GJ > 競馬ニュース > レベル疑問の4歳世代に「惑星ステイヤー候補」が登場
NEW

【天皇賞・春】ドゥレッツァでもタスティエーラでもない光明!? レベル疑問の4歳世代に「惑星ステイヤー候補」が登場

【この記事のキーワード】, ,
京都競馬場 撮影:Ruriko.I
京都競馬場 撮影:Ruriko.I

 28日、京都競馬場で行われた天皇賞・春(G1)。レースは昨年の菊花賞馬ドゥレッツァと前哨戦の阪神大賞典(G2)を圧勝したテーオーロイヤルの2頭が人気を二分したが、3番手以降のサリエラ、タスティエーラ、ブローザホーンも単勝一桁台で続いた。

 また出走馬にG1馬は2頭しかおらず、大半の馬がG1初制覇をかけて挑んだ大一番でもあった。そんな中、淀の長距離戦を先頭で駆け抜けたのは、1番人気に支持されたテーオーロイヤルと菱田裕二騎手のコンビ。ハナを奪ったマテンロウレオが軽快なラップを刻んで逃げる展開を好位から抜け出す横綱相撲で押し切った。鞍上も含めた人馬揃っての嬉しい初戴冠。20年前の天皇賞・春を見て騎手を志した菱田騎手の喜びもひとしおだろう。

4歳二強跳ね除けて

 しかし、会心の勝利を挙げたコンビに対し、人気の一角を背負った4歳世代のドゥレッツァとタスティエーラは見せ場を作ることすらできず凡走したことは残念である。

 皐月賞馬ソールオリエンスの参戦こそなかったものの、クラシックを分け合った菊花賞馬とダービー馬が、15着と7着では、世代レベルを疑う声が再燃したのも無理はなかったか。特にドゥレッツァについては、軽度の熱中症となっていた疑いがあることも分かった。当日の京都市は最高気温30度を超える真夏日。レース以前に暑さとの戦いに敗れてしまった印象だ。

 これに対し、14番人気の大穴扱いながら4着に食い込んだのが、同世代のスマートファントム(牡4歳、栗東・石橋守厩舎)。単勝オッズも185.3倍とノーマークに近い存在だったといえよう。それもそのはず、重賞勝ち実績のある馬が多数出走したG1にオープン入りしたばかりの馬が混じっていたのだから、ここまでの善戦は陣営も予想していなかったかもしれない。

岩田望来騎手 撮影:Ruriko.I
岩田望来騎手 撮影:Ruriko.I

 岩田望来騎手の好騎乗も激走に繋がったはずだ。前半から厳しいラップが続いたレースは、13秒台のラップが一度も出現しないサバイバル戦。スタミナに絶対の自信を持つテーオーロイヤルとディープボンドは好走しても、同じ位置で追走した組は直線で脚が止まった。

 2着ブローザホーン、4着スマートファントム、5着ワープスピードがハイペースに付き合わず、虎視眈々と後方で脚を溜めていたことが功を奏した。展開の利があったにせよ、勝ち馬と3馬身差、3着のディープボンドと半馬身差まで迫った意味は大きい。

 これには鞍上の岩田望騎手も「折り合えばこれだけの脚を使えますし、G1で4着ですから、よく頑張ってくれたと思います」とパートナーの激走に胸を張った。古馬になって着実に力をつけていることを証明する走りだったといえる。

 本馬を管理する石橋調教師も「長い距離が合う」と評しているように、今後は長距離戦を中心にローテーションが組まれるだろう。ベラジオオペラの大阪杯(G1)優勝こそあれ、年長世代相手に苦戦の続く4歳世代にとっても、「惑星ステイヤー候補」スマートファントムの登場は新たな光明となってくれそうだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

【天皇賞・春】ドゥレッツァでもタスティエーラでもない光明!? レベル疑問の4歳世代に「惑星ステイヤー候補」が登場のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  2. JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……
  3. JRA有馬記念(G1)「伝説の逃走劇」はキタサンブラックでも、ダイワスカーレットでもなく、あの馬!? 前走4馬身圧勝から狙うレジェンドの再現
  4. 有馬記念(G1)武豊とオジュウチョウサン「偉大なる挑戦」最終章……常識外れの11連勝、今世紀最強障害馬が示す「答え」は
  5. 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
  6. C.スミヨン騎手「サンデーが拒否」原因はC.ルメール騎手? ドバイターフ(G1)リアルスティール「鞍上ドタバタ劇」の裏事情
  7. アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
  8. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  9. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  10. 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客