
武豊「まだ強くなりそう」オーサムリザルト無敗の6連勝! 2度のカンパイ、4頭が落馬の不穏ムードも…ライバルと「レジェンド争奪戦」に拍車

8日、川崎競馬場で行われたダートグレード競走の第70回エンプレス杯(G2・ダート2100m)は、武豊騎手の騎乗したオーサムリザルト(牝4、栗東・池江泰寿厩舎)が、1番人気に応えて勝利。重賞初勝利を飾るとともに、デビューからの連勝を6に伸ばした。
かつて砂の女王ホクトベガが、馬なりで18馬身差の大差勝ちを決めた舞台でレジェンドと無敗のパートナーが躍動した。
オーサムリザルトに「まだ強くなりそう」と武豊も好感触
雨中の稍重で争われた一戦で7枠10番から好発を決めたオーサムリザルト。内から岩田望来騎手のライオットガールがハナを奪うが、そんなペースでは遅いと言わんばかりに主導権を取る。このまま後続を離すかに見えたオーサムリザルトだが、今度は外から松山弘平騎手のアイコンテーラーが襲い掛かった。
これに対し、競り合いを仕掛けてきた相手を一瞥した武豊騎手もペースアップ。残り400mで2番手アイコンテーラー、3番手ライオットガールの脚色が鈍ったのを尻目に手応えを残したまま最後の直線に入る。ゴール直前で川田将雅騎手のグランブリッジが強襲したものの、危うさを感じるほどではなかった。
「手応えは良いのですが、単独で先頭になると少し気を抜く癖がある馬で、ヒヤっとはしましたが、内容的には完勝だったと思います。今日がまだ6戦目ですし、まだ強くなりそうな馬なので、これからが本当に楽しみです」
会心の勝利を手にした武豊騎手がそう振り返ったように余力を残しての完勝。芝路線ではリバティアイランドやマスクトディーヴァに注目の集まる4歳牝馬だが、無敗の6連勝を決めたオーサムリザルトの快進撃は、牡馬が年長馬相手に苦戦を続けている4歳世代の希望となるかもしれない。
今後は牡馬相手にどこまで通用するのかにも注目が集まるオーサムリザルトだが、主戦を任されている武豊騎手としては、悩ましい選択を迫られる可能性もある。
ヤマニンウルスVSオーサムリザルトの直接対決も実現?
というのもレジェンドにはもう1頭、同じダート路線で無敗を続けているヤマニンウルス(牡4、栗東・斉藤崇史厩舎)もいるからである。既にファンの間では、両馬の直接対決が実現した場合、どちらが強いのかといった話題も出ているほど。それぞれの陣営もできる限り“武豊争奪戦”を避けたいところだが、ライバル2頭が勝ち進めば進むほど、究極の選択を避けられない将来もありそうだ。
また、ボンドガールとコンビを組んだNHKマイルC(G1)こそ、直線の不利が響いて消化不良の結末に終わった武豊騎手だが、6日の名古屋グランプリ(G2)をノットゥルノ、エンプレス杯をオーサムリザルトで勝利と手綱捌きが冴えている。
奇しくもエンプレス杯当日は、4Rと7Rで1日に2度のカンパイ、10Rでは4頭が落馬して3人の騎手が病院へ搬送されるアクシデントも発生。不穏なムードに包まれた中でファンの不安を払拭したレジェンドの姿にホッとしたファンもいただろう。
昨年のマイルCS(G1)を制したナミュールに騎乗を予定しているヴィクトリアマイル(G1)でも、不完全燃焼に終わった先週の鬱憤を晴らす華麗な手綱捌きに期待したいところだ。
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