パチスロも「人生を豊か」にする!?【濱マモルの のほほんコラムVol.73～桃鉄とパチスロの共通点～】

　おそらく、20数年ぶりに自分の意志でゲームソフトを購入した。そのソフトはパチンコ・パチスロ化されたことでも有名なすごろくゲームの「桃太郎電鉄」。中学生時代にハマり、20代前半の頃も友人たちと酒を飲みながらワーワーキャーキャーと楽しんでいたことから、久しぶりの新作をプレイしてみたくなったのである。

　今作はオンラインでの対戦もできるようだが、もっぱらの相手は息子である。

　このゲームはプラスマスに停止、或いは目的地一番乗りで得られるお金をもとに物件を購入。それによる収益を競うというものだが、誰かが目的地に到着した際、その目的地から最も遠かったプレイヤーに付いてしまう貧乏神が変異すると、瞬く間にあり得ない借金を抱えてしまう危険性もあり、夢のあるゲームといえばそうではなく、どちらかといえば突如として起こり得る人生の不条理を体感できるゲーム。あまりの理不尽さに震えることも多々ある一方、地理に詳しくなれるといったメリットもある。

　かくいうアタシも、それで地名や特産品を覚えたクチだ。今作では各地方の地名がさらに細かく設定されており、息子と2人で新たな知識をインプットできているが、思えば、パチスロでも様々な知識を得られている。

　何かの歌番組だったか、アイドルたちが歌っていると、それに合わせて無意識に「フンフン」と鼻歌。まるでアイドルに興味がないことを知る嫁さんに「何で知っているのだ」と驚かれたが、何のことはない、そのアイドルをフィーチャーしたパチスロを幾度も打った結果、BGMとして記憶に残っていたのである。

　何かの特集で、とある萌え系アニメについて触れられていた時には、そのアニメの主人公の名前どころか、大まかなストーリーについても説明。しばらくフリーズするほどに嫁さんを唖然とさせたのも、このタイアップパチスロを打ったことで情報が蓄積されたからなのである。

　ちなみに、件のアニメ自体は一度も見たことがない。

　正直、必要な情報ではないものの、知識は人生を豊かにする。嫁さんが驚愕する都度、得意げになりつつパチスロに感謝しているが、先日、そんな嫁さんと一緒に晩酌をしながらぼんやりとテレビを見ていると、初めて見るアイドルたちが映っていた。

　オーディションによって1万人から選び抜かれたグローバル・ガールズグループだそうで、そのプロデューサーも超有名とのこと。恥ずかしながらアタシは一切、知らなかったし、女の子たちも可愛いとは思うものの、非難を承知で白状すると、誰が誰だか、まるで区別がつかなかった。

　仮に彼女らもパチスロ化されれば、メンバーをひと通り、覚えられるのであろうか。ふと、そんなことを思ったが、そのためには桃鉄よろしく、想像を絶するお金が動くんだろうなぁと考えながら流し込んだチューハイは、特売で1本100円。

　立場の違いに愕然としながらも、先月はマイナス収支だったし、今月は頑張ろうと密かに決意したのでありました。

（文＝濱マモル）