまで継続する確変システム、通常大当り後70回転の時短のFPHと、大当り確率1/299、確変68%、時短70回転のFPLの2タイプの同時発売であった。
潜確と小当りはあったものの基本的にはシンプルなゲーム性で、特に確変中に通常図柄でリーチがかかった場合にその図柄を地獄に流し二度と出現させない「地獄流し」演出は好評を博した。
もちろん、コンテンツの持つパワーが人気を下支えしているといった要因もある。藤商事と関係の深い『ゲゲゲの鬼太郎』に連なる系譜であり、2007年に登場した『CRリング』に端を発した藤商事の新たなカテゴリー「ホラーパチンコ」の流れを汲むものでもある。
さらには、同じく藤商事のタイアップ機種の重要なジャンル、『暴れん坊将軍』や『大江戸捜査網』、『桃太郎侍』といった時代劇モノに通底する「勧善懲悪」の要素が作品のテーマに内包されている点から見ても、この『地獄少女』は極めて意義深い版権であることがうかがいしれるのである。
また、藤商事のパチンコ演出におけるひとつの定型が作り上げられたことも大きなポイントとなるだろう。演出フロー、予告の出し方、スーパーリーチの発展の仕方、期待度の積み上げ方など、本機のヒットが与えた影響は計り知れないものである。
パチンコ界で隆盛を誇る「萌えアニメ」とは一線を画しながら、確かな人気を獲得している『地獄少女』シリーズだが、なかでもやはり初代の評判は格別である。
(文=大森町男)
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