GJ > 競馬ニュース > 【オークス】「実質未勝利勝ち」トライアル組は貧乏クジ?
NEW

【オークス】「実質未勝利勝ち」4頭参戦にトライアル組は貧乏クジ? 優先出走権も事実上の無意味…トップクラスの参戦見送りに泣いた陣営と笑った陣営

【この記事のキーワード】, ,
ステレンボッシュ 撮影:Ruriko.I
ステレンボッシュ 撮影:Ruriko.I

オークスにステレンボッシュなど18頭が登録

 19日に開催される牝馬クラシック第二弾のオークス(G1)。その登録馬が先日、JRAのホームページで発表された。

 一冠目の桜花賞(G1)を快勝したステレンボッシュをはじめ、同レース3、4着のライトバックにスウィープフィート、ステップレースで出走権を手に入れた馬を含め、ちょうどフルゲートと同じ18頭がエントリーを済ませた。

 ただ、メンツをみると出走のボーダーラインが決して高かったわけではないことも確か。というのもエントリーした18頭のうち4頭は1勝クラスの馬であり、事実上未勝利勝ちに過ぎなかったからである。結果的に3歳牝馬の頂点を争うG1に、枠が空いていたから運よく出走が叶っただけといえそうな状況となった。

 トライアルを使ったにもかかわらず出走が叶わなかった馬と、使わずに出走が叶った馬が出たのでは本末転倒という意見が出ても不思議ではない。SNSやネットの掲示板では「トライアルをやった意味ない」「クリスマスパレードとか直行すればよかったのに」「むしろ間隔詰まる分、前哨戦を使うほうが損だったのでは」といった声も一部のファンから聞かれた。

 新馬戦を勝った後、管理する加藤士津八調教師がオークスを目標に置いたというクリスマスパレードは、2月の自己条件も制してデビュー2連勝。本番の優先出走権を目指してフローラS(G2)に臨んだが、大外枠も響いてか4着に敗戦。その後は放牧に出され、エントリーも見送ったことから、一生に一度の晴れ舞台に立つ夢は儚くも散った。

 結果論に過ぎないが、トライアルに使わずとも出走が可能なら優先権獲得を目指してフローラSに参戦する必要すらなかったわけである。収得賞金900万円の同馬は登録さえすればオークスに出走できた計算だ。

トライアルをパスして笑った陣営も

 一方、クリスマスパレードと同じ収得賞金900万円のエセルフリーダは、前走のミモザ賞(1勝クラス)を勝った後「トライアルを使うとオークスが春3戦目になるから、可能なら直行がいい」という武藤善則調教師の読みがズバリと的中。トライアルを挟まずに本番の出走圏内に入ることに成功した。

 9日に行われたオークスの1週前追い切りで、エセルフリーダは3頭併せを敢行し最先着。間隔をあけたことが功を奏してだろう、大舞台へ向けて抜群の動きを披露している。

「さすがに1勝馬でも出走できてしまったら、リスクを冒してまでトライアルを使う意味があったのかという疑問が生じてもおかしくなさそうです。今年の3歳牝馬といえば昨年の新潟2歳S(G3)で5番人気に推されたヒヒーンも、オークス参戦を目指してか先月だけで3走もしていましたが、ここまでタイトに使わなくても樫の舞台に立てた可能性がありました。

また、トライアルに使った陣営を惑わせたのは、今年のオークスのメンバー構成が読みにくかったことも一因かもしれません。皐月賞(G1)を敗れたレガレイラは日本ダービー(G1)に出走が決まったものの、オークスに向かう選択肢も残されていました。もし出走していれば上位人気に推された可能性のあるアスコリピチェーノやボンドガールがNHKマイルC(G1)に参戦したことも、メンバーの弱化に拍車が掛かりました」(競馬誌ライター)

 ジャンタルマンタルとアスコリピチェーノの二強対決で盛り上がったNHKマイルCに比べると、ステレンボッシュで断然ムードのオークスの盛り上がりはもうひとつ。出走ボーダーラインのハードルが高くなっているダービーとは好対照といえそうだ。

 ただ出走するからには、どの馬にもチャンスがある。このまま回避馬が1頭も現れず、フルゲートで手に汗握るレースが繰り広げられることに期待したい。

GJ 編集部

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

【オークス】「実質未勝利勝ち」4頭参戦にトライアル組は貧乏クジ? 優先出走権も事実上の無意味…トップクラスの参戦見送りに泣いた陣営と笑った陣営のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. ゴールドシップ繋養牧場でまた迷惑行為…ビッグレッドファームが来年GWの見学を休止。過去にあった非常識行為と、SNSやYouTubeの無断アップが後を絶たない問題
  2. JRA「3歳賞金王」はジャンタルマンタル、ジャスティンミラノにあらず!? 日本不在の“裏”賞金王の存在と、新種牡馬サートゥルナーリアが1強にならない異変
  3. 「6戦合計40馬身差」“川崎のヤマニンウルス”がついに中央へ殴り込み!? 妹は『ウマ娘』藤田晋オーナーが1億円超で落札の血統馬
  4. C.ルメール「単勝1.1倍」7馬身差の圧勝劇に「新しいレモンポップ」の声! G1・2連勝も昨夏「他界」した全兄の分まで…陣営が描く壮大な夢
  5. わずか「1頭」の初年度産駒がデビュー戦8馬身差の大楽勝! 突如現れた「後継候補」はサウスヴィグラス希望の光となるか
  6. 「6戦合計40馬身差」“川崎のヤマニンウルス”がついに中央へ? 【日本ダービー】「過去20年連対ゼロ」の苦戦でも今年はG1級!?  ドゥラメンテ「最後の大物」出現なるか。「伝説」の最終世代をピックアップ【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
  7. 新種牡馬サートゥルナーリア産駒「超大物候補」がいきなりデビュー!?「名牝シーザリオ伝説」新章へ…注目2歳馬ピックアップ
  8. 【日本ダービー(G1)展望】無敗ジャスティンミラノに死角なし!? 2着2回の戸崎圭太は10度目の挑戦で戴冠なるか
  9. 怪物グラスワンダーの血が突如拡大! スタリオン移籍で「最後の大仕事」へ?
  10. 田原成貴「頭がお花畑」安藤勝己「最悪の負け方」元JRA騎手の大物が酷評…大一番で弱点露呈のシュトラウス、有馬記念のT.マーカンドに不安の声?