J.モレイラ「出禁回避」へ負けられない戦い! 桜花賞馬ステレンボッシュは「騎乗不可」、日本ダービーでも悩ましい選択?
J.モレイラ、短期免許取得条件クリアなるか
先週末は騎乗機会5連勝を含め、土日で7勝と大爆発したJ.モレイラ騎手。先月6日から短期免許で参戦すると、ここまで19勝を挙げ、勝率31.7%、連対率51.7%と驚異的な数字を残している。
そんなブラジルの名手は12日に開催されるヴィクトリアマイル(G1)で、マスクトディーヴァ(牝4歳、栗東・辻野泰之厩舎)に騎乗予定だ。
人馬は初コンビを組んだ前走の阪神牝馬S(G2)を快勝。パートナーは昨秋ローズS(G2)を1分43秒0の日本レコードで快勝しており、秋華賞(G1)でもメンバー最速の上がり3ハロン33秒5で女王リバティアイランドを1馬身差まで追い詰めた実力の持ち主。当日は優勝候補の1頭となることがほぼ確実である。
ただ、引き続き手綱を取るモレイラ騎手は、来年度のJRA短期免許を取得するには「過去2年でJRAのG1・2勝以上」という条件をクリアする必要がある。先月の桜花賞(G1)ですでに1勝を挙げているため、マスクトディーヴァと臨むヴィクトリアマイルは、“出禁回避”に絶好のチャンスだけに、より気合の入る一戦になることは間違いない。
とはいえ、仮にここを落とした場合、一転して暗雲が漂うことにもなりそう。
というのも同騎手はオークス(G1)の週にブラジルで騎乗することが決まっているため、桜花賞馬ステレンボッシュの手綱は戸崎圭太騎手に譲ることとなった。そうなると今回の短期免許は来月5日までのため、日本ダービー(G1)か安田記念(G1)のどちらかを勝たなければならなくなる。
安田記念はマイラーズC(G2)の覇者ソウルラッシュに騎乗予定だが、ダービーでは皐月賞(G1)でコンビを組み、僅差2着に入ったコスモキュランダがM.デムーロ騎手に乗り替わりとなったため、現時点で明確な騎乗馬が決まっていないようだ。
戴冠のチャンス十分と思われたコスモキュランダを手放し、モレイラ騎手は一体どの馬に乗るのか。現時点ではプリンシパルS(L)を制して権利を取ったダノンエアズロックとのコンビが有力視されているが、まだ確定とは言い切れない事情もある。以下は、今年のダービーに出走可能なボーダーラインの目安をまとめたものである。
■日本ダービー、想定ボーダーライン
現時点でダービーを視野に入れている馬は、収得賞金1600万円のミスタージーティーとサンライズアースまでが出走できる見通し。仮にこの18頭で決まれば、モレイラ騎手は身元引受調教師である堀宣行師の管理馬であり、自身が手綱を取ってプリンシパルS勝利に導いたダノンエアズロックに引き続き騎乗することがほぼ間違いないだろう。
ただ堀厩舎にはNHKマイルC(G1)でモレイラ騎手が跨り4着に好走したゴンバデカーブースもいる。収得賞金2000万円の同馬は、在厩で状態をチェックし今後について判断すると8日、所有するG1レーシングが発表。レース後も脚元などを含め、特に変わった点はないという。
もし同馬がダービーに駒を進めることとなった場合、モレイラ騎手はこちらに騎乗する可能性も出てきそうだ。ただノーブルロジャー(収得賞金3250万円)やロジリオン(同2350万円)、シュトラウス(同2300万円)など他のNHKマイルC組もダービー参戦を決めた場合、ゴンバデカーブースは出走枠に入れない可能性もあるため、結論はもう少し先延ばしとなりそうだ。
しかし、モレイラ騎手が堀厩舎2騎のどちらに騎乗するにしても、ジャスティンミラノをはじめ皐月賞の上位陣の層は厚い。安田記念のソウルラッシュもチャンスはあるだろうが、背水の陣でG1に臨むのは本人的にも避けたいところだろう。
それだけに、マスクトディーヴァに騎乗する今週末のヴィクトリアマイルでG1・2勝目を決めてしまいたいところ。モレイラ騎手とその関係者にとって大きな意味を持つレースとなりそうだ。
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