パチンコホールが悲痛の叫び！筐体の「巨大化」問題は果たしていつまで続くのか…

文＝電撃しらっち

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　以前、パチンコの「ド派手筐体」とその「専用段ボールや価格」についてご紹介しましたが、それを面白おかしくアピールするお店が出てきちゃいました。

　これは東京都内にある某ホールのポスターなのですが、上部には「スタッフの悲鳴!!お店にて独自リサーチ!!重さランキング出してみた。」とのタイトルがあり、その下にはメーカーごとの平均重量が順位付けされています。

　パチスロ部門で首位を飾ったのは最大手ユニバーサルエンターテインメント（約50kg）で、「昔から重いです」とのコメントとともに、悲鳴度はおそらくMAXの「星5つ」。2位にはオリンピア（約48kg）、3位にはネット（約47.5kg）がランクインしてします。いずれも大きめ液晶を搭載した筐体が印象的ですよね。

　一方、パチンコ部門はサンセイR＆Dが堂々の第1位（約58kg）。以下京楽産業.（約50kg）、平和（約49kg）、ニューギン（約40kg）となっています。

　面白ネタのようにランキング化していますが、これはもうホールスタッフたちの「切実なる叫び」といっても良いのではないでしょうか？　

　ここ数年、「筐体の大型化」や「重量」について議論や検証がされているようですが、そろそろ限界がきているのではないかと考えられます。

　通常のパチンコ台ですと、だいたい25kg～35kg程度でパチスロ機はそれより少し重いくらいです。それが軒並み50kg級というのはどうなんでしょうか……。

　それまでは特に意識せず、それほど興味のなかったユーザー達もこのポスターを見たらさすがに驚くのでないかと思います。

　『海シリーズ』や『大工の源さん超韋駄天』の実績が物語るように、筐体のデザインや設計が高稼働に結びつくとは限りません。もちろん全否定はしませんし、メーカー側は「稼働に繋がるのでは？」と試行錯誤し、開発してきたという努力もあるでしょう。また「この筐体だから！」という理由で打つ層も一定数はいるのかも知れません。

　ただ、これを購入する側のホール関係者のほとんどは、色々と疲れ果てているのではないかと思うのです。58kgとかもう成人女性の平均体重より重い訳ですからね。そりゃスタッフから悲鳴のひとつもあがりますよ。

　しかも重さだけでなく、価格もその分ド～ンと上昇しちゃっている訳です。さらに、重さや価格だけではなくデータランプが見えなくなったりもします。そして、その筐体用専用BOXは1万円くらいしちゃうんです。

　とあるパチンコ系ブログが以前、パチンコユーザーに「ド派手筐体は必要か？」というアンケートを取ったところ、なんと90％の方が“いらない”と答えたそうです。そのアンケート自体にどれほどの信頼性があるかは分かりませんが、おそらく多くの人たちが昨今の「筐体」に対して疑問を持っていると思うのです。つまるところ“中身で勝負”、これで良いのではないかと。

　それともアレでしょうか？ゲームセンターにある体感ゲームのようなものを目指しているんでしょうかね？少し大袈裟に言ってしまいましたが、冗談抜きで今のド派手筐体の流れを考え直す時期にきていると思います。

　それこそ、もしも筐体がシンプルになることで少しでも新台価格が下がるのであれば、ホール側としては大歓迎だと思います。

　業界団体・日本遊技関連事業協会（日遊協）の会合でもパチンコ機の大型化について議論されていますからね。さてさて、これからどうなることやら。少しでも良い方向に事が運ぶ事を願うばかりです。

（文＝電撃しらっち）

<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。